釣行予定は台風次第、気持ちのよい秋晴れにいざ出発!
毎年、この時期に思うことは、なぜ台風は休日や連休に合わせて来るのだろうか?という事。楽しみにしていた釣行予定はことごとく中止になり、自宅で悶々と荒天が過ぎ去るのを待つ日々が続いた。
遊漁船での活餌でのマゴチ釣りを楽しみにしている私は、この時期、餌がサイマキ(小型クルマエビ)からハゼに代わり、そのハゼを釣りに行くことが増えてくる。マゴチの餌とは言っても、それなりの技術が必要となる。立地的にも釣り場が減って来ている事も事実だし、潮の状況もハゼの食いに関係して来る。そこで、久し振りに初秋の気持ちのよい晴天の朝、釣り場の調査を兼ねて散歩釣行に出掛けた。
カートにトラウトロッドとシロギス釣りで使っているスピニングリール(PE 0.8号を巻いた)、バケツとブクを用意。徒歩とバスを使うので軽量装備にした。まずは横浜市営バスを使い、横浜スタジアムの横を通り越したバス停・「薩摩町中区役所前」で下車。日本大通りの方へ曲がっていくと、イチョウ並木の素敵な通りに『上州屋』関内店がある。ここで必要な釣り具と情報をゲット!餌のジャリメとハゼ仕掛け、中通しオモリの1.5号を購入、ここから一番近い中村川の様子を見に。
大潮下げ潮、潮止まり。ここじゃない!
中村川に向かう途中の中華街は、観光客でごった返していたが、横道を抜けて元町方面へ。中村川は昔から運河として使われて来た。過去には釣りもできたようだが、現在は整備されて、釣り禁止のところも多い。足場や取り込みを考えると、この付近はとても釣りにくい。河口まで行ってみようと思ったが、様子を見ると川はピタッと静まり返っていた。午前11時に潮は下げ止まり。予報は知ってはいたもののあまりの静けさに、今何をしても釣れる気がしない。そこで、小腹を埋めてから次のコース計画を立てることにした。
掘割川へバスで移動
ネットの情報では、中村川河口付近も釣りが可能とあったが、実際は下げ潮マックスのこの時間は水面との高低差があり過ぎて、現実的ではない。そこで、足場もよく車の通りもない、根岸湾につながる掘割川へとバスで移動した。
横浜は市営バスをうまく使うと、大岡川や掘割川などのハゼ釣りポイントへは気軽に移動が可能だ。丁度市営バスが来たので、本牧を回り掘割川河口近くまで30分の移動。このポイントはマゴチ釣りの前に、“餌ハゼ”を釣りに何度も来ているので、安心して竿が出せる場所だ。
バス停から少し川沿いを下ると「掘割川いそご桟橋」という今年の5月末に完成したばかりの新しい遊歩道。ここは船着き場にもなっており、申請すれば誰でも利用が可能。気軽に水遊びが出来るようになっていて、この日は親子連れが干潮で出来た水溜まりでモエビを集めたり、小魚を見て楽しんでいた。
シンプルな中通し仕掛けで広範囲に探る
“散歩調査”しながらポイントに到着したのは午後1時後半。多少潮も動き出して来たのでこれからが本番!既に釣り人が一人、竿を出していた。お隣に入れて貰ってスタート。
私はハゼ天ビンに仕掛けの付いた市販仕掛けでスタート。連れは道糸にリーダーをつけ、中通しオモリを通して小さめのスイベルを結ぶ。その先に10cm程に切ったハゼバリ仕掛け5号、餌のジャリメは2cm程に切ってセットした。
連れには1投目からハゼが食いついて来た。私もチョイ投げし、手前に誘いながらアタリを待ったが、天ビンに海底の色々なものが引っ掛かって来てしまい、手前マツリが止まらない。数回投入したがアタリはなく、私も中通し仕掛けに替えた。そうこうしている間にも、連れの竿には多くのアタリが。私の竿には“餌盗り”の代表、3cmほどのクサフグの赤ちゃん。川縁から広範囲に群れを成し、着底前に無邪気に絡みつついてくる。「わぁ、また“餌盗り”だ!」。投げても投げてもちびっこのクサフグ。ちょっと大きいアタリと思えば5cmのクサフグ。
少し陽が傾き、焦りを感じながら広範囲に探っていると、小気味よい強めのプルルッとした手応え。竿を立ててゆっくりリールを巻いてみると10cm程の魚。「あれ?ちょっと白い、シロギスだ~!」。散歩中の人が「シロギス釣れるんですね~」と声をかけてくれた。私もびっくり、嬉しい1匹。
満潮直前、一瞬のフィーバータイムがやって来た
潮見表では午後1時から3時半過ぎまでが潮が流れる時間とあり、上げ潮の潮止まりは5時半。時計は午後2時半を過ぎていた。チャンスは残り1時間。先にいた釣り人は道具を仕舞って帰って行った。
少し河口に移動して、船着き場の手前のカケ上がりを狙ってみた。“餌盗り”は顔を見せず、連れはハゼの連発!期待通りのフィーバータイムに突入。カイズ(クロダイの子)も掛かって来た。オモリが着底後、少し上げ下げしていると小さな違和感があり、上げてみると3cmほどのハゼの子がついていた。オモリやハリ、餌の大きさに比べてもその小ささがわかる。「よく掛かったなぁ」と感心するサイズだ。立て続けに小型が掛かってしまい、傷めないように、リリースにも気を遣った。そうこうしている内に、フィーバータイムは終了した。
気が付けば水位が上がり、満潮間近。3時を過ぎた頃には、潮はピタッと止まっていた。潮見表より少し早めに潮止まりを迎えていた。ハゼは勿論、ゲストの魚たちの反応も全くなくなってしまった。
短時間でも集中すれば楽しめる散歩釣行
すっかり陽が傾き、夕方を迎えて納竿。終わってみれば数匹のハゼとシロギス。ボート釣りやハゼ釣りの一級河川に比べれば全く及ばない釣果だが、近場で気軽に楽しむには充分だった。
横浜の繁華街や観光地を巡りながら、釣りも楽しめるという恵まれた環境には感謝しかない。
施設等情報
施設等関連情報
〒231-0021
神奈川県横浜市中区日本大通り15番地横浜朝日会館B1
上州屋関内店ホームページ
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。