滋賀県・琵琶湖 現在大ブーム!?流入小河川のコアユ釣りに初挑戦

琵琶湖の初夏の風物詩といえば…流入河川などで楽しめるコアユ釣りだ。とはいえ、琵琶湖釣り歴は20年近い筆者なのだがコアユ狙いというのはまだ未体験。乏しい情報しか持たない初心者でも釣れるのか…とりあえず、湖北へと向かった!(執筆:望月俊典)

淡水
  • 滋賀県 琵琶湖

買うと高いコアユのジャーキー…じゃあ、釣るか!

フレンチブルドッグの子犬(名前はアブサン)を飼い始めて2ヶ月になる。先日一緒に釣りをした犬飼いの先輩に、「ジャーキーをおやつにあげるといいよ」という話を聞いたので調べてみると…ワカサギやコアユなど琵琶湖産の魚のジャーキーもあるではないか。でも、結構お高いんですよね…。

というのがきっかけで、フードドライヤーを購入し、ジャーキーを自作することにした。

最初のターゲットはこれからが旬のコアユだ。ずっとやってみたかったのだが、この時期は他の釣りも忙しく…なかなか手をつけられずにいたのである。

あえてネットで軽く調べた程度の知識だけでやってみようと思う。場所はコアユ釣りでぼんやりと名前聞いたことがあるような…湖北のとある流入河川に決めた。仕掛けなどは釣具屋の店員さんにアドバイスをしてもらった。

コアユ釣りの道具その1。仕掛けはがまかつのコアユ用。5本バリ仕様、ハリ2号、ハリス0.4号、幹糸0.8号、全長60cm。玉ウキはナカジマの蛍光玉ウキでサイズは10号
コアユ釣りの道具その2。練り餌をセットする、マルハの小鮎中間ラセン(中)小目。オモリはセイコーのナス型1号。道糸はダンのへら名人1号
コアユの釣り道具その3。マルキユーの特選小鮎マキエ
コアユ釣りの道具その4。ダイワのヘラ竿、陽舟9尺。ちょっと短かすぎる。11尺にすればよかったが…車まで取りに行くのが面倒だったので…これで通した

川に着くと、めぼしい場所は先行者だらけ…どうする?

7時すぎには現場に着いていたが…世はコアユ釣りブームなのか? 平日だというのによさそうなポイントには人、人、人…。ネット情報では「落ち込みの下がいい」とか書かれていたが、ポイント選びをする余地すらない。

ただ、水深は非常に浅く、偏光グラスをしていればコアユがいるかどうか一目瞭然。とりあえず、川を歩いて目視で群れを探すことにした。コアユのいるところにはやっぱり釣り人がいる…のだが、ついに釣り人のいない群れを発見! あ、でも先行者のものと思しき道具は岸辺に置いてある…。でも人は居ないし…とりあえず少し離れた場所で釣りをさせてもらおう…ということでタックルの準備を始めた。

すると、その近くで釣りをしていた道具の持ち主(Sさん)が戻ってきて、場所を譲ってくれた。ラッキー!

Sさん「僕は4時から来て釣りをしているからね。どうぞどうぞ」

この釣りのキモはどうやら僕の苦手な早起きのようだ。というわけで、8時をとっくに過ぎたころ、ようやく釣りが始まった。

もう、目の前にコアユの群れがいるので、そのチョイ上流側に仕掛けを投入する。すぐにコアユがサビキ針に掛かるのが見えた。軽く合わせると、ピチピチと小気味のいい引き味。あっさり、1匹目が釣れた。

めぼしい場所はどこも先行者の姿があり、殺伐とした雰囲気。この写真の中にも5人…まるでコアユブームだ
ちなみに、コアユ目当てなのか、ニゴイがめちゃくちゃいた。こっちを狙っても面白そうだ
コアユの群れをサイトで狙う語り部。水深10cm以下の場所でライジャケを着用するのは少しばかり勇気が必要だった
14cmを超える大きなコアユ。なお、諸事情で偏光グラスを外しているが…こちらは着用を強くおすすめする
ぼちぼち釣れる。場所とタイミングさえよければ初心者でも十分に楽しめるはずだ

シブいながらも…3時間で15匹。天ぷらもジャーキーも楽しめた

これだけ人が多いせいでコアユもスレているのか、群れの近くに仕掛けを投入すると驚いて散ってしまう。なので、2mほど上流側へ、そっと投入し、ごくゆっくり、そろそろと仕掛けをズル引きさせて、群れへと近づけていく。バス釣りでダウンショットリグをスポットへズル引きさせていく、あの感じだ。アタリの取り方は、ウキが一瞬動くが、むしろコアユが掛かるのを直接目視する方が早い。その瞬間に合わせを入れる。

しかし、なかなか食わない…。寄せ餌に反応している様子がまるでなく、食い気がないのが明らかだ。結局、11時までの3時間で15匹をキャッチするにとどまった。

Sさんによると、この日はかなりシブかったそうだが、釣れるときは誰でもたくさん釣れるそうな。去年は200匹釣れた日もあったという。ちなみに、湖北の最盛期は6月下旬から7月上旬。8月まで釣れ続く。彦根あたりからシーズンが始まり、湖北、湖西へと移行していくそうだ。南湖南端エリアでも釣れる。

なお、滋賀県でのコアユ釣りは9月1日~11月20日まで禁漁期間になっている。安曇川、石田川、知内川、塩津大川、姉川、天野川、犬上川、和邇川の特定区域では9月1日~11月30日まで禁漁。詳しくは滋賀県の「遊漁の手帖」を参照してほしい。

釣れたコアユたちはどれもサイズが大きく、銀色に輝いていた
練り餌はラセンにセット。ただし、寄せている感はまるでなく…練り餌がなくても釣れた。オモリは1号を使用したが、川はごく浅く流れは弱いので…1号ではほぼ流れない。0.5号でよかったと思う
おやつを獲ってくる飼い主…を見守るアブサン
9時ごろには納竿したSさん、あまりに貧果なので顔出しNGとのこと。なんと、釣れたコアユを全部語り部にくれて帰っていった…
この日の釣果。サイズが大きいのでこれでも十分食いでがある
アブサンのおやつ用に何匹かのコアユをジャーキーにした。驚くほどよろこんでいた
人間用、コアユの天ぷら。臭みがまるでなく、上品かつ深い旨みがある。内臓も香りはよいが、川で釣れるコアユは砂を噛んでいることがあるので取った方がいいかもしれない

施設等関連情報

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

望月 俊典 千葉県九十九里町生まれ。雑誌『Rod and Reel』副編集長を経て、フリーランスの編集/ライターとなる。海外の秘境釣行も大好きで、『世界の怪魚釣りマガジン』の立ち上げ&制作を手掛けた。現在は、琵琶湖事務所で仕事や釣りにいそしむ。著作は『バスルアー図鑑』(つり人社)。ちなみに、学生時代に、ネッシー(といわれているであろう現象)を目撃&撮影したことがある。

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