千葉県・大原沖のイサキ最盛期!今後海水温上昇で“高級ゲスト”も!

イサキは、産卵期にあたる梅雨時は活性も高く「梅雨イサキ」と称され、食味も最高だ。好釣り場として知られる千葉県・大原沖は今シーズンも最盛期に突入。もう一つの特徴が“ゲスト”として交じる多くの高級魚。海水温が上がってくるこの時期には超がつく高級魚・シマアジが交じる事も。釣行日はまだ海水温が低く“抱卵イサキ”がメインだったが、9月まで十分楽しめる。

船釣り
  • つる丸・千葉県大原港

早い梅雨明けで「梅雨イサキ」と呼んでいいのか?

イサキの旬と言えば梅雨時。今シーズンも梅雨真っ只中の最盛期を狙ってイサキの好釣り場・大原沖に行く予定だったが…連続猛暑日記録更新で6月後半には例年よりも大幅に早くまさかの梅雨明け。釣行日の7月2日(土)も都内では35度を超える予報の中で“梅雨明けイサキ“を狙う事になった。午前4時の集合時間に向け、東京・多摩地区の自宅を午前2時前に出発。外気温計は28度とまさに熱帯夜。しかし、4時前に『つる丸』に着いて車のドアを開けると肌寒い。なんと気温が22度まで下がっているではないか。今年はなんか変だ。

まず船宿で受け付け、会計。それから港へ
『つる丸』では、まず船宿に集合して、乗船名簿と会計を済ませて港へ向かうシステム。港までは車で1分。「旧いさばや」の目の前が船着き場。船の前の道路に駐車できれば良いが、週末などで混雑で駐車出来ない場合は、「旧いさばや」横の公衆トイレ裏側の広場が駐車場となる。4時前に船宿に集合し、受け付けを早々に済ませて港に向かったが、さすがはイサキの最盛期だけあって、駐車場は広場となった。船では各席にコマセ等の設置の準備をしてくれているので、後は氷を受け取って乗船するだけ。

『つる丸』(昼間撮影)
漁港前の交差点左折。伊勢エビ水揚げ日本一と『つる丸』看板が目印
受け付けで乗船名簿を記入
会計を済ませていざ港へ!
出船時は薄暮の中
大型船の「つる丸」
旧いさばやの前が船着き場
こちらは「新いさばや」。この奥を右に行くと船着き場

カラー3本バリで付け餌不要!

『つる丸』のイサキ船はオーソドックスなコマセを用いた釣り。長さ2m前後のロッドに小型の両軸リールの組み合わせ。電動でもいいのだが、水深が浅く、よりイサキの強烈な引きを楽しむなら、少しでも軽い手巻きを敢えてお勧めしたい。仕掛けはハリス1.5号の3本バリ。全長3m。ゲストにシマアジなどが交じる時は1.75号でもいいが、2号にすると喰いが落ちてしまうそうだ。ハリはカラーバリを用い、付け餌はつけない。岩瀬正尚船長は、「カラーバリでも全く遜色なく喰います。数を釣りたいなら手返しを重視して、カラーバリのみがお勧めですね」と言う。付け餌にイカタンやオキアミを保険に持参している人もいたが、実際、本当にカラーバリのみで喰って来た。

汎用性が高いロッド。ライトタックルロッドも可。リールは手巻きがお勧め
60号FLのビシカゴ。黄色いカゴです
鶏魚とも書くイサキ。トゲが強烈なので魚ハサミやプライヤー必須
『つる丸』推奨仕掛け。1.5~1.75号のハリス
仕掛け図

最初に選んだのは今シーズン初のポイント

異常気象のように続く猛暑もそうだが、今シーズンの気候は何かおかしい。釣行前週は連日の強い南西風。今週はやっと収まって来たが、この南西風の影響でイサキのご機嫌が完全に真横を向いてしまった。連日、協定上限の50匹を叩き出していた釣果はなりを潜め、厳しい状況。船長も前日までのポイントを諦めて、この日は今シーズン初のポイントからスタート。港を出て40分。水深は16mほど。

