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<良型揃いのカサゴゲーム>根周りを狙うテクニカルな釣り!久里浜沖で大興奮!神奈川県久比里『巳之助丸』

2025年06月26日公開

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今回は大型も期待出来る沖の根周りを狙う「カサゴ釣り」をお届けする。船宿は久比里にある『巳之助丸』。カワハギ釣りで有名な船宿であるが、周辺の横須賀、久里浜沖には魅惑の根が点在し、カサゴを筆頭に、様々なターゲットが狙えるエリアでもある。果たしてどんな展開になるのか!?

【この記事を書いたライター】山口 充

最寄りの「佐原IC」から夫婦橋を目指せ!電車でも駅から徒歩5分圏内

車の場合は最寄りが横浜横須賀道路「佐原IC」となり、そこから約10分。夫婦橋を目指し、渡ってすぐ右側にある「横須賀東部漁業組合久比里支所」脇を右折し、2つ目の切れ目に「みのすけ丸P」の看板があるので、そこに駐車する。受付は夫婦橋を渡った左側にある船宿事務所で行う。船は宿の前に停泊しているのですぐ乗船できるが、カワハギ船やビシアジ船など様々な釣り物があるのでお間違えのないように。

また電車でのアクセスも良く、京浜急行「京急久里浜駅」、JR横須賀線「久里浜駅」から共に徒歩約5分。

先調子の竿で根掛かり回避!

次にタックルについて。ライトゲーム用の7対3の調子の竿と、小型の両軸リールと組み合わせたものを用意。竿については“先調子”の方が細かいアタリがとれるうえに、根周りを狙う釣りということで“岩に当たっている感触”が把握しやすく、根掛かりを回避しやすい。また、根や岩に当たっても鈍らない「ネムリ」の形状の針が採用された仕掛けを使うため、先調子の竿でしっかりと針掛かりさせることが釣果アップに繋がる。

道糸はPE2号以下。仕掛けは2本針でハリスは2~2.5号、長さは25~30cm。オモリは25号を使用。エサはサバの切り身と、小さいハゼエサが配られる。ハゼは上の針に付けることでアピール力がアップ。なお、暑いシーズンはエサが痛みやすいので、クーラーに入れておいて使う分だけ出すとよい。

 

沖の根周りに潜む良型カサゴを狙い撃ち!

メインターゲットとなる「カサゴ」は湾奥エリアなどでも狙えるが、今回はそれとは異なるシチュエーション。防波堤やストラクチャー周りのパターンではなく、沖の根周りを狙う。そのため型がよく、カサゴのみならず魅力的なゲストフィッシュにも期待が持てる。

到着して駐車場に車を停めた後、大船頭の臼井美喜男さんに挨拶すると「今日はベテランの常連さんたちが多いので、よろしくね」とのこと。その後、エサとバケツを受け取ると、ラットが下げられ、久比里船名物“橋ギリギリのアトラクション”をクリアして久里浜沖へ。航程約20分でポイントに到着。エサのハゼを上部に、サバを下に付け船長の合図で釣りスタートとなった。

水深は12~15m。ベテラン釣り師の所作を拝見すると、底に着いたら竿を上げ、いったん根を交わしオモリを再着底させていた。するとすぐにアタリがあり、良型カサゴが上がった。

アタリ自体は多いものの、エサのサイズと型の影響からヒットにまで至らない場面も見られたが、掛かれば良型といったところである。

良型のゲストフィッシュも登場!

船長は細かくポイントを入れ替えてくれる。アタリが遠くなると潮回りを繰り返し、その間、時折大きいアタリが出て良型カサゴがヒットする。キープするカサゴのアベレージも大きく、バケツはあっという間に一杯に。「今日はカサゴのお刺身だ。小さいのも唐揚げにしよう」と嬉しそうな釣り人。「美味しい魚なんだけれど市場で買えば良いお値段で買えないしね」と笑顔だ。

順調に釣果が上がり、右舷ではなんと良型のキジハタも顔を出した。さらに、海面には大きなイワシのナブラが発生するシーンも見られた。久里浜沖の根周りは何が起こるかわからない楽しさがある。ほかにも、ササノハベラや黒メバルなどの釣果もあったが、圧倒的にカサゴが掛かる確率が高く、まさに絶好調である。

それからしばらくすると、細かいアタリが多くなった。このタイミングで上針と下針共にハゼエサを付けた釣り人がいたが、カサゴのみがヒットしていた。ただし、小ぶりな個体も混ざるので、数よりもサイズを狙うのであれば、下針はサバの切り身エサの方が良いかもしれない。サバの切り身は、ハサミでサイズ調整も可能だ。魚のサイズやシチュエーションに合わせてカットすると、ヒット率が高くなることもある。

カワハギにホウボウも

後半は記者も竿を出してみることに。オモリが着底したらすぐに竿を立て、1mほどタナを切るので、ゆっくりと竿を下げ、オモリが底に着く感触を掴む。岩や根がオモリに当たるようになったら底スレスレを狙って調整していく。その際、背の高い根が出てきたら、再び竿を立てて探る。そして、スピードをスローに戻した瞬間、一気にアタリが出て良型のカサゴがヒットした!水深が浅い場所だったせいか、強い引きも存分に楽しむことができた。

しばらくすると、潮の流れが早くなってきた。この場合、斜めに仕掛けが入るので根掛かりの可能性も高くなるが、上針のエサが底に近くなりアピール力が向上する。チャンスと見て仕掛けを投入すると、なんと良型のダブル釣果。その後、さらに大きなアタリが続く!「大事にね。ゆっくり上げてきていいから」と船長。やりとりの末、船上には見事なホウボウが上がった。嬉しいゲストフィッシュだ。

カサゴのアベレージサイズが下がってきたところで、アシカ島付近のポイントに移動した。水深はなんと5m前後。極めてシャロ―なポイントであったが、ここでは入れ喰いタイムあり、大型カワハギが登場するなど大盛況。常連さんも「疲れたので終了!」と笑顔で早上がりとなった。

トップは80匹で大半が50匹以上の大釣りで終了。久里浜沖のポテンシャルは凄いの一言。今回乗船したメンバーはベテランが多かったが、カサゴ釣りはビギナーやファミリーでも楽しめるお手軽な釣り物である。今夏、盛り上がり必至の船カサゴ、ぜひチャレンジしていただきたい。

今回利用した釣り船

神奈川県久比里港 『巳之助丸』
住所:神奈川県横須賀市久比里1-1-4
電話:046-841-1089
定休日:毎週水曜日 釣果・施設情報 巳之助丸ホームページ

出船データ

カサゴ乗合※要予約
出船:午前7時00分(出船時間は船宿確認)
料金:10000円(サバの切り身・ハゼ餌・氷付き)
※小中高生・女性割引あり
レンタル:貸竿(手巻き 300円)
※詳細はお問い合わせ
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

山口 充
プロアングラーとしてテレビ出演、企画、撮影、雑誌執筆やカメラマンをこなしながら「旅と釣り」をテーマに日本中を釣り歩く。公益財団法人日本釣振興会神奈川県支部長・普及振興委員会。2016年JGFA・MVPアングラーズアワード受賞。伝統の和竿「横浜竿」を使い、2020年IGFAタチウオ世界記録を獲得。
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