魚は無限にいる、ゲーム性は抜群、食べてもおいしい、ゲームフィッシュの最終兵器
取材を兼ねて渡邉長士(わたなべたけし)さんを訪ねて、一緒に釣りをしたときのこと。
「鉄平さん、究極のゲームフィッシュ知ってますか? 実はボラなんですよ」
彼はそんな話をし始めた。
皆さん知っての通り、ボラは資源数が半端ではない。ちょっとやそっと流行しても、数が減ることはないだろう。しかも、釣るのがなかなか難しいのだ。
「ボラはフィッシュイーターじゃないので、ルアーをアクションさせたらダメなんです」
アクションさせちゃダメって……意味が分からん。フィッシュイーターじゃない魚をルアーで釣るって、そもそも可能なのか???
ところがチョーシさんは俺の目の前でボラを見事に釣ってくれた。0.2gほどの超軽量ジグヘッドにアジングワームをセットして、PEの0.15号で遠投。それを漂わせる程度にスローに引くとボラが喰ってくるのだ! 生き物ではない餌をイミテートする、デスゲーム。ところが、60cm、70cmのボラが当たり前に喰うのでファイトは壮絶。上げるのに1時間かかることもあるという。これは確かに究極のゲームフィッシュかもしれない。渡邉さんはこのゲームに「マレッティング」と名付けた。ボラの英名がマレットだからだ。
「それに、ボラが不味いと思っている人がいますけど、あれは間違いです。お刺身でもなんでも、食べるとマジで旨いですよ」
冬はボラに脂が乗って、特に美味しいとされている旬の時期。この時期のボラは目に脂がたまるので視力が落ちるが、それでもルアーで釣れるという。あなたは、この究極のゲームに挑戦してみる?
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