2025年06月28日公開

“カモシ釣り”と言う釣りをご存じだろうか?片テンのコマセ釣りの一種で、大型高級魚の代表格・ヒラマサとマダイを同時に狙うという、実に欲張りな釣りだ。今回はこの “二兎”を追って、もちろん“二兎”とも釣ってしまうべく、御宿岩和田港『太平丸』から出船。結果、素晴らしい経験を得ることができた。
今シーズンも好調!伝統釣法“カモシ釣り”開幕から大型!
カモシ釣りは、千葉県御宿や勝浦地方に伝わる伝統釣法で海水で溶いたサンマのミンチをカモシ袋(コマセ袋)に注入して、大型のヒラマサやマダイなどを狙う“コマセ・マダイ”に似た釣りだ。御宿・岩和田港『太平丸』では今シーズンは4月末に初出船。初日から良型のヒラマサやマダイの顔を見る好調な滑り出しとなったようだ。
『太平丸』のカモシ釣りは限定10人までの予約乗合で、記事末の電話番号に連絡し事前に予約が必要だ(エサの準備があるのでお早めに)。集合は御宿・岩和田港の東側の防波堤に停泊する『太平丸』前に4時30分までに。駐車場位置、釣り座確保や乗船方法などは写真を参照いただきたい。5時頃出船準備完了し、女将に見送られて出船した。
なお、今回の取材は6月中旬であったが、6月8日には11.3kgのヒラマサが釣り上げられるなど、釣況は昇り調子!そして今回も…ドラマが待っていた!
オモリ100号、カモシ袋にサンマのミンチ、サンマやイカエサで狙う
下の写真1枚目は「船で用意してくれる物」。2枚目は「釣り人が持っていると便利なグッズ」。これからの時期はとにかく十分な水分と日焼け対策が必須。また、ゴミ箱を各々で持参しよう(ゴミは持ち帰り)。
道糸は、仕掛け図にある“5ヒロ毎に印”のある“ナイロン20号”またはPE 5~8号。ナイロンの道糸は、アタリが出やすくバラシにくいと評判で『太平丸』大野船長特製(予約時にお問い合わせを)。
エサに使うサンマのぶつ切りは、写真のようにハサミで中骨を切り取って一旦開き、皮目を内側にして2つ折りに。開かないようハリにちょん掛けにする。コマセの溶き方やカモシ袋への注入の仕方は写真でも説明しているが、詳しくは船長のレクチャーを受けていただきたい。
サバの猛攻を上手くかわして、マダイ!ヒラマサ!をゲット!
30分程で釣り場の御宿沖(三本松)に到着すると、船長より「準備を始めてください」と言うアナウンスがあった。ホースでコマセバケツに海水を入れ、コマセ注入ポンプでかき混ぜて冷凍サンマを溶かす。海水を加えて醸されるトロトロのサンマのコマセが海中でその匂いを広げてヒラマサやマダイを寄せるのだが、“トロトロ加減”がとても大事だと言う。初めての人は出船前に必ずこの辺りのことを船長に尋ねておくことをお勧めする。
「準備が出来た人から始めてください。タナは上からナイロンの人は20ヒロ、PEの人は30m(1ヒロ=1.5m)」と言う船長のアナウンスで釣り開始(“ヒロ”と“メーター”の両方をアナウンスしてくれる)。指示ダナの5m程下から大きく竿を立ててコマセを撒き、指示ダナまで巻き上げて置き竿でアタリを待つ(リールのカウンターに頼らず、道糸のマークを数えてタナ取りすること)。時たまゆっくり大きく竿を上下して誘いを掛ける。
この日は朝一のぶっ込みからマダイ!立て続けにヒラマサ!メジナ!キントキ!と好調な滑り出しを見せたが、陽が高くなるにつれて本命より先に大サバが喰い付くようになり大苦戦。
5kg級メダイ!マダイも上がり!来た!待望の7kg級ヒラマサ!
サバの猛攻が止まないので、多くの釣り人がヒラマサ狙いに切り替えた。太ハリスに大きなハリの仕掛けにイカを丸ごとまたは短冊にして掛けたり、あるいは、釣れたサバを3枚におろして半身を掛けてエサにした。
中盤、ついに動きが見られた。まず左舷大ドモに強烈なアタリ!これが5kg級のメダイ!更に右舷ミヨシでもメダイが上がり、同胴の間では良型のマダイが!そして、記者にも竿を大きくひん曲げる大物のアタリが!竿はリベンジを誓って新調したリフト力のあるニューロッド。ハリスはフロロ18号。ハリは環付ヒラマサ16号だ。
前回は、猛烈な引きにのされ、根ズレして敢えなくバラしてしまっている。この引き込みはあの時と同じだ!ドラグはキツく締めていた。が、「止まらないー!」。しかし、今回は万全の備えだ。ガチンコ勝負でリフトして、船長のタモ入れで獲った!
潮が落ち着けば、ヒラマサますます期待!マダイもまだ続きそう!
終盤、“投入時「20ヒロ、30m」だった指示ダナを、途中から「18ヒロ、27mに上げて」と浅くする指示が出て、その内サバが寄って流し替える”と言うパターンが多くなった。記者は、「ひょっとしてタナが浅くなる前ならマダイが喰うのでは!?」と考え、ヒラマサ仕掛けからマダイ用12m(ハリスは8号+5号のテーパー)の仕掛けに取り替えた。
右舷大ドモで大きなメダイが上がった!気持ちは揺れたがマダイ仕掛けで粘った。すると、「来たーっ!」3kg級の丸々太った乗っ込みのマダイ!これが締めくくりの1匹となった。
11時頃に沖上がり。結果、ヒラマサ3~7.1kg、0~1匹!マダイ1~3.1kg、0~2匹!メダイ4~5kg、船中4匹!メジナ、チカメキントキ、イサキ、大サバ多数と、上々の釣果になった。
これからについて大野利広船長に聞いてみた。
船長「今日は潮の流れが早く、二枚潮とサバの猛攻で釣り辛かった。カモシ釣りはゆったり流れる潮の方が釣りやすい。そのため、潮が落ち着くこれからが本番となるでしょう!釣れれば魚は大きいです!ヒラマサは今後も期待十分!マダイの乗っ込みもまだしばらく続きそうです!大物ゲットも夢ではありません!チャレンジお待ちしています!」
この記事を書いたライター
0mの海面から水深1,000mの超深海までのレンジで、数cmのハゼやキスから、イカ・タコの軟体動物、数十kgのキハダやベニアコウまでの様々な魚を狙うフィッシング・ライター。
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