帯島の地磯で第1投。真下は「青函トンネル」
津軽半島の北端、龍飛崎に到着したのはやや遅めの午前7時半過ぎ。日曜日ということもあって、各ポイントには既に多くのアングラーが入っていた。ここ龍飛崎を含む三厩地区には「源義経北方伝説」が多く残っている。付近には義経一行が津軽海峡を海渡した際、身に付けていた甲冑などが捨てられて岩や島になったという伝説の「甲岩」、「鎧岩」などがある。
今回釣行した龍飛崎の最北端「帯島」もそのひとつだ。島とはいえ、今は道路も繋がっていて、車での乗り入れも可能だ。この帯島の地下240mには、約54kmの「青函トンネル」が通り、北海道新幹線と貨物列車が本州と北海道を結んでいる。駐車スペースから徒歩5分程で地磯に到着。磯場突端にはルアー釣りの先行者の姿。その好ポイントからは離れるが、奥まったワンド側に釣り座を構えた。希望としては、潮通しのよい先端部に釣り座を構えようと思っていたので多少の不満がある。コマセとタックルの用意を整えて、午前8時頃に気を取り直して第1投。
予想外の無反応。口を使わせるまでのフカセゲームが面白い!
ウキはB、半遊動仕掛けにして3尋(約4.5m)でスタートした。海況を見ながら仕掛けを流していると、先端付近にいたルアーマンにホッケが立て続けにヒットしている。近くに群れがいるのは、間違いなし。「やはり潮通しのよい先端部は魚が多いなぁ」。そんなことを考えながら、こちらはというとウキに反応はなく、付け餌のオキアミもそのまま残っている。「まっ、1投目から入れ喰いはないか」。付け餌とコマセの同調を意識しながら、手返しを繰り返したが状況は変わらない。
セオリー通りタナを深くしていく。既に7~8mまで探っているがアタリなし。このポイントは12~13mの水深がある。「もっと深いタナなのか…それとも逆に浅いタナなのか?」。第1投から15分程、コマセも効いてきた頃合いだ。一気に2尋まで上げて様子を見るが状況は変わらない。ここで先端部のルアーマンを再見すると、着水後のカウントとラインの角度から見て、結構深い層をリフト&フォールしているようだ。そこでウキを3Bに変更し、10mの深タナ狙いに移行したところでファーストヒット。35cm程のホッケが上がってきた。とりあえず、まぁまぁのサイズだ。とはいえ、「こんなにもタナが深いのか…?」。コマセで上手くコントロール出来れば、もっと浅いタナで入れ喰いになると思うのだが…。そうなったらその後でサイズアップを狙おう。
狙いが見事的中! 数と型が上向きに
1匹目の状況から、自分のポイントでは魚の数があまり出ないように感じた。そこで、潮筋に近い沖目にコマセをやや遠投。そこから足下に繋がるように縦線状にコマセを入れて、潮筋付近の群れを足下に誘い込むことにした。結果はすぐに出て、数投後からは入れ喰い状態。2尋位まで喰い上がっての捕食。サイズは35cm前後が中心だが、中には30cmに満たないものまで交じる。大・小さまざまなホッケがコマセに乱舞して我先にと喰い争っている。先程までとは明らかに違う。状況が好転したのだ。作戦成功!あとはサイズアップを課題に、前回釣行で成功した軽めの「00」ウキに変更。「さぁ~どうだ」。
ヒットしてくるホッケはひと回り大きい40cmを超える良型になった。ひとまず、このまま入れ喰い状態を楽しむ。暫くすると、次第にアタリが渋くなり、アタリがあってもハリ掛かりしなくなってきた。どうも「00」ウキでは魚に与える抵抗がなさ過ぎるようだ。ここで「0」に変更。「00」より若干浮力があり、魚に与える抵抗もあるためか、“前アタリ”の後、綺麗にウキを消し込んだ。こうしてフッキングしたホッケも40cmを超える良型だ。しかも1尋半の浅タナでのヒットのため、手返しも速くなって良型の数釣りが継続出来た。試しにガン玉を打ったBや2Bの仕掛けにすると、沈下速度が速く、付け餌が目立ち過ぎるためか小型が先に喰ってしまうことも判った。ホッケでも良型は警戒心が強いのか?
この日の体験が盛期の好結果に繋がるはずだ!
気が付けば午前10時30分を過ぎた。2時間程の入れ喰いを堪能したことになる。釣果は60尾を超えた。良型のみチョイスで、あとはリリース。ご近所さんにも御裾分けが出来る。午後からは高確率での雨予報、この日はここで納竿とした。
厳寒期と比べて海水温が上昇してくる春磯シーズンは、ホッケも群れを成して、サイズも大・小が混在する。その中から食べても美味しい良型に的を絞って狙うフカセゲームは、実に面白い。
龍飛崎周辺はこれから本格的な春磯シーズンの開幕を迎える。クロダイ、マダイ、メジナなどの磯上もの釣りの盛期はもうすぐそこだ。今日のホッケ釣りが、この先のシーズンの色々なシーンで活きることを期待したい。
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