狙うは40cmオーバーの良型メジナ
真鶴半島は伊豆半島よりも冬季の海水温の低下が早く、例年では10月末から11月初旬にメジナのシーズンが始まるのだが、今年は高水温の影響でシーズンインが遅れていた。
それでも12月初旬の長い西風の影響で、12月中旬には海水温が18℃付近まで低下。このタイミングで、真鶴港唯一の渡船『石川丸』にお世話になり、シーズン序盤のメジナを狙うことにした。船長の話では「超大型はまだ出ていないが、40cmオーバーはポツリポツリと出ているよ!」とのこと!狙うは40cmオーバーの良型。心の中では45cmオーバーの大型を期待し、午前6時30分に第2便で出港した。
釣れないカルテット(磯釣りクラブ仲間の杉崎さん、竹中さん、高橋名人、私)たちに女神は微笑むのか!?
大型メジナの実績磯「赤壁」に渡礁
真鶴半島の渡船で渡る磯は「赤壁」、「赤壁の離れ」、「ブタノクソ」、「ウシノクソ」、「三ツ石」の5か所で、総定員は12、13人程度。「三ツ石」を除く4か所は西風にめっぽう強く、風速が10mを超えても西風であれば渡礁できるため、冬の季節風の日でも釣りを楽しめる希少な場所である。
この日我々4人が渡礁したのは「赤壁」で、過去に50cmオーバーが釣れている有力釣り場である。切り立った絶壁で足元から水深15~20mのドン深であるため、見るからに一発大物が期待出来そうな場所である。一方で見た目とは裏腹に乗ってしまえば足場は良好であるため、一日ゆったりと釣りを楽しむことができる。第1便で渡礁した先約の2人に渡礁を手伝ってもらい、各自釣り座を決めた後、期待と胸に釣り支度を整えた。
竿2本までのタナでは尾長メジナが連発!
まずはメジナのタナを探るべく仕掛けを組んだ。磯竿1.0号/リール3000番/道糸PE0.6号/ナイロンリーダー2.0号を7ヒロ(1ヒロは約1.5m)/フロロカーボンハリス2.0号を2ヒロ/口太バリ4号を選択した。パイロットウキは自作の「ウキくん 000」を選択し完全フカセとした。コマセはオキアミ6kg、パン粉2kg、ヌカ3kg、付け餌は生オキアミと芝エビのむき身を準備した。
足元にコマセを入れると海の色が変わるほど餌盗りが多いため、約15m沖に仕掛けを入れると、3ヒロ以下の浅いタナで早速尾長メジナがあたって来た。サイズは25cm未満で、ほぼ毎投釣れるのは嬉しいのだが、狙いは良型メジナ。20m、25mと徐々に沖を釣っていったがサイズが上がらない。活性が上がれば大型サイズも浅ダナに上がってくるのであろうが、朝イチは深ダナで餌を拾っていると判断。ウキを竹中さん作の「AMAKIウキ マイナスG2」に変更した。強いマイナス浮力のウキで、餌取りとコッパメジナの層を一気にかわす作戦である。
仕掛けを投入した後、コマセ4、5杯を仕掛けの手前側に入れて後追いさせる。放っておくとドンドン深棚に潜ってしまうので、仕掛けが竿1本(約5m)位まで沈んだところで、道糸を指で押さえて強い張りを持たせる。竿2本くらいのタナで付け餌とコマセが同調するようなイメージで待っていると、道糸が指を弾く激しいアタリ。シャープな引きで楽しませてくれたのは美しい魚体の30cmクラスの尾長メジナ。少しサイズは上がったが、竿2本くらいまでのタナは活性の高い尾長メジナが活発に餌を拾っているようだ。
隣の釣り座に構えた竹中さんは、餌盗りをかわすべく「ヌカ切り釣法」で足元の磯際を攻めていると、棒ウキを一気に消し込む強烈なアタリ。2.5号の竿が根元から曲がり、時々道糸が出されているところを見ると大物は確定。良い魚が上がってくるのを期待して待っていると、白い魚体が見えた。「イスズミだー、残念!」と無念のタモ入れに成功したのは、55cmの大型イスズミだった。どうやらまだ海の中はまだ冬モードになっていないようだ。
深ダナで狙い通り良型メジナをゲット!
前半戦の釣りで竿2本までのタナは攻めてみたので、さらに深ダナを探ってみることにした。ウキとオモリを1号に変更、竿2本半のところにウキ止めを付けた半誘導仕掛けに変更した。約20m沖に仕掛けを入れ、仕掛けが馴染むとゆっくりとウキが沈み始める。竿3本くらいのタナまで仕掛けが沈んだところで回収するとオキアミが抜け殻で帰ってきた。試しに芝エビのむき身に変更すると、キタマクラが連発。餌取りはキタマクラで、小型のメジナはいないことが分かったので、再び付け餌をオキアミに変更して我慢の釣りに徹することに。
コマセを6、7杯、ゆっくりと時間をかけて先打ちし、最後のコマセから30秒以上経って仕掛けを投入する。深ダナなのでコマセとの同調は難しいが、仕掛けが馴染んだ後ゆっくりと長時間コマセが同調するイメージでやってみた。竿3本位のタナまでゆっくりと探っていると、ウキがススーッ!と海中深くに潜り込んでいった。慌てずに合わせを入れると、手応えのある重量感。「これは間違いなく今日イチだ!」と確信し、竿の胴までしっかり曲げて少しずつ魚の体力を奪っていく。高場の釣り座なのでタモ入れに少々手間取ったが、無事にタモに収まったのは43.5cmの良型の口太メジナだった。作戦通り釣り上げたこのメジナはとても満足のいく1匹となった。
この作戦で35cmクラスを1匹追加したが、後が続かいないため仕掛けの変更を検討していると、通常のフカセ仕掛けに変更し00浮力のウキで浅ダナを攻めていた竹中さんにも待望のヒット!0.8号の磯竿を気持ちよく曲げて上がってきたのは、体高のある41cmの口太メジナだった。私も同様に軽仕掛けに変更し、足元のサラシの先の潜り潮に仕掛けを馴染ませると、道糸が走る鮮明なアタリ。心地よい引きの35cmクラスの口太メジナを追加することができた。
シーズン序盤らしいムラのある釣果。本格シーズンに期待!
満潮の14時に向けて潮が緩んできた正午過ぎからは、竹中さんと私の釣り座はメジナのアタリが全く無くなり、少し離れた場所で釣りをしていた杉崎さんと高橋名人には頻繁にアタリが出るようになって来た。釣れてくるのは30~35cmクラスであるが、竿1本から1本半くらいのタナでアタリがあるようなので、それをヒントに色々やってみがた、納竿間際に35cmクラスを1匹追加して終了となった。
この日、目標の40cmオーバーを手にすることが出来たが、小型から中型サイズが多く、釣れる場所やタナもまちまちで、シーズン序盤らしいムラのある釣果となった。これから海水温が更に下がって安定してくると、50cmオーバーも狙える本来の「赤壁」になるはず。本格シーズンの「赤壁リベンジ」を誓いながら帰港した。
施設等情報
施設等関連情報
磯上り時間:午後2時30分
料金:5,000円
車:西湘バイパス 石橋ICから約15分
小田原厚木道路 小田原西ICから約20分
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。