「雪が降るとよく釣れる」は本当か? PART2

冬に釣りをしていると、「雪が降るとよく釣れる」という話が、まことしやかにささやかれることがある。特にバスフィッシングの世界と、エリアフィッシングの世界ではよく耳にするし、筆者も過去にそう感じたことが何度かあった。これは本当なのか? それとも都市伝説? もし本当なら理由は何なのだろう。PART1では伊藤雄大さんに話を聞いたが、PART2では日本を代表するデカバスハンターの一人、奥田学さんに「雪論」を聞いてみた(執筆:横沢鉄平)

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ビッグバスには吉と出るが、サクラマスは?

筆者は25年前に奥田さんと知り合って以来、数えきれないほど取材をしてきた。中でも冬の取材の場合、雪の降る中でビッグバスをキャッチする率が非常に高かったという印象がある。やはり、雪はデカバス狩りにも有利に働くのだろうか?
「これまでの経験上では、釣れますね。吹雪になると釣り自体ができなくなったりするけれど、ぼた雪やしんしんと降る雪の時は釣れます。そういうときって、雪雲と水面の間の空気が圧縮されるような、そんな雰囲気になる。そうなると魚が浮くし、よく動き回ると思う。低気圧の作用と似ているけれど、雪の方が更に強いね。自分の感覚的には」
 実際、雪の日にビッグバスが数多く釣れたり、とびきりでかいのが釣れたりすることも多いらしい。
「ただし、雪が止んで、単なる冷え込んだ日になっちゃうと、一気に喰わなくなる。だから、バスに関しては降っている間がチャンスだよね。雪の季節はサクラマスとか川のトラウト系もよく釣りに行っていたけれど、あの釣りに関しては大差なかったなあ。それよりも、あの川のトラウトたちは雪代に支配されている。雪が降ったから釣れる…という経験はあまりないな」

奥田学(おくだまなぶ):日本を代表するデカバスハンターの一人。最強のプロガイドとして君臨してきた琵琶湖はもちろん、全国の川や湖でも卓越したデカバス捕獲能力を発揮。メディアを通じて多くのファンを魅了する。また、ソルトウォーターや大河川の大型トラウトに関しても達人級の腕を持つ。現在、ビッグバス特化型ブランド「シグナル」で代表を務めつつ、シマノのインストラクターとしても商品開発などに携わる。シグナル公式サイト=https://www.signal-lure.com/

雪の日にめっぽう強いルアーは、やっぱりアラバマ系

こうなると知りたいのは、雪に強いフィッシングパターンだ。奥田さんは、絶対の自信を持って、一つの釣り方を推してきた。
「おかっぱりであろうが、ボートであろうが、琵琶湖に限らず、強いのはアラバマ系リグやね。過去の取材でもこの季節にはアラバマ系が強い。特に雪が降るとその効力が増す。コツは極力同じレンジをスローに泳がせる設定がいいね。ハイシーズンはミディアムリトリーブでもいいけど、冬はバスの浮き上がりが遅いもんで、それに合わせるために一定層をゆっくり引いた方がいい」

数年前の取材中、奥田さんが真冬にキャッチしたビッグバス。冒頭の写真も同じ取材時に撮影した。雪が少し落ち着いた瞬間、シグナルの7アーマーで仕留めた。奥田さんのアラバマ系リグ(アンブレラリグ)のスキルは、並外れている。
先日当サイトの記事でも紹介したシグナルの新製品「9アーマー」。レンジキープが得意で、アピール力も抜群。発売が待たれる。URL=https://www.fishing-v.jp/premium/729.html

施設等関連情報

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

横沢 鉄平 フリーライター。ライフワークはバスフィッシングだが、ワカサギから世界の怪魚まで、すべての釣りを愛する男。ロッド&リールの「三匹が行く」、ルアーマガジンの「ドラマチックハンター」など、長期連載企画での出演経験も多数。キャンプ用品の「ヨコザワテッパン」考案者でもある。
YouTubeチャンネル「ヨコテツ」も、ささやかに継続中だ。

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