想定を上回る厳しいスタート
上乗りでサポートしてくれる松男大船長がポツリと呟く。「今日で4日目だよ…食いが悪いなんてもんじゃないよ、最悪だよ」。期待された新しいポイントだが、開始2時間、全くアタリがない。そもそも魚影が非常に濃い大原沖でこの状況は私も初めて。本来なら指示ダナからハリス分3m落として、コマセを1m毎に撒いて指示ダナで待機していると、程なく引っ手繰るかのごときイサキの強烈なアタリが訪れるのだが。残念ながら南西風の影響で海中がかなり濁っているようだ。

ビシカゴをセット。下は全閉。上は1、2mm開けるだけ
アミコマセを使用
カラーバリに喰ってきます。中には一個だけオキアミをつける人も
“探見丸”完備。貸し出し用もあり
海水温が低いので朝は靄に囲まれて肌寒い。

ポイントを変えて何とか“本命”ゲット!

さすがに2時間アタリ無しの信じられない状況に船長も移動を決断。あえて避けた前日までのポイント周りを探る。すると小さなアタリが。“本命”のイサキではなく、小アジが船中でポツポツと顔を出した。これが伏線だったのか?ご夫婦で仲睦まじくイサキ釣りに来ていた篠塚夫妻。奥様に待望の強めの引きが訪れ、本日船中最初のイサキ。ここからポツリポツリとだが船中でイサキが顔を出し始めた。船長が「渋い時に釣れるイサキはサイズも小さいんですよね。大きいのは口を使わないのでしょう」。その言葉通り、釣れるイサキがいつもの大原沖のそれよりはかなり小さい。

アタリが遠い!?
イサキは群れで泳ぐ魚なので、コマセが馴染むと入れ喰いモード突入も間々あるのだが、この日はポイントを流し替えた直後のみ2点掛けもあったが、全体的にはかなりアタリが遠い。トップがやっとのことでツ抜け(10匹)したのが午前9時過ぎ。心の奥で期待していた超高級“ゲスト”のシマアジは来る気配なし。時より強烈に引き込む“ゲスト”は良型の沖メジナ。都内は連日の猛暑で信じられない暑さだが、大原沖はむしろ寒いほど。理由は海水温がまだ低く、この日も19度程。これが天然クーラーとなり、海上は深い霧に包まれて上着が必要。まだ“ゲスト”に適した海水温にはなっていないようだ。

女性アングラーに待望の船中最初の本命
ミヨシ(船首)でも待望の1匹
精緻なコマセワークで2点掛け
続いて良型メジナ。
こちらでも一荷
いつもはこれが当たり前なんですが。今日は厳しかった
厳しい状況での嬉しい一荷(2匹)
初のイサキ釣りで“本命”ゲット
常連さんでもてこずる1匹
3点掛け!と思いきや1匹はアジ・・・

翌日はトップ43匹と完全復活。海水温が上がればシマアジも期待

船長の話では「どこでも釣れるイサキがどこでも釣れない…これで4日目。でもこれが“底”でしょう。後は上がるのみだよ!」。という事でこの日は納竿。トップは16匹と、大原沖のイサキにしてはかなり寂しい釣果となってしまった。海中はまだ“梅雨”なのか?本来はこれからが海水温も上がっていよいよ最盛期。反応は確実にあるので海が戻るのを待つのみ。現に釣行翌日にはトップ43匹と完全復活。「やはり“底”だったか…」。海水温が20度を超すとシマアジも口を使いだすそうだし、これからが楽しみだ。

最後のポイントは当たれば良型
大きなメジナでしたよ
いいサイズの一荷です
“本命”イサキ
楽しいトークで船上をなごます岩瀬松男大船長
岩瀬正尚船長が優しく教えてくれるのでリピーターも多い
いつもならこれが溢れるのですが・・・
昔ながらの田園風景が広がるいすみ市

施設等情報

千葉県大原港『つる丸』
〒298-0003 千葉県いすみ市深掘1885-12
TEL:090-4377-5777
定休日:第1・第3月曜日 釣果・施設情報 つる丸ホームページ

施設等関連情報

午前イサキ予約乗合船 
料金:1万1,000円 (税込)(コマセ・氷付)
出船:午前船AM3時30分集合 AM4時30分出船 AM11時頃沖上がり
駐車場:あり

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

丸岡 直樹 釣りビジョンAPC

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