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【Xデー!?】東京湾のトラフグ、 今期も大型がヒット!

2024年04月11日公開

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東京湾ではショウサイフグやヒガンフグなど、季節ごとに様々なフグが狙えるのだが、今回狙うのは「トラフグ」!そう、今年もこの季節がやって来たのだ。船宿さんの努力もあり下処理にもしっかり対応してくれて、自分で釣った高級魚「トラフグ」を思う存分頂けるのも人気のひとつ。この日は、いち早くトラフグの乗合船を出した『野毛屋釣船店』に向かい状況をレポートする。

【この記事を書いたライター】山口 充

アクセス

『野毛屋釣船店』には、横浜横須賀道路・並木IC、または朝比奈ICから約15分、京浜急行・金沢八景駅からもシーサイドライン沿いを歩いて5~6分で到着する。船宿の開店は午前5時30分となっており、早く着いた場合はクーラーを店前に置き受付の順番を確保しよう。お店が開店したら座席の札を受け取って受付を済ませるのだが、車利用の場合は、運河沿いに並べておくと、お店の人が案内してくれる。さらに、荷物に関しては軽トラで船着き場まで運んでくれる。

野毛屋さんと言えば、経験とアイデアが詰まったオリジナル製品を販売している。仕掛け選びに迷ったら『野毛屋釣船店』で購入するのも良いだろう。ビギナーからベテランまで幅広い層の釣り人が訪れる船宿ということもあり、出船前に船長が釣り方や仕掛けについてレクチャーしてくれるので、初めてトラフグを狙う場合はぜひ質問していただきたい。

タックル

今回狙うトラフグの竿に関して、ショウサイフグで使われているものとの違いが気になっていたので、船長の黒川健太郎さんに聞いてみると「竿は湾フグと変わらないです」とのこと。リールは小型両軸の電動リールもしくは小型両軸の手巻きタイプのいずれかを使う方が多いようだが、竿のリールシートによっては電動リールの足がうまく付かないタイプもあるので、購入の際には気を付けていただきたい。

竿以外の道具は、道糸は1号前後、オモリは20号。そして針はカットウ・トレブルフック・ワイヤー製フックのいずれかで、ここがショウサイフグと違う所。エサを付ける針は様々でシングルフックにエビを一本付けるタイプ、あるいは2本にした物を使う。中には、直接スプリットリングで針を付けている仕掛けを見かけるなど、釣り人ごとに工夫が凝らされており面白い部分だ。エサはアルゼンチンアカエビが基本だが、イワシやイカなどを持ち込んでいる人もいた。

 

開始直後からアタリが

黒川船長によれば「今日は大阪の船宿さんがお客さんを連れて来るんですよ」とのこと。大阪エリアでもフグ釣りが盛んになり、大阪エリアの船長も様々なノウハウを得るために遠路はるばる釣りをしに来るというのだ。

良型が1本出れば御の字と、しばらくは撮影に専念することにした。航程約1時間でポイントの富浦沖に到着。反応を探す。「どうぞ水深80mです」という船長の合図でスタート。基本的には底から4m辺りを探る釣り方だ。カットウが沈んでいく時にもアタリが出て、そのままエサを追うことも多いので、慌てずアタリを捉えることが重要。仕掛け同様、ショウサイフグ釣りやヒガンフグ釣りと異なる部分だ。

釣り開始直後にミヨシで竿が曲がった。「幸先良いな」と考えていると、あちらこちらで竿が曲がり始め、3人、4人と次々にリールを巻き始めている。船上に上がって来るのは見事なトラフグ。バラシや掛け損じもあったようだがアタリが多く、高活性状態。羨ましい展開であった。

黒川船長も深い水深に20号のオモリを合わせながら操船し、見事に反応を当てていく。その後もトラフグのアタリは止まらず、良型が多かったのも印象的であった。

大阪の皆さんも大興奮

「船宿まで10時間掛かりました。腰が痛い…」と笑いながら話してくれたのは、大阪から来たお客さん。車で走って来てそのまま乗船したようだ。彼らをアテンドしたのは、大阪垂水で船宿を経営している平井さん。気になったのは「タックル」だ。関東でも湾内と外房エリアではフグの釣り方自体が大きく異なるので興味津々であったが、彼らが持ち込んだタックルはまったく同じ〝湾フグ仕様〟のタックルだった。

大阪チームの皆さんも楽しそうにトラフグを釣り上げていたが、「良い反応入って来てますよ」と黒川船長。その声と同時に再び3人、4人とリールを巻き始めている。こうなると、お客さん同士でタモ入れしないと間に合わない展開だ。すでに1時間以上、ヒットが続いている。

トラフグの釣りは、〝泳いでいる〟フグに喰わせて掛けるイメージで釣る。これは他のフグ釣りとは異なるフィーリングだ。なお、今回のように活性の高いトラフグを釣るコツは、当たった瞬間を捉えて喰わせるイメージ。そうすることで釣り上げたトラフグの口に、エサを付けた針がしっかり掛かる。

また、胴の間では4kgクラスの大型も上がっていたが、大型のフグ狙いで注意したいのが針だ。釣りあげたフグはペンチを使って針を外すのだっが、その際に変形してしまう事も多い。マメに交換しよう。またワイヤーもキンクすると切れてしまうのでチェックは怠らずに。

潮止まりでもヒット

後半潮が緩んでくるとヒット率が下がってしまったが、少ないながらもアタリはあるようでうまく掛けることができると見事なトラフグが上がって来る。誘った際や、仕掛けが落ちて行く際にトラフグがリアクションしている様子。それでもポイント移動で良い反応が出るようになると再びダブル、トリプルヒットもあった。

白子を携えた見事なトラフグが上がって来る。この日はよく釣れたので12時に早上がりとなったが、「良い日に来た」と皆さん笑顔。「今日がXデーだったのかも」という声も聞こえてきた。帰港すると、トラフグは見事な身欠きに変身した。

ちなみに、翌日も好調だった模様。船長によれば、4月一杯は楽しめそうとのことだ。トラフグだけでなく、様々なフグ釣りが楽しめる野毛屋さんで周年フグを追うのも面白い。ぜひ足を運んでいただきたい。

今回利用した釣り船

神奈川県金沢八景 『野毛屋釣船店』
〒236-0026 神奈川県横浜市金沢区柳町7-5
TEL:045-781-5964
定休日:毎週木曜日 釣果・施設情報 「野毛屋釣船店」ホームページ

出船データ

トラフグ乗合
出船時間:午前7時
乗船料金:10,500円(餌付き・氷別220円)
※女性・高校生10,000円/小中学生6000円
貸し道具:フグ道具一式1,000円
※アルゼンチン赤エビ餌10尾付き(追加は10尾500円)
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

山口 充
プロアングラーとしてテレビ出演、企画、撮影、雑誌執筆やカメラマンをこなしながら「旅と釣り」をテーマに日本中を釣り歩く。公益財団法人日本釣振興会神奈川県支部長・普及振興委員会。2016年JGFA・MVPアングラーズアワード受賞。伝統の和竿「横浜竿」を使い、2020年IGFAタチウオ世界記録を獲得。
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