美味しい“金アジ”が手軽に釣れる!「LTアジ釣り」!!

美味しいアジが手軽に釣れる大人気のLT(ライトタックル)アジ。冬季は海水温が下り、難しい時期ではあるものの“勘所”さえ掴めば連続ヒットで釣り味も楽しめる。様々な四季の釣り物を提供している千葉県・浦安の老舗船宿『吉野屋』で季節に合わせた釣り方を探ってみた。

船釣り
  • 吉野屋・千葉県浦安

抜群のアクセス!

車の場合は都心から葛西橋通りを直進、浦安橋を渡って1つ目の信号を右折。首都高速湾岸道路を利用する時は浦安IC、葛西ICから15分程だ。また、地下鉄東西線・浦安駅からは、高架線の下を東京方面へ徒歩7、8分と、アクセスは抜群だ。

タックル

タックルは、1.8~2.1mのライトタックルロッド。やや長めの方がコマセワーク等の操作の幅が出るのでお勧め。調子は6対4よりも7対3のやや先調子の方がミンチコマセを細かく振る事が出来るので合っている。コマセカゴはミンチ用の40号ビシ。小型両軸リールに道糸はPE1号前後。天ビンはアームが20~25cmのモノが好適だ。ゴムクッションを使う場合は1.2mm×20cm、もしハリ掛かりが悪い場合は外してみる。仕掛けは2mが基本的な長さだが、今回のポイントでは1.5~1.6mのモノが有効で「『吉野屋』オリジナル仕掛け」の長さも1.5m。ハリスも1号前後の細い物が使われていた。ハリはムツ系の9~11号。

ライトタックルのアイテムは多く楽しい部分だ
ライトアジ天ビンの形状も釣り方に合わせたモノが登場し始めた
仕掛け図

大人気のLTアジ!

船宿に到着すると、スタッフに釣り物を告げ、所定の駐車場に車を停める。入口の前に釣り物別に座席の札が有るので札を抜き、店内で受け付け、別の札を受け取り、乗船表を記入。座席札と受け付けの札は船上で船長か上乗りに渡す。
アジ船に乗船すると、冬の平日にも関わらず23人の乗船者。LTアジ釣りはやはり凄い人気だ。乗船者の方々に挨拶すると、初挑戦の釣り人が10人近い事に気が付いた。コマセのイワシミンチ、付け餌のアオイソメと“赤タン(食紅で染めたイカ)”が配られ、神野祐一船長の操船で定刻の午前7時に出船。木更津沖へ向かった。

釣り物を告げると駐車場を案内してくれる
船に各釣り物の看板が出ている
平日でも大人気!コマセ釣りは人が多い方が魚が寄る
ハリサイズに合わせた“赤タン”とアオイソメ
温水パイプが通っていて手を温める事が出来る

海水温低下の影響

航程約40分で釣り場の木更津沖に到着。船長が丹念に魚探反応を探す。ところが中々ポイントが決まらない。暫くしてスタート。水深は14m前後と浅い。仕掛けの長さが基準より短めだったのはこうしたポイントを狙う為と読めた。「コマセが効いてくれば…」と思ったが、単発のヒットで後が続かない。釣り人の横で見ているとプルプル!とメゴチのような細かいアタリ。「これがアジのアタリ…」と、疑心暗鬼だったがちゃんとアジが上がって来た。「これは釣り辛いですね」と苦笑い。魚を撮影で触らせて頂くと「冷たい」。原因は前日の大シケによる海水温低下かも知れない。それでもポツリポツリながらもアジが上がるのだから「魚は居る」。
船長から「ゴムクッション付けている人は外してみてください」とアナウンス。 小移動して水深18~20m付近に移動。皆さんコマセを切らさず再投入を繰り返しているとあちらこちらでアジがヒットし始めた。サイズは20~25cm級。しかし、釣り方を見ていると、誘うというよりもしっかりとタナでコマセを撒いてアタリを待つスタイルが効果的のようだ。タナは低い様子。その為かイシモチ(シログチ)も多数ヒット。「イシモチも嬉しい」と賑わいを見せる。「良い型のイシモチだ」と撮影に向かうと「これイシモチじゃないです」。釣れたのはニベ。イシモチに似ているが、身はやや張りの有る感じで美味しい魚だ。

ご来光の中、旧江戸川を下り東京湾へ
前半渋い状況だった
細かいアタリを捉えると全てアジ
連続ヒットは無い時間帯だったがアタリは多い
美味しいアジを奥さんにと頑張っていた
コマセワークも決まっていたベテランさん
「やった~」と嬉しそう
中盤からこのサイズがメインに
美味しそうなアジだ
初挑戦ながら良い釣果を上げていた
ニベも登場
上がニベ。下がイシモチ

パターンを掴んで連続ヒット!!

私も竿を出した。“赤タン”とイソメアピールを兼ねたパワーイソメを付けてチャレンジ。最近「ライン引き釣法」と言う釣り方が有るようだが、今回は魚が上には追わずアタリが無い。恐らく底から1m以内と言う所がアジのヒットポイント。私はビシ着底後、そのまま竿先を海面に着け、この位置で底立ちを設定。竿を水平にした時点でビシが底から70cmから1m浮くイメージ。ここでビシを10回近く細かく振り、ミンチコマセを厚めに撒く。この時点で50cmから1.5m弱の範囲にコマセを撒いたイメージ。直ぐに50cm巻き、同じ操作。1、2mにもコマセの煙幕を作った。竿を軽く上げて1、2秒後にゆっくりビシが底に着く迄戻していく。するとアジが連続ヒット。6回連続ヒットでダブル2回。「落とし込み」のパターンだ。釣り方の特性上、イシモチもヒットして来るが、潮回りしても連続ヒット。更にアジの活性がアップ。沖上り迄この状況が続いた。上乗りの塚本さんも「最初の1時間どうなるかと思いました。実は水温が下がり過ぎて…」と話してくれた。アタリが出始めた時から海水温は1、2℃上昇したらしい。
「楽しんでもらえて良かったです。これから水温も上がりますので楽しみです」と船長。ビギナーにも手軽で有りながらベテランも楽しめるLTアジ釣り。是非挑戦して頂きたい。

海水温が上がると活性アップ
気さくに撮影に応じてくれて感謝
「良い男に撮ってよ~」と大ベテランさん
型が良くなって来た
なんとコノシロも登場
底方向を狙うのでイシモチも好反応
虫餌が苦手な人も安心
イシモチも…
アジも人工餌にヒット
味は一流。東京湾のアジだ
「是非遊びに来てください」と、神野祐一船長

施設等情報

千葉県浦安『吉野屋』
〒279-0004 千葉県浦安市猫実5-7-10
TEL:047-351-2544
定休日:火曜日 釣果・施設情報 「吉野屋」ホームページ

施設等関連情報

LTアジ乗合
乗船料金(税込):男性1万500円、女性9,500円、子供6,500円(コマセ・餌付き)
集合:6:30までに乗船/出船:7:00
貸し道具あり

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

山口 充 プロアングラーとしてテレビ出演、企画、撮影、雑誌執筆やカメラマンをこなしながら「旅と釣り」をテーマに日本中を釣り歩く。公益財団法人日本釣振興会神奈川県支部長・普及振興委員会。2016年JGFA・MVPアングラーズアワード受賞。伝統の和竿「横浜竿」を使い、2020年IGFAタチウオ世界記録を獲得。

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