日本アルプス、木曽川水系・山岳渓流テンカラ紀行(第2弾)

5月の増水後、降雨が少なく渇水気味の長野県・木曽川水系。あちらこちらで河川工事が始まり、平日は工事の濁り水が入って釣りにならず、本流筋では夕マヅメ時になっても川虫等が出てこないポイントもあった。「山岳渓流テンカラ紀行」第2弾をお届けしよう。

淡水
  • 長野県 西野川&長野県 末川&長野県 西又川

「今日は頂き」と思ったが…

6月18日、標高1500m、午前5時30分の気温14℃、5月より寒い。仲間3人に分かれて入渓、それぞれ過去に好釣果の経験ある自信のポイントに入る。私も崖を降りて河原で準備していると、水深10cm位の瀬の開き(浅場)でライズ。水面に毛バリをノーアクションで流すと3投目で水面に出たのは18cmのアマゴ。「今日は頂き」と思ったが…。

ここぞと思うポイントの落ち込み、石の裏側、トロ場等を攻めるが反応なし。いつも釣っているポイントだけに不思議だ。そこで、釣り方を変えて流れの中心に立ちこみ、上流に向かってキャスト。ゆっくりと手前足元に沈みながら毛バリが来るように流したところヒット!15cmのアマゴが釣れる。しかし、浅いので小型だ。6時30分に移動した。

水量の少ないマヅメ時のみのポイント
腕章型の遊漁券

一か所に集まっているぞ!

西野川・関谷地区に移動する。護岸が崩壊しており、入渓時の足元グリップが浮石と土砂溜まりで脆く、緊張しながら河原に降りる。川ノリ(緑色した髪の毛状の藻)?が密集していて、僅かに流れがある小さな溜まりに出くわす。普段はパスするところだが、減水しているので遊び半分で毛バリを流すとまさかのアタリ。16cmから18cmのアマゴが4匹、イワナ1匹と5匹連続して掛かった。そのうちの1匹は話題の“カラフルアマゴ”。上流に放流ポイントがあるので、増水で流され集まって来たようだ。全て水面にアタックして来たので餌不足かも知れない。水温14℃、上流の放流ポイントに向かった。

噂の“カラフルアマゴ”
同じ溜まりで釣れた普通のアマゴ

浅いポイントで釣れた“カラフル”

放流ポイントを上から眺めると、水深1m位の底に20cm級が数匹動き回っているのが見えた。明らかに上流からの餌を捕食しているが、ボサ(木の枝)が被って毛バリは振れない、少し上流の川幅60cm、水深15cm程の浅瀬に下流から毛バリを振ると、掛からなかったが魚が動く。無警戒の動きなので立ち位置を変え、動きの見えたポイントの1m位上流から流し込みを狙い、毛バリを落とす。着水と同時にガバッと水面が割れナイスヒット!25cm級のアマゴが浅瀬を走り廻り、ネットの中に入った。それも“カラフルアマゴ”、放流場所でじっと育っていたのだね。複雑な感じだった。

派手な装い
水の中ではどう見える?

最後の最後に27cmのイワナ登場!

夕マヅメ狙いで16時30分より西又川下流部に分かれて入渓。実績のあるポイントは全て沈黙、気温が下がってきたが、水中を見ると川虫が石の上に出だして来た。朝のように川の中心に立ち、上流に打ち込み沈みながら手前に毛バリをフリーに流すと、目の前の石の下からガバッと水面が割れた。石の下に潜られ、どうにか取り込んだのは25cm級のイワナ。まともなサイズでご機嫌。先行者が居たが釣り残しだ。ここで集合時間に間に合うように林道に出る。集合場所に10分位早く着いたので、スケベ根性を出し、友人が入った沢の入り口の落ち込みを狙う。友人は多分右岸寄りを狙っただろうと予想して、左岸よりの緩い流れに毛バリを打ち込むと1投目に水面が割れた。ぐいぐい引き回され、やっと浅瀬に引き寄せたのは今回最大の27cmのイワナだった。合流した友人も25cm級のイワナを釣っていた。まずはご苦労さんで納竿とした。

スリムなイワナ君
浅瀬

夏は獣にご用心!!

5月は増水、今回は減水。川のコンディションは日々変わる。山岳渓流は変化が激しく天気予報と観天望気で対策をしないと。季節は夏に向かっている今回は獣が多かった タヌキ、サル、クマには合わなかったがスズメバチに出くわす。カンシャク玉鉄砲、熊よけ鈴、熊よけスプレー、スズメバチ用スプレーなども持参したい。

最後に、タックル情報で記事を締めたい。
・テンカラ竿 3.00~3.60m 
・ライン フロロ4号4.5~5.5m(レベルライン)
・ハリス 0.8~1.0号1.0~1.4m

使用毛バリ3種

施設等情報

■釣り場:長野県木曽郡木曾川水系「末川」「西野川」「西又川」
※起点となる街:長野県木曽郡木曽福島町

■木曽川漁業協同組合
TEL: 0264-22-2580 木曽川漁業協同組合ホームページ

施設等関連情報

遊漁券の料金:年券9,000円(顔写真付き) 日釣2,000円 現地3,000円

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

野口 渓壮子 神奈川在住、70歳代。電動リールも巻くが、毛鉤も巻く。水溜まりを見たら竿を出したくなる。自称、釣りの伝道師。

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