気温の上昇を待って、遅めの始動に……
気温が上昇する午前10時30分過ぎに入渓した。この日の気温は16℃。しかし、岩陰には残雪が見られる。「釣れても真っ黒なサビアマゴかな?」。まずは1匹、顔が見たい。
本谷川は落差こそあまりないが、河原の石はコケが多く滑りやすい。周辺はワサビ田が多く、流れの中を遡行する場所が多いので、足回りの装備は万全にしておく必要がある。特に早期は枯れ葉が多いので注意が必要だ。
実釣開始。水温9℃。アマゴが毛バリにアタックする温度だ。気温が上がり、河原に風が吹き出す前にアマゴの顔を見たいのだが、アタリなし。水中に魚影はない。シーズン早期に魚が集まる堰堤の落ち込みを狙っても反応なし。河原で天然?シイタケを見付けて気分はよいが、やはりアマゴの顔が見たい。
半年ぶりに対面を果たしたものの
12時10分、歩き始めて約1時間半。友人が10cmくらいの極小アマゴを掛けた。中瀬の緩やかな石の下から水面に出たとのこと。
久しぶりの対面、綺麗な魚体で思わずニッコリ。ここからやる気が出る。山が深い上流部の渓流では、どこでもバンバンアタることは少なく、魚が水面にアタックする領域と、まるで無反応の領域に分かれていることが多い。「ここからだ」と、より慎重に遡行を始めた。
この時期は支流より本流を遡行したほうが得策
一般に漁業協同組合(漁協)が、魚を放流する場所は本流筋が多い。上流部の沢筋には車の入れる林道が少ないからだ。必然的に上流部は天然魚が多く、この日も昨秋生まれた2cmくらいの稚魚が、石の下で泳いでいるのが見えた。ちなみに、雑誌などに、「杣道(樵やワサビ畑に続く道)で下山できる」という記事を見かけるが、最近は高齢化が進み、山で働く人も少なくなって林道は荒廃している箇所が多いので、充分な情報収集とそれに伴う準備をしたい。
この日のタックルは、3mのテンカラ竿に、同じ長さのレベルライン4~3号、ハリスはフロロカーボン0.8~1号約1m(私はヤビキ=約1m)。毛バリはフライフック#14にハックルと僅かにボディを巻いたものを使用。カラー、素材は特別なものではないが、この時期、ハックルがハリよりも長いものは使用しない。
堰堤下の溜まり等、流れの緩いポイントでアタリ
気温が上昇してきた12時45分過ぎから、石の下や堰堤下の溜まりで16~18cm級の綺麗なアマゴが飛び出してくるようになった。「このままこの状況が続けば、夕マヅメ時は期待できる」と思ったのだが…。15時過ぎから北風が強くなり、加えて本格的に雨が降り出してきたので、この日の釣り(テンカラ)を終了することにした。
綺麗なアマゴは全てリリース。またの再開までアマゴたちとお別れということで湯ヶ島を後にした。今シーズンも狩野川は我々を楽しませてくれそうだ。
施設等情報
施設等関連情報
浄蓮の滝周辺 入渓ポイントと終了ポイントは事前に調査しておくこと。
ワサビ田には危険回避以外立ち入らない、駐車スペースは各自で探すこと。地元の方々の邪魔をしないようにしたい。
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。