釣りビジョン

2016.8.15号

巳之助丸・神奈川県久比里港
“大型カワハギ連発!” 夏ハギシーズン開幕の剣崎沖

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カワハギの産卵期、6~7月、剣崎沖の一部を自主禁漁している神奈川の遊漁船。筆者は毎年、解禁となる8月1日に標準を合わせて、大規模な仕立てを、横須賀市久比里の『巳之助丸』で行なっている。そんな夏カワハギは大型中心となり、浅場の釣りなので、海面まで大暴れして上がってくる引きと、自己記録更新が大いに期待できるシーズンとなる。

横浜横須賀道路、佐原で降りて10分

『巳之助丸』には、横浜横須賀道路を佐原ICで下りて10分。「夫婦橋」をカーナビに入力するとすぐ分かる。夫婦橋を渡って左側が宿となるが、右に曲がると駐車場があり、スタッフの指示に従い駐車する。宿で受け付けをする際、乗船料に含まれている餌は殻付きアサリ(自分で剥く)で、剥き身は別途一袋800円。宿は近くにコンビニもあり、買い出しにも便利だ。

夫婦橋を渡って左が巳之助丸
常連さん作のはく製
巳之助丸レコード38.5cmのカワハギの魚拓

先ず乗船表を記入する
受付ではポイントカードに押印を
餌を剥く人は殻付きアサリを

カワハギ専用ロッドがお奨め

ゲームロッドと銘打つ汎用性が高いロッドよりも、カワハギ釣りには是非専用ロッドを用意したい。9:1~8:2調子の先調子、柔軟な穂先で微細なアタリを取り、硬めの穂持ちで仕掛けを操作、胴中の張りでハリを掛け、粘りで引きをいなすロッドとなる。リールは小型ベイトリール、ラインはPE1号前後が標準となる。
カワハギ釣りには、仕掛けの下にオモリが付く胴突きの3本バリが標準だが、今回は潮が速く、根掛かりが多い剣崎沖のポイントとのこと。筆者は意図的にウイークポイントを持たせた仕掛けを用意した。オモリが根掛かっても、捨て糸からオモリのみが切れる仕掛けで、ハリが根に掛かってしまっても、ハリスを取り付けるハリス止めビーズから幹糸が切れる仕掛けになっている。

遠投性を重視したスピニングタックルも
胴突き2本バリが宿推奨仕掛け
ハリス止めに捨て糸をセットしたオモリ

ハリの根掛かり時は、ビーズのコブで切れる工夫
仕掛け図

ポイントの剣崎沖までは航程30分程

当日は、今年のカワハギシーズン開幕とも言うべき位置付けだ。臼井浩喜船長操船の「第21巳之助丸」には、釣友28人が集った。仕立てということもあり、定刻より数分早く出船、平作川を下り久里浜湾へと出た。夏カワハギのポイント、剣崎沖の浅場までは航程30分程。剣崎灯台を西に見やる水深13mで、開始早々から元気なカワハギが上がってきた!
剣崎沖は、東にはタイ釣りの名ポイント吉野瀬があるが、剣崎灯台付近も変化に富んでいて、様々なカワハギのポイントを形成している。例えば、カワハギが好んで生息しているという、砂地に点在している根もあれば、鋭い根が林立している場所もある。潮が速いことでも知られる剣崎沖は、テクニカルなポイントとなるが、その分カワハギの魚影は濃い。ロッドにオモリを背負わせ、根の頂点付近に持っていく宙釣りで、根掛かりをかわしながらカワハギを誘い出す釣り方も一興だ。

先ずは手堅く中型をGET!
この大きさがアベレージサイズとなる
小型ながら、手堅く1匹を手中に

下げ潮残りの程よい流れにアタリが続く
段々と型も良くなってきた
尺近いカワハギ!

群馬からの釣り人も釣り上げます
剣崎をバックに、これぞ夏カワハギ!
夏は良い型のカワハギが多く交じってくる

夏カワハギ攻略法

仕掛け上部の、カミツブシタイプの中オモリ
産卵直後、又は個体によっては産卵中のものもいるため、ヒレで砂を掘りタマゴを産み付けるカワハギの魚体は、傷ついていることも多い。きっと自然の海の中での産卵とは、年に1度の命を賭した行為であり、産卵後の成魚は満身創痍でもある。そんなカワハギの目の前に、速い誘いをかけ、速く動く餌を見せてやっても、目では追っても食いに来ることはしないようだ。そこで、仕掛け上部に中オモリを取り付け、海中で仕掛けを「少し弛ませる⇔沢山弛ませる」を繰り返してやるのだ。そうすると、海底付近の餌は、定点で揺れ動くこととなり、疲れた体を癒しているカワハギの目の前で餌をユラユラと動かしてあげられる。これがキモとなる。
午前9時30分過ぎに上げ始めた潮が、昼近くになって良い感じに利いてきた。中盤はマッタリモードでアタリが疎らであったが、それからは、流し替える度にロッドが曲がる、それも、カワハギ特有の金属的な引きに叩かれている! ここで筆者も竿を出してみた。

スローな動きでカワハギを魅了
これも良い型のカワハギ、お見事!
この日一番のおチビちゃん。カワイイ!

浅場ゆえ、バケツに入れても大暴れしています
これも中々のサイズの夏カワハギ
時合を捉え連チャン!

ダブルヒット!
良いハギ、良い竿、良い笑顔!
これも良いサイズです

尺カワハギ連発!

水深が13mと浅いこと、ラインはPE0.8号。これに高感度の竿も手伝い、底の根の起伏が手に取るように分かる。根を駆け上がる時は竿を跳ね上げ根歩きさせ、また底を意識して、中オモリを使って定点での餌の動きを意識する。その内「コンッ」という、カワハギが頭を振るアタリが! でも、ここでアワセに行っては早過ぎる。体力の落ちているカワハギは、一気に餌を吸い込もうとせず、一口ずつ、チビチビと餌を食べに来るからだ。そこで、中オモリを使って更に弛ませ、次のアタリでもう一度弛ませ、十分食い込ませた後、おもむろに竿を立てるのだ。終盤は立て続けに30cmを超える尺ハギが上がった!
夏カワハギ釣りは、自己記録更新の確率が非常に高い時期でもある。今回も尺ハギを釣った3人中2人が自己記録を更新(もう1人は何を隠そう、巳之助丸レコードホルダー!)した。一昨年の8月、巳之助丸に乗った私は、34cmを筆頭に4匹の尺カワハギを手中にしている。この時期、浅場での引きのスリルを堪能しながら、是非、自己記録を更新していただきたい。

尺ハギの皮切りとなった30.5cm
これは31cm
沖上がり直前には32cmも飛び出した!!

カワハギ釣りの事なら何でも教えてくれる臼井浩喜船長
楽しかったですね! 解禁仕立てはまた来年

(釣りビジョンAPC・林良一)

今回利用した釣り船
神奈川県久比里港『巳之助丸』
〒239-0828 神奈川県横須賀市久比里1-1-4
TEL:046-841-1089
詳細情報(釣りビジョン)
巳之助丸ホームページ
出船データ
カワハギ船 乗合料金:8,700円(殻付きアサリ付き)、アサリの剥き身は800円 氷100円
出船:7時30分~沖上がり14時30分
レンタルタックル有り
定休日:第2・第4・第5金曜日
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