秋田県・米代川流域 ポイント開拓もタナゴ釣りの醍醐味!

秋田県のタナゴ釣りにおける状況は、他の地域と比較すると「恵まれたフィールド」とよく言われる。しかし、地元のタナゴ狙いの釣り人は少なく、とてもニッチな釣りの一つとなっている。そのため、どこに生息し、どのような種類がいるのか?その情報も少なく、フィールド探しは「足で稼ぐ」必要がある。今回は新たなポイント開拓を目的に、県北部の米代川流域に足を延ばした。

淡水
  • 秋田県 米代川

釣行前夜はグラス片手にマップとにらめっこ

サクラマスやアユ釣りの名河川として知られる米代川は、4,100平方kmもの流域面積を有し、本流や支流、枝沢、農業用水路、また、それに付随する湖沼なども含めれば、タナゴのいる可能性が高いポイントが多岐にわたる。その広大なフィールドの中から、どのようにポイントを絞り込むか?私はその手法として専ら「地図アプリ」に頼ることが多い。
早速、釣行前日に良さそうなポイントに目星を付けてマップに保存。今回のタナゴ探訪は、私の住む秋田市から鷹ノ巣エリア(北秋田市)を目指し、二ツ井、能代エリアと進み、米代川下流方面に向かう計画だ。ポイントを定める上で、そこが釣り禁止でないことを確認しておきたい。特に湖沼や池などに関しては、その可能性が高いので注意が必要。併せて駐車スペースの有無の確認も忘れずに。釣行前夜、酒を飲みながらする釣行計画や仕掛けの準備。この時間がタナゴ釣りの面白さの第一ピークかもしれない。

流域面積が広い米代川水系では、様々なシチュエーションのポイントがある

釣れても釣れなくても、そのすべてが経験値

8月21日、午前5時に自宅を出発。道中、国道285号線を走っていると土砂や枝などの残骸、法面(のりめん)の崩壊など、8月中旬に東北を襲った豪雨の爪痕が散見された。こうなれば川や水路などの状況もいささか不安になる。まずは目星を付けていた鷹ノ巣エリアの水路などを訪れたが、ウキ釣りには適さない流れになっていた。一見よさそうな止水部も狙ったが、タナゴの姿を確認出来ない。地図アプリでは一見よさそうに思える場所でも、いざ現場に出てみると予想とは違う地形や流れになっていたりもする。それだけではなく、魚が全くいない、ジャミ(小魚)が多いなどといったことは、新規ポイント開拓ならでは。しかし、タナゴがいなくても、その一歩一歩が決して無駄とは思っていない。すべてが経験値として蓄積されるからだ。

流れの弱い水路を中心にポイントを巡った

可憐なキタノアカヒレタビラと出逢う

鷹ノ巣をあとにして、各ポイントを見ながら一気に能代エリアまで走った。目星を付けていたのは沼から流れ出る水路だが、やや流れはあるものの許容範囲だ。
流れでバラケ過ぎないように、やや硬めに練った餌を付けて、仕掛けを打ち返していく。すると、タナゴ特有のキラリと平を打つ仕草が見え始めた。あとはどんな種類が釣れるかだ。流れる仕掛けが一瞬止まり、合わせると小気味良い魚信が伝わった。タナゴの正体はキタノアカヒレタビラだった。次にその水路周辺にあった枡(マス)の中を覗くと、小さいタナゴ達がキラキラと光っていた。ここは流れも弱くのんびりと竿を出すには打って付けだ!そう思い、腰を下ろしてじっくりと狙ってみた。釣れるタナゴはすべてキタノアカヒレタビラで、サイズはまちまち。今回はポイント開拓ということもあり、後ろ髪を引かれる思いで次なるポイントを目指し、点々としながらデータ収集をし、秋田市への家路に就いた。
ポイント開拓もタナゴ釣りの醍醐味だと感じている。釣れなかったとしても、訪れたフィールドはすべて経験値として積算されていく。
今回は地元を離れたちょっとした遠征でもあり、途中で立ち寄る“道の駅”や飲食店なども楽しみの一つ。あなたもプチ旅行気分でタナゴ探しに出掛けてみてはいかがだろう。

じっくりと腰を据えてタナゴ釣りに興じる
奇麗なキタノアカヒレタビラと出逢えた
小型のタナゴが中心だった
水路の枡で好反応を得た

施設等情報

米代川流域(実釣場所は能代市、北秋田市)

施設等関連情報

特になし

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

熊谷 正悟 好きな釣りはトラウトフィッシング。春のサクラマス釣りから始まり、夏から秋は渓流域でヤマメを狙う。淡水タナゴは釣果よりはフィールドを探し歩き、自然とのふれあいを楽しんでいる。海釣りは季節を追ってその時の釣りものを楽しんでいるが、アジングが最近のお気に入り。繊細なアタリを取り掛けるまでの楽しさがそこにはある。ホームフィールド・秋田の魅力を発信していきたい。

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