“開店”は午前5時30分、太公望大集合!
“湾フグ”の老舗船宿『野毛屋釣船店』は、京浜急行線・金沢八景駅から徒歩10分、平潟湾を望む閑静な住宅街の中にある。取材日は平日にも関わらず“開店”前から待合所前には車の列が。アイドリングストップやドアの開け閉めなど、気配りを心掛けたい。“開店”すると船宿スタッフが車を回り、席札を取る番号を配布する。まずは店内の船形から席札を取って釣り座を確保し、スタッフの案内で車を駐車場所へ移動する。乗船カードを記入して受け付けで乗船料を支払い、氷もここで購入する。荷物は船着場までトラックで運んでくれるので、氷をクーラーに入れて預けてしまえば、あとは釣り竿だけを持って船着場へ向うのみなので楽チンだ。
船着場で基本のレクチャー
船着場には軽トラに預けた荷物が並べてあるので、それを持って乗船。トラフグ船は複数あるので、席札を取った船に乗るようご注意を。予約の釣り師全員が乗船した6時40分頃、行橋眞生船長からトラフグ釣りのレクチャー。ここでその時期有望なタナ(泳層の水深)や釣り方の説明、魚の扱い方に関する説明があるので、聴き逃しの無いよう注意しよう。ショウサイフグのカットウ釣りとは似て非なる釣りなので、トラフグ初挑戦の際はフグ釣りの経験者ほど注意が必要だ。取材前日に5.3kgのトラフグを釣った“ビッグ・キャプテン”こと黒川勇治大船長に見送られ、『野毛屋釣船店』の「第一忠丸」は定刻7時に出船した。
一流し目から0.5kg、2.5kgと来て…!
穏やかな東京湾を走ること50分程で久里浜沖に到着。魚群探知機で反応を捜して待つこと暫し、船長の「じゃあ8時になりましたんで始めます、どうぞー!」のアナウンスでスタート。期待の一流し目、最初に竿を曲げたのは左舷胴の間(中央)の井口さん。0.5kgクラスの“本命”トラフグ。僚船でも同型が上がり、出足快調。程なくして右舷トモの川延さんにアタリ。ずっしりとした重量感で竿を曲げた魚は2.5kgの良型。潮の流れが速く、オマツリ防止策としてオモリはナツメ型ではなく丸形を使うよう船長からアナウンス。仕掛けの統一が図られた。
遂に出た、5.26kgの特大サイズ!
暫く根気の試される時間があったが、左舷ミヨシ(船首)寄りの横手さんにヒット。取り込まれたのは4.3kg、オスのトラフグ。これは良い日に取材に来たと思う間もなく、左舷トモ(船尾)寄りの山本さんにヒット。ゴンゴンと引き込む猛烈なファイトの末に玉網に収まったのは5.26kg、53cmの特大サイズ。ワイヤーカッターさながらの歯をギリギリ軋ませる大物に「口、マジ気を付けてね」と注意を促す船長の口元にも快心の笑みがこぼれた。
その後も指示ダナの釣りでポツリポツリと上がった。特筆なのはその型の良さで、アベレージは1.5kgから3kgクラスと良型揃い。釣り座による釣果の偏重は見受けられなかった。
船長に訊く、トラフグ釣りのアドバイス
「第一忠丸」の行橋眞生(ゆきはし まき)船長にトラフグ釣りについて訊いたところ、まず大前提としてシーズン序盤は中層を泳いでいる個体を狙い、後半は産卵を意識した底の反応を狙うので釣り方が異なることを教えてくれた。「釣り方に関しては毎朝のレクチャーを聴いて欲しい。この時期は海面からの指示ダナの釣りだから、マーカー付きの道糸を使うのは必ず。太さは出来たらPE1号。細くても0.8号で」とのこと。仕掛けは船で購入出来るので、初めての際はこれを使うのがお薦めだ。また、朝のレクチャーでも、取り込み後も船長が念を押すのは“噛まれないよう注意する”こと。多魚種のような「イテテ」では済まされない大怪我になるので、魚を掴んで抑えるためのタオル等とハリ外しのプライヤーは必携。桶に入れて活かしている間や、沖上がり時の血抜きの際も、くれぐれもご注意頂きたい。
大注目の東京湾トラフグ、今シーズンは型がいい!
かくして、この日の竿頭は3.3kgを頭に3匹を獲った山下さん。「釣れた獲物は免許を持った船長が帰港後に可食部分のみの棒身(身欠き)にしてくれるので安心かつ帰宅後の調理もお手軽だ。『野毛屋釣船店』は完全予約制で、最大3隻までトラフグに配船出来るので、人気集中とは言え「乗れるの?」の心配はほぼ無用だ。「去年と比べると大きいのが多い」と船長も太鼓判の東京湾トラフグ。思い立ったからまず電話を。
施設等情報
施設等関連情報
乗船料金:1万円(餌付き・氷別220円)
※女性・高校生9,000円/小中学生5,000円
駐車料金:500円
出船時間:午前7:00
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。