東京都の伝統工芸士、江戸和竿師・竿中師匠
2021年3月、「東京都の伝統工芸士」として認定を受けた江戸和竿師・竿中師匠こと中台泰夫さん。今年で竿師になって45年を迎える『竿中工房』の当主である。その竿中師匠を中心に有志が集まって企画されたのが、普段は出番が少ない“水雷竿”でハゼ釣りを楽しむ会が「水雷会」である。
釣り場は隅田川河口近くの朝潮運河
この日の朝、気温は6℃、随分と寒くなって来た。そんな中で集まった16人は東京・下町、深川の船宿から出船。釣り場まで僅か7、8分の隅田川河口近くの朝潮運河へ。同船宿の僚船2隻共に高層マンション立ち並ぶ月島界隈をバックに水深3m前後から釣り始めた。隅田川は、江戸の昔は「大川」と呼ばれ、そこで釣れるハゼは日本一!と言われる程味がよく、現代でも江戸前天ぷらの「最高峰のネタ」として知られている。
腕に覚えの強者揃い!
気温、水温が下がるこの時期のハゼは、独特の“乗り”でアタリを取るスタイルが主流となる。「夏ハゼ」の延長線上である晩夏、秋のような強烈なアタリは滅多に来ない。しかし、この日の乗船者の大半は腕に覚えの強者揃い。各自それぞれの誘い方で釣りに集中している。勿論、使用する竿は『竿中』特注の“水雷竿”が居並んでいた。ベテラン諸氏のアタリの取り方は“沈黙のワンフィンガー誘い”、“ハニーキラー誘い”、“9/1の誘い”、“酔拳誘い”等々と枚挙にいとまがない。
トップ151匹の好成績!
前半は絶好調だったが、昼の潮変わりに若干食いが渋くなった。そこで船は、豊洲運河へ移動したが、そこでは再び好調に釣り続け、トップの釣果151匹の好成績は流石。束越え(100匹以上)も3人出た。初参加の女性も健闘し、参加者の笑い声も高らかに初冬のお江戸の空に響き渡っていた。
タックル、仕掛け
“水雷竿”使用。オモリ3、4号、袖バリ5~7号、青イソメ餌。現代版「大都会隠居術」夢枕獏著。の実践と言える“大川”でのハゼ釣り。年末までのシーズン中に出掛けてみては如何だろう。※乗合船も出ている。
施設等関連情報
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