神奈川県横浜市 みなとみらい周辺 ファミリーにもお勧め!大都会でハゼ釣りを満喫

全国有数の観光スポット「横浜みなとみらい」。赤レンガ倉庫やランドマークタワーなど「お洒落な雰囲気」で大人気のエリアだ。「ここで釣り?」という感じもしないではないのだが、実は「釣り」は許容されていて、手軽に楽しめる穴場スポットでもある。今回は東京湾大感謝祭でハゼ釣り教室を行ないながら、ファミリーと楽しむことになった。

淡水
  • 神奈川県 みなとみらい周辺

東京湾大感謝祭でのハゼ釣り教室の前に…

3年振りに開催されるイベントの前に試し釣りをすることにした。今回のイベントの参加者は48名。ほぼ初めて釣りを体験するファミリーが中心だ。
参加者には竿、リールも格安で販売して釣りを楽しんでもらう。
因みに、リールにまかれたラインはやや太目なので、軽いオモリだと潮の影響を受けて釣りにくい。そこで重めのオモリも用意した。
そして、さらに重要なのがハリのサイズだ。一般的にハリはねらう魚に合わせて設定を変えていく。しかし、この“ハゼ釣り”においては、釣るポイントによってハゼの育ちが違い、ハリのサイズや形状が釣果に影響することも多い。
逆にこの部分の“読み”は楽しく、「釣った」という満足感が得られる部分でもある。
とは言うものの、今期初めてのハゼ釣り。前日、先輩に状況を聞き、ハリはサイズを多めに用意しておいた。ほかのジャンルの釣りが主の私が「手軽にハゼ釣り」ということもある。そこで私は4本継ぎのモバイルロッドと小型スピニングリール、小型タックルボックスで「電車釣行」を考えたコンパクトスタイルで試すことにした。

48名のファミリーが参加した
ハゼ釣りはコンパクト道具が収まるお手本だ
ハリやオモリはレパートリーを多く用意
リールが必要なポイントで役立つモバイルロッド
ヘチ釣りもハゼに負けずコンパクト
赤レンガ倉庫近く。綺麗な公園が今回のポイント

ハゼねらいだけではない。クロダイ狙いのヘチ釣り師も…

上げ潮が効き、満潮近い時間だったので手前から探ってみる。今年はクロダイが多く、護岸にかなりの数が見える。そのためかクロダイを狙う「ヘチ釣り師」も多く訪れていた。
観光客や先に着いたファミリーも「大きい魚がいる」と大興奮。横浜の海の豊かさ、釣りのPRにもなりクロダイたちには感謝だ。
このポイント、壁際に50cmほどの一段高い部分があるので注意が必要だ。
水深は護岸が満潮時50cm前後、少し沖が2~3mといったところ。手前側浅場に仕掛けを入れて探ってみたがアタリがない。
ほかの若手スタッフも「条件はよいと思うんですけどね」と浅場を諦めて、アンダーハンドで少し沖、深めを探る。ところが、エサの青イソメがハゼに触られない状態。2時間ほど粘ったがアタリがない。
置き竿のまま、教室の準備を始めていると「あっ」、自分のコンパクトロッドが海面に引き込まれそうになっていた。
スタッフ騒然。ミチイトは細いハゼの仕掛け。「クロダイか?」、「巨大ボラか?」。時間を掛けて、キャラリーに注目されながら上げたのはアカエイだった。ヘチ釣り師の後輩がネットに納めてくれた。
この釣ったエイは危険な棘が処理されてあった。以前釣られた魚がリリースされたのだろう。今回もリリース。一度釣られた魚が元気に帰って行く姿を見ると嬉しくなってくる。
暫くすると「いましたよ」と、スタッフがマハゼを上げた。岸からポイントまでの距離、食い方を参考にできるので大助かりだ。「子供達がくれば釣れますよ」とスタッフ。一同安堵した瞬間であった。
前日の雨の影響で、朝方は水温が低過ぎたのかもしれない。仕掛けを上げて来ると、オモリが冷え切っていた。

