釣りビジョン

2012.12.1号

新修丸・神奈川県金沢八景
東京湾・竹岡沖の“肝パン”カワハギ絶好調!!

01_main.jpg
その日その時々のアタリパターンを見付けてタックルや仕掛けをシステマチックにアジャストして行く-そんなゲーム性の高さと、手軽にできる間口の広さが魅力となり、今やルアーフィッシングアングラーまでをも巻き込み大人気となったカワハギ釣り。いよいよ食味が最高潮に達する“肝パン”の最盛期を迎えた。「今がまさにベストシーズンですよ!」と、神奈川県・金沢八景『新修丸』の代表、新明正義さんに誘われ船に乗った。

関東に“木枯らし1号”!

出掛けたのは11月19日(月)。関東に“木枯らし1号”が吹いた翌日とあって、この日も西高東低の典型的な冬型の気圧配置で北風が強く、寒さに震える朝となった。ただ、カワハギは潮温が低下すると群れが固まり釣り易くなる。これこそ冬が“旬”と言われる理由。なので、カワハギフリークはこの寒さを歓迎せねばならない。出船時間は朝7時30分。新明正義船長操船のカワハギ船は私を含め9人を乗せて定刻少し前に桟橋を離れた。

船宿『新修丸』
女将さんと看板犬・マルちゃん
代表の新明正義船長

まずは第二海堡周りからスタート!

第二海堡周りはこのサイズ止まり
『八景島シーパラダイス』前からエンジンの回転数を上げた船は、航程15分程で第二海堡に到着。まずは海堡周りの急こう配なカケ上がりからスタート。「ここはさ、最近良い型が結構上がっているんだ。今日の釣り場は竹岡沖がメインだけど、まずは様子見でちょっとやってみるよ」と船長。しかし、この日は期待に反して“ワッペンサイズ”がポロポロと釣れた程度。約1時間で見切りを付け竹岡沖に移動した。9時10分。竹岡沖水深23mのフラットエリアで再び釣り開始。「ここも出れば大型!という場所。狙って行きましょう!」と、船長。近くには20隻近くのカワハギ狙いの大船団。しかし、ここはそこから明らかに外れた場所。どうやら船長は独自のピンスポットを幾つか知っているようだ。間もなく、左舷大ドモ(船尾)の常連、金井さんがいきなり20cm代後半のグッドサイズをキャッチ、見事船長の言葉を証明。しかし、後が続かず、その後すぐに船団に加わった。

カサゴのゲストもあったが移動!
金井さんのグッドサイズ!!
普通の場所に見えるが…大型多数実績あり!

基本的な道具と仕掛け類について!

今回、皆が使っていた仕掛けは、ほぼ同じ胴突き3本バリの基本形。幹糸の間隔や仕掛け全長はそれぞれの戦略によって微妙に変わっている。詳しいタックルや仕掛けは別図を参照して頂きたいが、現在オモリは25号、今後深場を攻める場合には30号を使うこともあると言う。仕掛けは替えバリ式のものが断然使いやすく、船宿でも購入出来る。『新修丸』では、青イソメと冷凍のアサリ餌は乗船料金に含まれているが、餌を持参すれば1000円引きとなる。

仕掛け図
エサには青イソメも使用!

序盤はアタリパターンの読み合戦!

海上は北風で少々荒れ気味
この日乗船した釣り人たち、かなりの手練れ揃いだということは釣り方を見てすぐに理解した。狙い方や誘い方なども実に様々で人それぞれだったが、共通していた条件が餌取りの少なさだった。今回は、そんな時にどのようにしてアタリを出し、魚を掛けて行くのかを注目してみた。先ほど良型を仕留めた金井さんは、餌取りが少ないので派手なタタキは入れずに比較的ゆっくりと竿を上下させて誘い、竿先に出る微妙なアタリを確実に取り、一人異次元レベルで魚を掛けまくっていた。また、右舷ミヨシ(船首)に座った小甲(コカブ)さんと、お隣の遠藤さんは、色々な誘い方で底ベタのゼロテンションから中層ダナまで試し、様々なアタリを取りポロポロと釣っていた。昼前までは各自パターンが定まらず試行錯誤の時間だったが、釣れてくるカワハギのほとんどが“肝パン”状態に全員ニンマリ。

寒さ吹き飛ぶ嬉しい1尾♪
小甲さんも確実に釣っていた!
これぞ“肝パン!”

