川相の変わった『旭水園』前ポイント
解禁日翌日の月曜日、私としては珍しい平日単独釣行。“コソ練”である(笑)。
「どれほどの混雑なのだろう?」。狩野川には毎年訪れているが、こんなに早い時期には初めてで混雑状況が読めない。しかし、「朝早いに越したことはないだろう」ということで、早起きして出発。
ガラガラの東名高速、鼻歌を歌い、富士山を眺めながらのドライブは気持ちが良い。よく考えてみれば去年の納竿は狩野川。半年ぶりの『旭水園』(きょくすいえん)さん。早い到着のお陰で駐車場にも余裕はあり、川を見てもそれ程の混雑はなかった。
「今日はどこに入ろうかな~」と思いを巡らせ川を眺めていると、なにか違和感が…。いつもと何かが違う!その正体は右岸にあった分流だ。去年までよく釣れる好ポイントだった分流がない!ちょろちょろと水が流れる程度になっていた。オトリ屋さんのお母さんに話を聞くと、本来は分流が存在せず、従来の本流一本の流れに戻すために工事で分流を止めたそうだ。因みに、今までは入川が右岸側になるので、分流の川切り(川の横断)が絶対条件だった。その川切りをなくすということも工事の目的だったそうだ。特に、女性やお年寄りにとって本流へのアクセスが安全で容易になったわけだ。さて、果たして分流のなくなった状況でどんな釣りになるのだろうか?
ポイントの選択と追い気のないアユ攻略が鍵!
前日の解禁日は入る所がない程の混雑だったという。そんな中65匹という釣果も出たとのこと。朝お会いしたおじさまたちの情報では、左岸の梯子前と吊り橋前後がよかったとのことだ。しかし、そう簡単ではないとのこと。海産アユはまだまだ追い気がないので掛けるのは難しいそうだ。私に釣れるアユはいるのだろうか…。
川を見渡すと吊り橋下流のポイントが空いていたので、まずはそこを目指した。本流に差し掛かった時である。水深はあまりないのだが流れが意外に強い!分流をなくしたことで、本流は以前よりも流れが速くなり荒い流れになったようだ。また、石に青ノロが発生し滑りやすいので注意が必要だ。ポイントに向かっている時、吊り橋上の釣り人が掛けた!やはりここは例年通りの好ポイントである。川を眺めると小型の天然と思われるアユが左岸の辺地で跳ねていた。群れでもいるのだろうか?流れを見ても時折キラッキラとアユの気配が…。「お!釣れそ~!」なんてルンルンしていた。この時、私はまだ、これから始まる「アユ釣り道場」の試練が待っていることを知らなかった…。
まずはオトリを流れの緩い石裏で丁寧に泳がせていく。オトリはとても元気でよい泳ぎをしてくれる。キラッ、ポイントへ誘導。しかし、うんともすんとも言わない…。小場所を次々に狙っていく。稀にコツッ!と反応は出るが掛からない。ハリが合っていないのかとポケットを探り、様々なハリを試してみたが掛からない…。こんなにキラキラは見えるのに。そんな状態が2時間ほど経った頃だった。ギューン!と何の前触れもなく掛かった~!無事にキャッチ。しかし、ハリが目に…、掛かり所が悪い。きっとたまたま通りかかったアユが掛かったのだろう。何はともあれ、天然アユを手に入れたので「これで次も来るはず!」と思ったのも束の間。ここからまた無の時間が続いた。
修行である!何としてもオトリを弱らせてはならぬ!暫くすると、またしても通りがかりだと思われる小さなアユが、何の前触れもなく掛かった。周りを見回してもアユを掛けている人は少なかった。ん~難し!“狩野アユ”!
午後は粘りの釣りを
お昼に休憩に上がって状況を聞くと、上流の梯子前と吊り橋上に入った釣り人には、それなりの釣果があったようだ。入るポイントによって、釣果の差が出ていたのだ。釣っている人は午前中で“ツ抜け”(10匹以上)していた。
休憩も早々に切り上げて川へ。午前中入ったポイントがどうしても気になった。アユがいるのは間違いない。川を歩いていてもアユがいる所といない所がはっきりしていたからだ。午後になって活性が上がれば釣れるのではないかと考えた。そこで再び吊り橋下流へ向かう。おや?キラキラが減った?ぴょんぴょんが減った?竿を出す前にあちらこちら歩いてみたが、どこも明らかに午前中よりアユの気配が減っている。どういうことだろう。気のせいであってくれ!と願いながら竿を出す。しかし、午後も厳しい時間が続いた。ズルズルとオトリが下がると思えば小さなアユが。掛かったことも気づかない自分に泣けてきた(笑)。これは!と思えばダボハゼちゃん。
15~20匹を釣り上げた人も
少しでもアユの気配があるポイントで辛抱して、オトリを泳がせることで何とかアユを絡めて掛けるといった感じである。午後は午前中好調だったポイントでも、竿が曲がることは少なくなっていた。後で話を聞くと、昨日の解禁日の釣果もほぼ午前中だったとのことだった。午後になると、何故か一気に活性が落ちてしまうようだ。
こんな状況でも、何とか最後にしっかりアユを掛けたいと思って粘りに粘った。私の出来る最高の丁寧な泳がせを心掛けた。どんどん時間は経ちあと10分で終わりにしようと半ば諦めた時だった。カツーン!この日唯一の背掛かりアユ「キターーー!」これまた泣ける(笑)。この1匹で一日が報われた。この日、『旭水園』前では15~20匹を釣り上げた人もいたようだ。
天然遡上の小さなアユは沢山いる!まだまだ“狩野アユ”はこれから!今は小さな天然アユ達もこれから逞しく育ち、その魚体は大きくなり、闘争心を剥き出しに私達を大いに楽しませてくれることだろう。真夏の日差しが降り注ぐ頃、“狩野アユ”は川を煌めかせて本領を発揮するはずだ!
施設等情報
施設等関連情報
*フィッシュパス利用可能
『旭水園』(きょくすいえん)
*オトリアユ販売・遊漁券販売・駐車場完備・トイレ有り
http://www7b.biglobe.ne.jp/kyokusuien/「アクセス」
新東名高速長泉沼津→伊豆縦貫道→R136→大平IC→約5分で旭水園ポイント
(沼津長泉ICから約30分)
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。