山梨県小菅村 小菅川・キャッチ&リリース区間へのテンカラ釣行!!

そそかっしい事に自宅階段で足を滑らせ落下、右足小指を骨折したのは6月下旬。2ヵ月経過、違和感はあるが、取り敢えず歩けるようになったので、渓流釣りを再開。“本格渓流”に出掛けるにはまだ心もとないので、予行演習として、山梨県小菅村の小菅川・C&R(キャッチ&リリース)区間へテンカラ釣行に出掛けた。下流部は小砂利の平坦な河原で文字通り〝足慣らし釣行〟には最適だ。

淡水
  • 山梨県 小菅川

逸る気持ちを抑えて小菅川へ

深緑の水を湛える奥多摩湖を左に見ながら、国道411号線を走る。丹波川が流れ込む下流を左折、深山橋を渡って暫く進むと小菅村。目当ての小菅川は、谷合の集落の中を道に並行して流れ下る。C&R区間は、その小菅川が奥多摩湖に流入する最下流部約2㎞に設定された、餌釣り禁止の特別エリア。23年前に『小菅村漁業協同組合』が関東地方の河川としては逸早く立ち上げた。
日釣券(1000円)を購入して釣り場へ。C&Rエリア最下流に整備された駐車場に車を停める。午前9時を少し過ぎ、先客と思われる車が数台。近くで竿を振っていたフライマンに状況を尋ねる。「すぐ、下流でまあまあのサイズが出ました」と、スマホに収めた写真を見せてくれた。ドライフライで釣り上げたという25cmほどの立派なヤマメだった。
一段とやる気が高まったが、「禁物、禁物、今日は足慣らし、釣果は求めないリハビリ釣行だ」と言い聞かせ、逸る気持ちを静めた。

C&R区間最下流。平坦な河原なので歩きやすい
見事なキャスティングで釣るフライマン
遊漁証は見やすい場所に

釣りの素晴らしさ再認識!!

ペブル製のテンカラ竿「ConnecterT260」(2.6m)に、3.5号のレベルライン3.6m、その先に0.6号のハリスを矢引で結んで、探り始める。
対岸まで仕掛けが届かないほどの大淵に大型のニジマスがゆらゆらしている。狙わない手はない。早速、沈下用のビーズヘッド毛バリで何度も誘ったが、相手はことごとく無視。50cm近くありそうな魚体だから、川岸にいる釣り人からは丸見えだ。みんなが狙うから、見事なスレ具合である。毛バリが淵尻に差し掛かったところで、別の魚から待望のアタリ。22、23cmのニジマスだ。ググン!と手元に伝わる2ヵ月ぶり振りの魚信。「この感触、この感触…」。思わず口元が緩む。その上流でもう1匹追加して、上流に移動した。

沈み石周りや岩盤の際はポイント
2ヵ月ぶり魚釣りの最初の1匹
釣れてくれてありがとう」。素直に感謝

エリア最大のポイント“水量計プール”で美形ニジマス!

“水量計”と呼ばれるコンクリート製で階段状の構造物がある施設を境に、釣り場はそれまでの管理釣り場に近い渓相から、自然渓流的なものへと変わる。水量計の直下はエリア最大ポイント。水深のある大淵だ。クジャク胴に黒ハックルを巻いた毛バリに付け替えて、主流の脇の水面を滑らせる。すると、毛バリの下に魚が現れ、パクリ。先ほどの魚よりも引きが強い。尾ビレがピンと張った30cmを超える美しい魚体のニジマスだった。
リリース後、今度は下流のぶっつけ流れ出しで、同じ毛バリにヤマメが躍り出た。しかし、タイミングが合わず、こちらは手応えなし。魚がハリに触れなかったので、「もう1度出てくれるかな?」と期待して毛バリを流し続けたが、それっ切りだった。
しかし、今回の小菅川来訪の目的は、自然渓流への釣行に備えたもの。待望のヤマメについてはキャッチすることは出来なかったが、元気なニジマスが遊んでくれて感謝、感謝であった。

区間最大のポイント“水量計”
使用した孔雀ボディのテンカラ毛バリ

朴な味わい“チャーちゃんまんじゅう”

さて、今回の釣行の目的はもう一つある。それは小菅村名物“チャーちゃんまんじゅう”を買い求め、釣りの合間に食べること。実は、小菅川に到着して日釣券を購入した店舗こそが、この“チャーちゃんまんじゅう”の販売所。
店を切り盛りする岡部清子さんの愛称「チャーちゃん」から名付けられた店舗では、チャーちゃんが手作りする定番のあんこまんじゅうから、ヨモギ、おさつ、ネギ味噌、高菜など自家製食材を使ったまんじゅうが並ぶ。当日は日釣券購入時に、あんこ、高菜、おさつを購入し、河原に腰を下ろして美味しく頂いた。北海道産小豆を使い、薪のかまどで2日間かけて煮るあんこは絶品だ。出掛けた際には是非、味わって頂きたい。

人柄も人気の店主・チャーちゃん
素朴な味わいで、心和む。あんこは疲れた体にぴったり

施設等情報

施設等関連情報

遊漁券 : 年券5.000円(女性・中学生は2.500円)、特別年券7.500円(同5.000円)80枚限定、日釣券1.000円(身障者・女性・中学生は500円、小学生以下は無料)、日釣券現場売り1.500円
※詳細は小菅村漁協のホームページを確認

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

小島 満也 雑誌「北の釣り」東京支局を経て、埼玉県西部地方の地域紙「日刊文化新聞」の記者。文化新聞定年退職後は同紙及び釣具の業界紙「釣具新聞」に記事執筆。還暦過ぎても釣欲が衰える気配なし。テンカラを愛好。

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