海釣り施設で初心者・ファミリー釣り教室&清掃活動開催!

2022年10月22日(土)、東京都江東区『若洲海浜公園』で『公益財団法人 日本釣振興会(日釣振)』主催の「初心者・ファミリー釣り教室」と「海釣り施設清掃活動」が開催された。「毎年、このようなイベントが開催されている事を多くの方に知って頂きたい…」そんな思いを込めて当日の様子をレポート。

海釣り
  • 東京都 若洲海浜公園

初心者・ファミリー釣り教室

気持ちのいい秋晴れ…ではなく天気は曇り。10月に入ってから夏のように暑い日もあれば、雪が降っても納得するような寒い日もあったりで、むしろ曇り空で良かった。午前8時30分、「初心者ファミリー釣り教室」の受け付けが開始されると、参加家族が次々と到着、氏名の確認や釣り具、名札の配布等が順次行われた。
参加者が揃ったところで開会式。日釣振の常見英彦副会長、『東京都釣りインストラクター協会』の鈴木伸一会長が挨拶、集合写真撮影後、釣り教室がスタートした。
1ファミリーにつきインストラクターが1人。僕もインストラクターとして、あるご家族のサポートに入る事になった。竿や仕掛けの説明を行い、まずは2本バリの胴突き仕掛けからチャレンジ。「釣りはしたことあるけどほんの数回で…」というお父さんと息子さん。それならばと、竿の持ち方からリールの扱い、誘い方まで丁寧にレクチャーするところから始めた。僕自身、釣りを人に教えられる程の技量はないけれど、「何とか釣りの楽しさを感じてほしい!魚を釣ってほしい!」という気持ちで頑張った。
釣り開始から30分、まだ誰も釣れていない状況の中、隣にいた女の子がカタクチイワシ(シコイワシ)を釣り上げた。この1匹をきっかけに周りでもポツリポツリと釣れ始めた。どうやらサビキに反応が良いようで、こちらもすぐさま胴突きからサビキに変更。「釣れている人の真似をする」は、釣りの鉄則である。仕掛けを海に落としたのも束の間、息子さんの竿にグググッとアタリ!見事サッパを釣ることに成功!その後も連続でサッパを釣り、イベント全体も滞りなく進み、アッという間に釣り教室終了の時間を迎えた。
「釣れた釣れた!」と嬉しそうに話すお父さんと息子さんを見て、僕は改めてイベントの醍醐味を知ったような気がした。「釣りが初めて」という参加者もいる中なので、魚の名前だとかサイズがどのくらいだとか、そんなことは全く関係ない。“釣れた”ということ自体が大事なのだ。釣りを始めたいけど何から手を付ければいいのか分からない…そんな人も少なくないと思う。そんな時は是非、今回のようなイベントに参加して、レクチャーを受けながら、釣りを始めるきっかけを掴んで頂きたいと、強く思った。

8時30分、受け付けが開始。これから始まる釣り教室に、参加者一同楽しみを隠し切れない
参加者には竿や胴突き仕掛け、サビキ仕掛け、オキアミ、水汲みバケツが支給された
日釣振の常見副会長による開会式スピーチ。今回のイベントの内容や注意点を細かく説明
「釣るぞー!!」の掛け声で集合写真。『若洲海浜公園』中に元気な声が響き渡った
ソーシャルディスタンスを保っての釣り。インストラクターからのレクチャーを受けながら、それぞれの釣りに没頭
僕が担当したファミリー、見事サッパを釣り上げた息子さん。釣り具の扱いに戸惑うこともあったが、終始楽しそうに釣りをしていたのが印象的

海釣り施設清掃活動

丸3年に及ぶコロナ禍、“俄か釣り人”が増えた事もあり、釣り場のゴミ問題は非常に深刻な状況にある。ゴミが捨てられることで、釣り場の閉鎖や水質悪化に通ずる危険性もある。そのような状況を改善すべく、日釣振が発端となり、1994年から毎年10月の第3日曜日を「水辺感謝の日」として、日本全国およそ150カ所で全国一斉の清掃活動を行っている(コロナ蔓延以来、全国一斉ではなく各釣り場で異なる清掃日を設けて活動中。今年の東京都支部はこの日になった)。
今回、『若洲海浜公園』での清掃活動には、日釣振会員とそのファミリーを含め50人以上が集まった。常見副会長から説明があり、10時すぎから清掃活動がスタート。つまり、釣り教室とは別の参加者で、同時進行で開催された。『若洲海浜公園』には防波堤、人工磯、護岸と3カ所の釣り場があるため、参加者を3チームに分け、それぞれの持ち場へと向かった。弊社『釣りビジョン』からも7人が参加、担当エリアの防波堤に向かうと、タバコの吸い殻や釣り糸、スナップ、ルアーの空箱等々目を凝らせば凝らすほど無限にゴミが目に付く。落ちているゴミに加え、釣りをしている人にも声をかけてゴミを集めた。凡そ50分間、必死に清掃を行い続け、集合場所へと戻った。
1つ1つのゴミ袋に入っているゴミはそこまで多くないものの、全て1カ所にまとめると相当な量。たった50分という短時間の中で、これだけのゴミが集まったことに達成感を感じる一方、どこか悲しい気持ちを覚えた。
今回の清掃活動に参加して、改めて釣り場のゴミ問題を痛感した。僕自身、釣りに行った時は必ずゴミ袋を持参して、最低限釣りをしている周辺のゴミは拾うようにしている。根がかりした結果、ルアーとラインが海に…、ゴミ袋が風に飛ばされて等々、仕方のない事もあるかも知れないが、1人1人が意識的にゴミ拾いをするようになってほしいと心底思った。

清掃活動には50人以上が参加。それぞれにゴミ袋、軍手、トングが配られた
清掃開始。日釣振のグリーンビブスを身に纏い、人工磯へ向かう参加者
『釣りビジョン』社員も、防波堤の端から端まで徹底的にゴミを集め続けた
集まったゴミと共に記念写真。たった50分でこれだけ集まった

『公財・日本釣振興会』 常見英彦副会長の思い

全てのプログラム終了後、常見さんにお話を伺った。

――本日はお疲れ様でした。
「お疲れ様でした。今日は暑くも寒くもない天気で良かったです(笑)」

――そうですね。釣り体験教室、僕が思っていた以上に参加者の方が多くて驚きました
「コロナ禍になる以前はもう少し多かったのですが、今は少し人数を絞って行っています。春と秋の年2回開催していますが、このような場をきっかけとして、釣りの楽しさに気づいて頂ければなと思っています」

――皆さん楽しまれていたので僕も嬉しい気持ちです。それから清掃活動ですが、実際に参加
して改めてゴミの多さを目の当たりにしました。
「そうですね。まだまだこれからですが、徐々に釣りのゴミは減っているように感じています。以前はテトラ周りにペットボトルが捨ててあったりしましたが、今日見た感じでは改善傾向にあるなという印象です。SDGsもそうですし、皆さま1人1人の意識が良い方向へ変わってきている結果だと思っています」

――このような清掃活動は今後もずっと続けていきたいですね。
「地道な活動ですけど、非常に大切なことですね。ゴミは持ち帰る、というルールを釣り人だけでなく一般の方にも広めていくためにも、今後も継続して活動していきたいですね。」

『公財・日本釣振興会』 常見英彦副会長。早朝からのイベントだったが、疲れた様子も見せず、今回のイベントについての思いをお話して頂きました

施設等関連情報

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この記事を書いたライター

梅田 恭輔

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