釣り人には嬉しい整備された釣り場環境がそこにあった
関越道を走り、山道を越えて辿り着いた神流川。渓流釣りでは訪れたことはあったが、アユ釣りで訪れるのは初めて。ここに来るキッカケは、友人の1枚の写真。そこには26cmの体高ある“大アユ”が写っていた。神流川はそれほど大きな河川ではないので、こんなに大きなアユが釣れることに驚いた。
「これは行くしかない!」と即決。友人を誘い、5人での釣行になった。待ち合わせ場所は、下流域の『南甘漁協』のオトリ店。山越えの道を走っている最中所々に番号札を目にした。ポイント毎の入川口に番号札が設置されており、ポイントがとても分かりやすい。公衆トイレもあちらこちらに設置されているので、女性も安心して釣りが出来る。
待ち合わせは10番札のオトリ店。到着して川を見下ろすと霧のかかった山間に清流が流れ、何とも幻想的な景色だ。川幅は広くはないが、大きな石が点在、よさそうなポイントが続いていた。早速オトリを購入、今回初めてお会いする地元のおじさまお勧めのポイントへと移動した。「数は期待出来ないが、良型アユが出る」ポイントだという。今日は一体どんなアユに出逢えるのか、胸が高鳴る。
我慢の釣りの午前中…仲間には“大アユ”がHIT!
まずはいつも様々なことを教えてくれるナイスガイ!の友人が、今回も川を見ながら詳しくポイントの説明をしてくれた。何やらここの上流には、15mも高さがある大きな岩が川の真ん中にあるそうだ。「丸岩」と言って太古の昔、「丸岩」で休んでいる神様に、村人がアユを差し出したところ、神様はアユの尾まで召し上がり「“日本一”のアユだ!」と喜んだと伝えられている。
実は、今回の釣行は“大アユ”を釣りたい!というのは勿論だが、神流川のアユがとても美味しいと聞いていたので、是非食べてみたいと思った。神様も唸らせたアユ、さぞかし美味しいであろう~と益々楽しみになった。
さあ~スタート!『ん~やはり「丸岩」が気になる』ってことで、皆で上流を目指す。1人、また1人、ポイントを決めて足が止まる。更に上流に歩を進めると、分流にアユのキラキラを発見!例の如くこれに引っ張られて足を止めた。
「“オトリ1号”行け~!」。元気なオトリはよい泳ぎをしてくれる。いよいよキラキラゾーンへ!しかし、反応なし。ポイントを少しずつずらしていくが反応なし。下流に見える相方やおじさまに「釣れた~?」と聞くも、「反応なし」とのこと。こりゃ~簡単にはいかなそうだ。
暫くすると、私の上流に入ったナイスガイの竿がしなった。大きな岩が入ったポイントで、竿を立てて丁寧に泳がせてHIT!慎重に対応し、無事キャッチ!私の所まで来て釣れたアユを見せてくれた。23、24cmの立派なアユだった。
「釣れた所、まだアユいるからやってみな~」と言ってくれたので、すぐに移動。相変わらずのナイスガイ!いつもありがとう。
早速、真似をして、竿を立てて丁寧に泳がせていく。するとガガガッ!何かがハリに触れた。粘って粘って泳がすとまたガガガッ!ハリには触れるが掛からない。そうこうしている内に、「丸岩」周りの深場に移動したナイスガイがまたしてもHIT!これまた大きそうだ!「いいな~私も釣りたいな~」と心の声が…。
「丸岩」上流に入っていた友人が戻って来て、荒い瀬で連発したと言う。アユを見せても貰うとこれはデカ~イ!!27cmの特大アユだった。やはり瀬には大きなアユがいたのだ!こうして午前中は、仲間のアユを見ただけで終了。
迫力の引き!“大アユ”にてんやわんや!
「ここは午後からだから!」とナイスガイ。アユ談義の楽しいランチ時間も終わり、気を取り直して午後の部スタート。
さてどこに入ろうか?午前中の苦戦を考えると、これは足を使わなければ釣れないだろうと思い、一気に上流に歩くことにした。
「丸岩」の上流まで来ると、竿が木や岩に当たってしまいそうな釣りにくい場所によい色の石が見えた。「アユは石を釣れ!」という。そう!午後はアユのキラキラには引っ張られないと誓ったのだ。「ここなら竿が入ってないかもしれない」。周りに充分気を付けて竿を出した。「丸岩」を横に釣り開始。神頼みも忘れずに、「神様!どうか1匹釣らせてください!」。休ませたオトリはすっかり元気を取り戻し、よい感じに流れへと入っていく。
ガガガッ!又これが来た。ここでただ粘っては午前中と一緒。ハリを替え、ハリスの長さも変えて再度オトリを送り出す。
ガツーン!ギラーン!「きたー!」。これは絶対にバラせないぞ~。慎重に慎重を重ね、引き抜くのではなく寄せて取り込む作戦に。少しずつ寄せてくると良型のアユが見えた。ラインをつまみ、無事タモIN!「やった~、ついに神流川のアユ!」。背中がパーンと張り、尾ヒレの大きな美しいアユだった。
“ドンブリ”&バラシの連発!
この後少しずつ釣り下ると、友人が荒い瀬でHITもバラシ。話を聞くと“ドンブリ(掛かったアユとオトリが絡み共に切れてしまう事)”もあったという。アユのサイズが大きいので、複合の0.1付け糸、0.4~0.5号のラインでも、竿がのされたりするとラインが切れてしまう。相方も待望のHITはドンブリ~だったとのこと。
私は更に下り、瀬を攻めてみることに。すると「ドーン!」と強いアタリ。堪えながら下る下る、しかし限界が。これ以上行くとかなり深く荒い場所になってしまう。これ以上下ることが出来なくなった。足を止めて、竿尻を腰につけて何とか堪える。そして、竿を立てようとしたその時、スッと竿が軽くなった。「ドンブリじゃ~。くう~」。
気付くと、昼過ぎから降っていた雨も強くなって来ていたので、ここで納竿とした。皆、釣れた数は少なかったが、内容の濃いBIGファイトを大いに楽しんだ。持ち寄ったアユを見ると、型揃いの“大アユ”ばかり。この“大アユ”達を見ていると、秋の訪れを感じると共に、過ぎゆく夏を恋しくなった。
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■「天野刃物工房 オトリ・遊漁券販売」
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*オトリ1匹600円
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