柵があって安心
浅場は反応がなく少し沖を探る
思わぬビッグファイト。正体はアカエイだった
棘が処理されていたアカエイ。元気に帰っていった
お母さんと一緒にヒット
シマハゼも大人気・魚を触れなかった子供も手のひらに乗せて撮影
エサ付けを丁寧に教える、日本釣振興会下山専務理事
この日唯一のウロハゼが上がった

子供達の到着を待っていたかのように釣れ始めた

教室の時間を迎え、ファミリー達が各インストラクターから説明を受ける。
アオイソメを触れない子供は少なく、すぐに慣れて、1cm程度に切って通し刺し。
一斉に釣りスタート! 暫く反応がなかったが「釣れた」と声が上がる。シマハゼだったが嬉しそうなファミリー。
子供さんが「初めて釣った」ということだった。「想い出の一匹。是非写真を撮ってあげて下さいね」。
その後、マハゼもあちらこちらでヒット。予想に反して下げ潮で釣れ始めた。通常は下げで水温が下がるのだが、運河の流れは複雑で読み辛いのも特徴だ。
私はハゼのいる距離を探りながらレクチャー。するとマハゼが連続ヒット。朝の苦労は何だったのか? 不思議な感じだ。
なかなかヒットしないファミリーを見ると、エサがそのまま残っているようだ。オモリを4号から8号にし、ハリも7号からハゼバリ4号程度にサイズを落とす。一つはハリが刺さりきらない状況、もう一つは、魚はいるが低水温による活性の低さが釣れない原因のようだ。
しかし、このセッティングにすると、ナイロンラインを使ったパックセットの釣り竿にマッチして、2度目のアタリの時にはしっかりと掛かるようになった。サイズは15~18cmが多く、掛かってしまえば引き味は充分。「乗り」や「もたれ」を捉えて合わせるハゼ本来の釣りとは違うが、まずは「釣りの楽しみ」を伝えることができた。
「また掛かった」と嬉しい声が聞こえると、初めて会ったはずの子供達が皆で駆け寄り、興味深々。ウロハゼやシマハゼを比べたり、変化する色をみて「変わった」と楽しそう。癒される光景であった。
因みにウロハゼは1尾確認できただけ。やはり水温が下がっていたのかもしれない。
その後、気温が25℃近くに上がり、水温も少し上昇したのか、連続ヒット、ダブルヒットの場面も見られた。
カンドコロは「置き竿」。2~3分経ったら回収、エサ付けして再投入。
自分のモバイルロッドは、ミチイトに極細PEとカーボンロッドの組み合わせでアタリが出やすい。苦戦している子供に貸すとたちまちヒットした。
午後2時になり皆さん大満足で教室が終了かと思いきや、エサがなくなるまで、皆さん楽しんでいた。
横浜エリアは少し遅れている感じもするので、11月一杯はいけそうだ。気軽に、大都会横浜エリアのハゼ釣り散策を楽しんでみてはいかがだろうか。

撮影よりもマハゼが気になる
良型のマハゼもヒット
初めて釣った魚が良型マハゼ。最高だ
「どうよっ」という感じで立派な釣り師
魚を上手く外せるようになった。
「釣れたよ」と見せに来てくれる。可愛い
後半マハゼが反応して助かりました
子供達に癒されました

施設等情報

■釣り場:横浜市みなとみらい周辺
〒231-0001 神奈川県横浜市中区新港1丁目6−2
(赤レンガ倉庫・万国橋付近)

施設等関連情報

■アクセス:横浜高速鉄道 馬車道駅から徒歩5分 
注意:上から投げる「投げ釣りは禁止」

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

山口 充 プロアングラーとしてテレビ出演、企画、撮影、雑誌執筆やカメラマンをこなしながら「旅と釣り」をテーマに日本中を釣り歩く。公益財団法人日本釣振興会神奈川県支部長・普及振興委員会。2016年JGFA・MVPアングラーズアワード受賞。伝統の和竿「横浜竿」を使い、2020年IGFAタチウオ世界記録を獲得。

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