初夏の利根川!さて、どう釣るか?
まずは耳慣れない「コ・アングラー」という言葉について説明する。「バスオブジャパン」のトーナメントは基本的に2人乗船での試合となり、ボートを持ち込むボーターの船に、コ・アングラーが同船する。私はこのコ・アングラーとして、2019年からこのトーナメントに参戦している。ボーターは5匹、コ・アングラーは3匹のバス(今回は30cm以上)の総重量で順位が決まる。今回のフィールドとなる利根川は、流域面積が日本一の大河。例えバスボートがあっても一日で全域を釣るのは不可能だ。また、私と組むボーターが誰になるかということも、大切な要素である。大きなバスボートであれば、大移動も可能な反面、浅い支流やクリークには入って行けない。小型の船であれば、大移動は出来ないが小場所に入って行ける。これで作戦にかなりの差が出る。今回、私が組んだボーターはYさん。ボートは19ftのレンジャー。大型の部類のバスボートである。となれば、機動力を活かしつつ本流を中心に攻めようということになる。私もYさんも直前プラクティスは出来ないが、Yさんは2週間前にプラクティスを行っていた。その状況も踏まえつつ、広く探って行くことにしていた。
朝一は本流を攻めるも…
受け付けを済ませ、Yさんの船に荷物を積んでいよいよスタート!まずはYさんがプラクティスで50アップ(!)を釣ったというパターンを試しに本流のポイントへ。スタートして、ほとんどの舟が下流に向かう中、我々のボートは上流へ。しかし、予想通り、金曜日に降った雨の影響からか水はコーヒー牛乳色に濁り、流れも強い。ジカダン、ノーシンカーなどいろいろ試したが釣れず、移動。少し下流の本流にある消波ブロックを攻めたが、ここも無反応で、10時過ぎに遅ればせながら下流に移動し、北部印旛沼と利根川を結ぶ、長門川に入った。
長門川でバスを発見!
やはりというか、長門川には参加者のボートがチラホラ。釣れているのだろうか…。岸沿いのブッシュにYさんはテキサスリグ、私はソルト入りワームのノーシンカーを打っていく。ところどころ木がせり出している、いわゆるオーバーハングがあり、その下にスキッピングで入れて行くような展開も。すると、桑の木の下にテキサスリグを打ったYさんがバシッと合わせた。しかし、無情にもラインブレイク。合わせ切れだ。悔しがるYさん「ライン結び変えたばかりなのになー!」と納得いかない様子。でも、「これでバスがいることは分かったし、どうやら桑の木が良いみたいだからまた頑張りましょう!」と励まし、釣り再開。そこからは、桑の木をメインに狙って行った。
痛恨のバラシ!そしてYさんがバスをキャッチ!
私はノーシンカーを中心に攻めていたが、途中で流れに流されないようにワームをやや太くてしっかり沈むものに変更。最初はパールホワイトを付けていたが、イマイチ反応がないのでウォーターメロンにカラーチェンジ。さて、思いっ切り陽が当たっているけど、「ここにも投げておくかー」と、桑の木と思われる立ち枯れにキャスト、落とし込んでみた。ラインを張ると、クッと重くなる。枝か何かにスタックしたかな?とロッドを立てて聞いてみると、ググーっと引き返された。「喰ってる!」。バシッと合わせると、バスの引きが伝わってくる。重い。なかなか重いぞ。バスが浮いて来て姿が見えた。40cm弱。ナイスキーパーだ。次の瞬間、バスが潜った。孤を描くロッド。耐えて浮かせようとした瞬間…抵抗がなくなった。痛恨のバラシ!ネットを構えてくれていたYさんも「うわー!惜しい!なんでバレるかねー!」と。薄いところに掛かっていて口切れしてしまったのかもしれない。本当に悔やまれるミスだった。
気を取り直して再開。もう、今日は桑だ!桑の木だけ狙おう!と、どんどん攻めて行く。私はジカダンとノーシンカー、Yさんはテキサスリグとノーシンカーをカバーの濃さに応じて使い分けていく。Yさんが岸沿いのブッシュにいい感じでテキサスリグをピッチングで入れた。「おっ、良い所に入ったな!」と思った瞬間、「喰った!」。ガバガバッとエラ洗いしながらカバーを越えて来た。慌ててネットを準備。下に突っ込まれ、走られながらも無事キャッチ!測ってみると、800gのナイスキーパーだった。
今回のトーナメントはデジタルウェイイン方式。釣れたバスはキープせず、公認スケールに乗せて写真を撮り、重さを記録してリリースする。バスに負担をかけないとても良い方法だと思う。結局、その後はアタリもなく、帰着となった。
やはり厳しかった一日
結果、バスをキャッチしたのはボーター5人、コ・アングラー4人。“あのバス”をキャッチ出来ていれば、どんなに悪くても4位には入っていた。釣りの話に“タラ・レバ”は禁句とは言え、惜しすぎる1匹だった。全体的な印象としては、バスの個体数がかなり減って来ているということ。とは言え、バスの生態系の中での立ち位置を考えると、個体数が少ないのは当然のことである。バスがその日、どこにいるか見つけ、何を喰っているかを考え、こちらがこれで釣りたいという拘りをある程度捨ててバスに合わせていくことが出来れば、きっとバスに出会えるフィールドなのだと思う。難しいが、本来のバス釣りの面白さを味わえる、そしてある意味、アメリカでの釣りに近いものがあるフィールドだと言える。腕に自信のある方にチャレンジしてほしい。
施設等情報
施設等関連情報
車:東関東自動車道・成田ICから国道356号線経由で柏方面へ約15分。安食バイパス(国道356号線)沿いの利根川と長門川合流地点
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。