年忘れ釣行記・2022年の忘れえぬ一匹は、湖の真ん中で出た!

2022年ももうすぐ終わろうとしています。ロシアのウクライナ侵攻、安倍元首相の暗殺、ワールドカップサッカーでの日本代表の活躍など、今年も様々なことが起きました。でも、個人的には自分が「釣りビジョンマガジン」の編集長に就任したことが最大の事件。7月からの約半年間、不安定ながらも舵取りができたのは、優秀なスタッフと寛大な読者の方々が支えてくれたおかげだと思っています。……さて堅苦しい挨拶はこのくらいにして、今年1年間の総括として、自分にとって最も印象に残った「忘れえぬ1匹」の話でもして、今年のしめくくりとしよう! 本当は9月に記事化する予定だったけど、色々あってお蔵入りにしていた榛名湖の釣行記です(執筆:横沢鉄平)

その他
  • 群馬県 榛名湖

真夏の榛名湖で白昼夢を見たい

2022年の思い出に残る釣りといえば、まず5年もかかってついに釣り上げた「キハダマグロ」が強烈な印象を残している。でも、それは8月に記事で書いた(神奈川・相模湾&南沖、キハダマグロ釣り奮戦記)ので、あえて今回は触れずにおこう(触れているか)。淡水の釣りでは、8月30日、群馬県の榛名湖で釣った1本のバスが脳裏に焼き付いている。榛名湖は、ここ10年ほど年に1~2度行くようになっている湖。それは「ダウト」という草トーナメントにスポット参戦するためだ。ただ、たまにビッグフィッシュ賞はとるものの、優勝は一度もしたことがなかった。
真夏の榛名湖には神話のようなパターンがある。それは「湖のど真ん中でのトップウォーター」。ど真ん中で突然ボイルが起きて、そのボイルをポッパーやペンシルで狙い撃ちにすると、グッドサイズのバスが飛び出すというのだ。その日は8月ということもあり、このパターンを夢見た私は榛名湖のど真ん中までボートを進めた。

果たして、榛名湖のど真ん中でバスは釣れるのか?
魚探のGPSを見ても、湖の真ん中であることがわかる。水深14mの中層5mにワカサギらしき群れが?これはチャンスかも?

たった1本のヴィローラで神話を実現か?

私は、ポッパーやペンシルではなく、ディスタイルのヴィローラ2.8インチをノーシンカーで投げることにした。それは高い浮力を誇るリアル系ワカサギワーム。先月の大会でもいいバスを釣ったし、この時最も自信を持てるルアーだったからだ。
「先月の榛名湖でも釣れたから、確かあったはず……あった!」
ところが、空のパッケージ。もう一つ見つけたけど、それも空だった。絶望の淵に立たされた私だったが、たった一筋の希望の光をこの目でとらえた。それはワームケースの片隅に1本だけ転がっていた、使い古しのヴィローラ。7月の試合で最後に投げていた、あの1本だった。こういうワームは、えてしてドラマを起こすものなのだ……。
「今日はこの1本のヴィローラで、3匹のリミットを揃えるしかないな……」

必死に探したヴィローラ2.8インチ(ディスタイル)だったが、見つかったのは空のパッケージ2枚のみ…
やっと発見したたった1本のヴィローラ。フックはギル用フックとして先日紹介した「カニ専用チヌ」
釣り方は投げて、ただ浮かせて待つだけ。ヴィローラは非常に浮力が高く、フッキングもいいのでこの釣りに最適なのだ!

2022年の、「記録ではなく、記憶に残る1匹」との出会い

突然、スーパーボイルが起こった! しかも至近距離で。私はヴィローラを投げて、しばらく浮かせておいたら、「ゴボゥン」という低い音を響かせて水面が割れた! まさしく、湖のど真ん中で、トップに出たのだ! かなりの引きだったけど、仕留めたバスは40そこそこのサイズ。その場で検量すると1015gだった。
「よし、このペースでリミットメイクするぞ……ん?」
残念ながら、激しいファイト中に唯一のヴィローラが何処かへと失踪してしまった。最大の武器を失ってしまった私は、その後1匹も魚を追加できずに試合終了。ところが、参加者も少なかったし、ほかのみんなも不調だったようで、なんとこの1匹で初優勝! あれから20パックは買ったな、ヴィローラ2.8インチ。
 今年の最大バスは56センチの3560gだったけど、やっぱり優勝を決めたこの1匹が忘れられない。読者の皆さんも、そんな忘れえぬ1匹1匹の魚たちを振り返りつつ、そばでも食べながら年を越してください。2022年、お世話になりました。2023年もよろしくお願いいたします。

湖のど真ん中をトップウォーターで攻略!これは楽しい!
1015gのバスだった。40そこそこサイズだが、この1匹が思い出に残っている。
草トーナメントの「ダウト」初優勝を祝して、榛名湖名物「エヴァ」のカツカレーは超大盛に!
これは、関係ないけど2022年の最大バス。56cm、3560g。一緒に釣りした奥田学さんは、この日63.5cm、4850gを釣っていたので、自慢できるサイズではありませんが…、このポットベリーは嬉しかった。ちなみにルアーはブルフラット5.8インチ(デプス)のテキサスリグ。

施設等関連情報

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

横沢 鉄平 フリーライター。ライフワークはバスフィッシングだが、ワカサギから世界の怪魚まで、すべての釣りを愛する男。ロッド&リールの「三匹が行く」、ルアーマガジンの「ドラマチックハンター」など、長期連載企画での出演経験も多数。キャンプ用品の「ヨコザワテッパン」考案者でもある。
YouTubeチャンネル「ヨコテツ」も、ささやかに継続中だ。

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