釣りビジョン

千葉県・大原沖のカットウフグ、怒濤の“入れ掛かり”を満喫!!

2018年11月15日公開

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昨シーズンは、近年稀に見る好釣果を記録した千葉県・大原発、太東沖のカットウフグ。なんと今期は早くも地元の“規定匹数”80匹を達成した釣り人が居たとの情報をキャッチし、カットウフグ人気に沸く大原港『長福丸』から乗合船に乗った。

平日に2隻出しの大盛況!

大原港へのアクセスは、東京湾アクアライン経由で首都圏中央連絡自動車道・市原鶴舞ICからおよそ40分。『長福丸』の集合は、港前の休憩所で、午前4時までに受け付けを済ませる。窓口のオープン前に到着した場合は、まずカウンターにある船形から席札を取って釣り座を確保するのが得策だろう。窓口で支払いの際は餌券の購入もお忘れ無く(2パックが目安)。休憩所前の軽トラックにクーラーや道具箱を積み込んだら、車の鍵を所定のキーハンガーへ預け、竿だけ持って船着場へ。ライトアップされた釣り座でガイドに道糸を通したりしていると、やがて大船長が軽トラで荷物を届けてくれる。あとは、氷と餌を受け取ってから出船となる。この日は好釣果を聞き付けた太公望で2隻出しの大盛況。期待に胸膨らませての河岸払いとなった。

竿入れからクライマックスだ!

港を出ると若干ウネリがあり、50分程かかって太東沖に到着。程よく解凍したアオヤギをザルに入れて海水で洗い、餌バリに縫い刺しにしてスタートの合図を待つ。夜明け前の暗い海に、集結した釣り船の灯火がいくつも行き交っていた。「ハイ良いですよ、やってみましょう。水深30m!」のアナウンスでスタート。釣り人が多いだけに、船長からオマツリの被害を軽減するコツや「どんどん合わせてみてくださいね」等と釣り方のアドバイスが飛んだ。それから1分も経たないうちに、左舷胴の間(中央)で船中初ヒット。良型のショウサイフグを取り込んだのは、先月、都内から大原へと引っ越して来たと言う星野和男さん。その後は誰が二番手か分からない程あちらこちらの釣り座で次々と竿が曲がった。しかも上がるのは30cm前後の良型ばかり。「型が良いね」、「良くアタる」と誰もが驚いていたが、これはまだ今期のポテンシャルの極一部だった。

 

入れ掛かり、ダブル掛け、さらには極めつけの…!

秋の遅い夜明けが訪れ、フグたちの反応は衰えるどころか、次第に餌を奪い合うような高い活性が見受けられた。1キャスト1ヒットの入れ掛かりは勿論、1つのカットウに2匹が掛かる。大きな餌バリにがっちり口掛かりで良型が釣れるなど、魚影の濃さと食い気の盛んさには目を見張った。さらに極めつけは、船中一番手の星野さんが貸し竿を大きく曲げて浮上させた体長50cm、重量2kgのトラフグ。しかもこの大物、当初は餌バリに掛かったようだが、あの大ぶりなハリを強靱なクチバシで噛み折ったものの2本のカットウバリに絡め取られて御用となった模様。魚の大小に関わらず、フグ属の噛む力は猛烈なので、衣服や指に噛みつかれないよう注意が必要だ。また鋭利なカットウバリで怪我をしないよう、ハリ外し用に長めのペンチ(プライヤー)を必ず持参頂きたい。

船長に訊く、カットウフグ“数釣りのコツ”

まさに数型共に絶好調。その数釣りのコツを藤井大佑若船長に訊いた。「やっぱり釣れている時に、いかに手返し良く釣るか、ですね。1回餌付けして、1匹しか釣れないのか、2匹、3匹釣れるのかで違うんで。1回目のアタリで獲れるか、ここが重要だと思います。また小型電動をお持ちだったら手返しは良くなりますね」と船長。この小型電動リール、ライトタックル(LT)のアマダイ釣りやタチウオ釣りで便利なアイテムだが、今回小生も導入してみたところ、非常に実戦的なうえに、フルドラグで魚を掛けた後、竿さばきに集中できるので、見ただけでは想像できない魅力的な釣り味を楽しめる。水深は概ね30m以浅なので手巻きリールでも勿論充分なのだが、技巧派の釣り人にこそ、騙されたと思って試して欲しいタックルセレクトだ。

竿頭の“釣り師の引き出し”
この日の竿頭は江川勝臣さん(江戸川区)。江川さんはアタリの遠退いた時合いにも釣果を伸ばしていた。一体何が違うのか?「大きな魚はアタリが小さいことが多い」と言う江川さん。アタリが無くなり船中の一同が竿先に神経を集中している状況の時には、一定のリズムで空合わせをする「タイム釣り」をしていたそうだ。よくよく考えてみれば当然の策なのだが、この機転は竿頭ならではの“コロンブスの卵”。“釣り師の引き出し”としてメモして置きたい。

今シーズンは型も良ければ魚影も濃い

今期のカットウフグについて、その傾向を若船長に訊いた。「一番言えるのは、サイズが良いですね。1ヶ月くらいこのサイズが釣れてるんで、まだまだ楽しみです。あとは潮次第ですね。今日は潮が澄んじゃってたんで(爆釣が)朝だけで終わっちゃったんですけど、一昨日80匹釣れた時は濁ってて、朝みたいな感じが一日ずっと続いたんです。釣れてくるのは水温が20度を切ってから。まだ22度位あるので全然これからなんですよ。今は深い所をやってますが、10m前後から5m前後で釣れ出すと、手返しが早くなって数が出るんです」と、今後も益々楽しみだ。釣ったフグは処理師免許を持った船長が可食部だけの身欠き(棒身)にしてくれるので、家庭で直ぐに食べられる。ちなみに若船長のお薦めは唐揚げ。「子供は鶏の唐揚げより好きになります。『また釣って来て!』ってお子さんに言われれば、お父さんも釣りに行きやすくなるじゃないですか」と笑う。海水温が下がるに連れて群れが固まり大釣りの期待が高まる大原発のショウサイフグ&トラフグ釣り。この釣り味と食味を覚えたら、寒い冬が待ち遠しくなること請け合いだ。

今回利用した釣り船

千葉県大原港『長福丸』
〒298-0004 千葉県いすみ市大原9823
TEL:0470-62-0603
定休日:第1・3月曜日 釣果・施設情報 長福丸 ホームページ

出船データ

カットウフグ乗合
乗船料金:9,000円(餌別・氷付き)
餌:1パック500円(通常1日2パック程度)
集合時間:午前4:00までに休憩所の受付へ(予約時に確認)
出船時間:午前4:20
貸し竿:あり(予約時に確認)
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

川添 法臣
釣りビジョンAPC
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込むツリキチ。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
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