ビギナーズラック??いやいや必然か!?

このサイズが皮切りに…
左舷胴の間(中央)で竿を出していた石田建次さんと恵美子さん夫婦は、実は『新修丸』のカサゴ船を担当する石田和也船長のご両親。更に、建次さんと小甲さんと新明船長は子供の頃から仲の良い友達同士だというから何とも素敵な関係だ。時計が正午を回る頃になると、各自が大体のアタリパターンを掴んだようで、釣果は尻上がりに伸びて行った。恵美子さんは、餌に青イソメを付けてこれまた一人爆釣モードに突入。今回が2回目のカワハギ釣りと言うが、「餌取りが少ないので青イソメを団子状に丸く付けてアサリのカタチを演出してみました。餌持ちもアサリより良いと考えたんですよ」と、斬新な理論を披露。金井さんから「底から1m上げてそこから更に誘い上げる」というこの日の大アタリ&ビッグフィッシュパターンを伝授され、ビギナーとは言い難い釣果とサイズを叩き出していた。

ビッグフィッシュ連発!!!
建次さんも大型連発!
ダブルも達成!!

こちらはダブル4回!
遠藤さんも後半は連チャン!
小甲さんも後半スパート!!

この日のアタリパターンは…!!

とにかく寒い1日だった……。
結局、この日は金井さんが45尾で断トツのトップ。続いてはその金井さんのアドバイスを受けたカワハギ釣り2回目の恵美子さんが29cmを含む37尾で2番手。建次さんが35尾で3番手という結果で、沖上がりの14時30分を迎えた。この3人の共通点は、アタリダナを底から1~2.5mの中層に見付けて、そこが激アツのヒットゾーンとなった事。また、少し浮いている魚は圧倒的に良いサイズが多かったという事実。そして興味深いことに、同じ中層を狙っていても、金井さんは誘い上げの途中や竿先が上を向いているロッドポジションで敢えてアタリを出し、チクンッ!と入る微妙なアタリも積極的に捉えていた。対して、恵美子さんは誘い上げの後、ロッドをほぼ水平の位置まで戻し、そのままキープしてツンッ!と入る大きなアタリを取って数を稼いだ。建次さんは、誘い上げからゆ~っくりと竿先を降ろし、フォーリングでアタリを出すという3者3様の戦略だった。簡単に言うと、1.5mという狭いヒットゾーンの中で、どのような餌の動き(アップ、キープ、ダウン)が良かったのか!?という事だ。金井さんは「ロッドティップが上方向に向かって動いているので、合わせの動作がスムーズに行えるから人より多く乗せられたのかも知れませんね」と分析。実際には、状況変化があるので一概には言えないが、この日は間違いなくこれが大アタリパターンだった。ちなみに、4番手の小甲さんは基本を底ベタのゼロテンションで釣り、それでも31尾という立派な成績。実は、中層と底ベタは紙一重の差だったのかも知れない。群れも固まりつつある“旬”真っ只中の竹岡沖のカワハギ釣り、是非チャレンジしてみは如何だろうか。

満足げな釣果♪♪
遠藤さんの大型をゲット!
トップの金井さん!!

金井さんのクーラー!!
4番手の小甲さん!!
石田ご夫婦は大型で揃えた!

「中華風カワハギ料理」をご紹介!!

中華料理店 海龍』マスターの石田建次さんに至福のカワハギ料理3品を披露して頂いた。特に、「カワハギの中華蒸し」は、新明船長一押しの料理。「ただひたすら無言で食べ続けていたよ」と建次さんが笑いながら教えてくれた程の逸品。またその他の料理もどれも本当に美味しく、味見した私も次は絶対に家で作ろう!と感激した素晴らしい料理ばかりだった。

(鈴木 恭介)

今回利用した釣り船
金沢八景:新修丸
〒236-0025 神奈川県横浜市金沢区野島町10
TEL:045-784-2636 定休日:毎週木曜日
詳細情報(釣りビジョン)
新修丸ホームページ
出船データ
出船時間:朝7時30分~沖上がり時間:14時30分
乗船料金:9000円(青イソメ・冷凍アサリ付き)※餌別料金1000円引き
貸し道具:500円(竿&手巻きリール)駐車場1日:500円
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。
プレミアムメンバー