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初めての無料釣り場にて、堤防直下のカワハギは釣れるのか?【若狭湾】

2025年12月10日公開

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晩秋から冬のカワハギ釣りがマイブームとなっているこの哀れな語り部(←筆者のことです)。去年は大阪湾の乗合船と海釣り公園(有料)で楽しんだが、今シーズンは日本海の堤防から狙ってみることにした。

釣魚のエリート、カワハギ

釣ってよし、食べてよしのターゲット、カワハギ。

仕掛けを垂らしているだけで簡単に釣れるような魚ではないが、その日のエサや誘い方のヒットパターンを見つけると連発することもある。船でまわりは釣れていなくてもひとりだけ爆釣…なんてこともあり、明確に腕の差が出る。つまりゲーム性が高いのだ。

また、食べてもその食味は極上。刺身は肝と醤油で食べるのがおすすめで、濃厚な肝の味わいは「海のフォアグラ」と例えられるほど。カワハギの肝臓は体重の15~20%とされ、他の魚種にくらべて大きさも脂の乗りも桁違いだ。他には鍋、煮付け、唐揚げ…とどうやって食べても美味しい。しかも捌くのも簡単で、釣魚のお土産としてはアオリイカと並んで喜ばれる。

カワハギがいかに素晴らしい釣魚か、少しでもわかっていただけただろうか?

去年からカワハギ釣りを始めたこの哀れな語り部だが、すぐにその面白さに取り憑かれ、昨シーズンは滋賀から大阪と和歌山の県境方面へ一般道を車で5回ほど通ってしまった。

さすがにちょっと遠いので…今シーズンのスタートは1時間20分ほどで着く敦賀湾にすることにした。情報もほぼなし。果たして、岸からカワハギが釣れるのだろうか?

⇒ 【動画】海釣り公園でカワハギ釣れるかな!?

今回は岸釣り。エサはアサリではなく、アオイソメとエビ

琵琶湖の湖西にある自宅を朝7時に出発し、釣具店に寄りつつ、1時間20分程度走ると敦賀新港に着いた。

カワハギ釣りにいい時間帯というのを語り部はまだ知らないのだが、経験上、夕方薄暗くなるとパタリと気配がなくなるので、おそらく朝マヅメ・夕マヅメよりも日中のほうが釣りやすいのではないかと思う。

しかし、ここは人気の釣り場、いつきても人が多く入る場所がなかなかない…と思ったら、空いた。場所選びの余地はないので迷わずそこに入ることになった。

語り部は財布に余裕がないため、カワハギ専用竿には手が届かない…ので、バス用のベイトフィネスロッドで代用している。専用ロッドには及ばないだろうが、比較的浅場の岸釣りならこれでいけるんじゃないかな?

仕掛けはハリスごとフック交換できる船釣り用をチョイス。これなら根がかりを回収してフックポイントが伸びたりしても交換すれば問題なしだ。オモリはナス型の4号と5号を用意した。船釣りでは水深や潮の流れに合わせて20~30号を使うが、敦賀湾内の穏やかな堤防ならこれくらいで大丈夫だろう。

エサはド定番のアサリではなく、アオイソメとエビの2本立てとした。岸からのカワハギではなんとなくアオイソメが一番よく釣れる気がする。エビはスーパーで売られているブラックタイガーを小さく切ったもの。これはコスパの良さが一番の長所だ。

さっそく、足元のちょい先に仕掛けを投入し、底まで落としていくと…!

⇒ 【動画】アイドル百川晴香が肝パンカワハギを狙う!

 

自己流ゼロテン釣法を思い出した直後…待望の主役が登場

入った場所の底までの水深はおそらく7~8mくらいだ。仕掛けを底まで落として、持ち上げて下ろす、という動作を繰り返す。
すぐに…ゴン!とアタリがでた。

巻き上げると、ずんぐりとした背ビレの大きな赤い魚体。一瞬カサゴか…と思ったが、違う。おそらくオハグロベラだろうか?

さらに、オハグロベラ、ハオコゼ、キジハタの幼魚が何匹か釣れた。が、主役のカワハギはまだ出番ではないようだ。

ここで、去年の記事にも書いた、自己流ゼロテン釣法を思い出した。3回ほど仕掛けを持ち上げて下ろし、そのあとにラインをほぼまっすぐにして、張らず緩めず状態のまましばらく待つ…というアレだ。

すると…おお、すぐにあのカワハギっぽいヌルいアタリが出たではないか。軽くアワせてから巻いてみると、うむ、この力強い引きは本命魚のそれ。上がってきたのは丸々と肥えたカワハギだった。大きくはないが、十分美味しく食べられるサイズだ!

⇒ 【動画】進化したディギング釣法をとくとご覧あれ!

多彩なゲストの釣りも楽しめた

それからはカワハギのバラシはあったものの、釣れる魚に変化が出てきた。

潮の流れが変わったのか、自己流ゼロテン釣法を用いても、釣れるのはチャリコ(マダイの稚魚)やサンバソウばかりになってきたのである。しかし、これは美味しそうなので持ち帰ることにした。やっぱり海釣りは食糧調達の手段と考えてしまうのは私が海育ちだからだろうか?

そして、ついに?これまでにない強い引きの魚がかかった!カワハギなら相当な大物だぞ…と期待してファイトしていたが、上がってきたのは個人的に見たことのない魚だった。シマシマのタイっぽい魚だけど…なんだこれ?…と思っていたら隣で釣っていた紳士が教えてくれた。

紳士「それはタカノハダイやね。タンパクで美味しいよ」

とのこと。その言葉を信じて持ち帰ることにした。

釣り開始から3時間半。昼の12時半になったのでそろそろ上がるか…と思っていたら(午後は雨の予報だった)、ここであの、モゾっというアタリが来た!すかさずアワセを入れて引きを楽しみながら巻いていると…姿を現したのはやっぱり、カワハギ。しかもサイズアップだ! ザラつく乾いた皮膚とムニっとした感触がたまらん…。

ここで、納得の納竿とした。本命は2匹とボチボチの結果だが、情報なしで来たにしては上出来だろう。他の魚種もたくさん釣れて満足度はかなり高かった。そして、カワハギの居そうな場所もなんとなく察しがついたので…次回はもっと釣れるような気がする。また来るぞ!

⇒ 【動画】大西了路が船宿のカワハギ最高釣果を叩き出す!

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この記事を書いたライター

望月 俊典
千葉県九十九里町生まれ。雑誌『Rod and Reel』副編集長を経て、フリーランスの編集/ライターとなる。海外の秘境釣行も大好きで、『世界の怪魚釣りマガジン』の立ち上げ&制作を手掛けた。現在は、琵琶湖事務所で仕事や釣りにいそしむ。著作は『バスルアー図鑑』(つり人社)。ちなみに、学生時代に、ネッシー(といわれているであろう現象)を目撃&撮影したことがある。滋賀県遊漁船登録第180号、250号。
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