北海道・十勝地方、札内川のヤマメ!曇空に銀鱗が映える!

7月上旬、北海道・十勝地方、札内(さつない)川へ。北海道の十勝地域では、毎年5月1日から6月30日まではヤマメが禁漁となっている。釣行前日には雨が降り、当日も相変わらずの曇空で、若干の濁りがあったが、久しぶりのヤマメを求めて出掛けた。

トラウト
  • 北海道 札内川

解禁当初のヤマメがターゲット!

札内川は日高山脈に源を発す十勝川の支流。平成3年から17年の間に合計8回も水質日本一に輝いたことがある清流だ。ウェーディングしているだけでも本当に気持ちが良い。上流ではヤマメの放流が行われていて、流域全体的に魚影が濃く、いつも楽しませてくれる。

これだけ見ると美しく、親しみやすい川だと思うが、実は大雨の度に形を変える複雑な川でもある。動きやすい土質なのか増水すると岸が削られ、昨日流れがあった場所がプールになり、小川のような流れだった所が、本流になっていることが年に数回ある。朝起きると別の川になっている、その様相はまさに“十勝の一夜城”だ。前によく釣れ、今回もそこを狙おうと考えていても、ポイントが消えていることもしばしば。さらに十勝川から北側に位置する然別川や音更川と比べて、増水時の濁りが消えにくいという特徴もある。大雨になれば安全に釣りが出来るまでに5日はかかるだろう。

写真でもこの透明度。歩くだけでも十分リフレッシュできる

“反転流”が好ポイント!

夏の魚は流心でヒットするイメージある。札内川は流心も勿論の事、ブロックや水量のある流れ込みが作り出す“反転流”も好ポイント。いつも釣れてくれる。流域には波消しブロックが多くあり、それが“反転流”と深みを生み出し、そこに魚が潜む。昨年夏には57cmのニジマスが釣れた。また、今回狙った流れ込み脇も良い。早速流心にスピナーをキャストし、流心脇のミドルレンジ付近を通過させると、ニジマスがヒット!尺(約30cm)は超えていて、丸々と太っている。中々いい引きだった。

流域には波消しブロックが続き、いいポイントを生み出している
丸々としたニジマス。想像以上に良く引いた

同じポイントで…

続けざまに同じポイントで念願のヤマメがヒット!速く、細かいアタリだったので、ヤマメだとすぐに分かった。表層付近で喰って来て、水中に銀鱗が光る。ニジマスより若干、遅合わせにすると上手くフッキングした。くっきりと入ったパーマークが美しい。尺にはわずかに及ばないが、解禁当初の釣行で早速出会えるとは、とてもラッキーだ。このあと、流心横の駆け上がりで、かわいいサイズのヤマメがヒット。今度はヤマメカラーのスプーンで釣れた。共ぐいだったのか…!?

豊富な水量の流れ込み。今回はここで釣れた

やはり“濁り明け”か…?

今回の釣行時は、水に少し濁りがあった。数日前は大雨でマッディだったが、少しずつクリアになって来た感じだろうか。ふと思い返せば、マッディからクリアになる途中の水質はよく釣れる。先日、“濁り明け”に釣りをしたときは、1時間半で11匹と、まさに爆釣だった。頭の中でイメージした通りに釣れ、自分でも怖いくらいだった。先月も同じようなコンディションの日があったが、その日も短時間で5、6匹のニジマスと出会え、満足して早めに切り上げたことを覚えている。

時期なのか、運なのか、天気なのか、真実は難しいが私は“濁り明け”の水質かな?と考えている。いろいろと研究論文や雑誌などをあさってみたら、魚は多少濁っている時の方が警戒心が解けて活性が高くなったり、増水時には流されないように深場にある岩陰でじっとしている可能性があるらしい。と、なれば、増水の影響で数日間何も食べずに、岩陰でやり過ごし、お腹がペコペコになった時に丁度良く、身を隠せるくらいに濁っていると考えると、食欲を爆発させるのにも同情出来る。これからは大雨の日に「釣りが出来ない」と落ち込まず。「数日後は爆釣だ!」と期待を込めることにする。

短時間で5、6匹のニジマスと出会えることも

施設等情報

札内川
北海道十勝地方

施設等関連情報

・遊漁券やレギュレーションは特になし
・1年を通してニジマス・ヤマメが狙える(ヤマメの禁漁期間に注意)
・上流のダム付近にはヒグマが多い。立ち入る際は十分に注意

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

田村 壮太郎 7歳から渓流釣りを始め、北海道・道東をメインフィールドに釣り歩く。年間釣行日数は100日以上。スピナーを使った釣りが好みだが、ビッグミノーで大物に出会ってしまい、最近は浮気心を抱き始めている。ジョギングで鍛えた自慢の体力で、休日には12時間も川の中にいることも。

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