千葉県・手賀沼で「真夏の小物釣り」!

千葉県北部に位置する手賀沼は、柏市、我孫子市、白井市、印西市にまたがる利根川水系の湖沼。一時は水質汚染全国ワースト1となっていたが、各方面の水質対策により、少しずつ改善されている。昨年、周辺のホソ(農業用水路)で楽しんだギンブナ(マブナ)、タナゴ、モツゴ(クチボソ)の状況を見に今回も師匠と仰ぐ、古山輝男さんに同行して頂いて出掛けた。

淡水
  • 千葉県 手賀沼

まずは地元で情報収集

我孫子市にあるタナゴ釣りに特化した専門店『淡水小物釣具工房 たなきち』にお邪魔した。普段から竿やウキ、仕掛けとオリジナルグルテンを買いに寄っている。店長で浮き師の“育房”こと田中育男さん(67)に今夏の様子を伺った。「まあまあ、釣れてますよ!1時間で3cm前後のタイリクバラタナゴ(通称、オカメ)が20匹前後ですかね」。釣れている場所は手賀沼から東に延びている手賀川の水門周り。スマホの地図で場所を教わり、仕掛けとグルテンを調達して店を後にした。

『たなきち』の店構え
店長の田中さん
芸術品のような道具類
水槽には数種類のタナゴ

釣りの前にフィッシングセンターを見学!

田中さんに教えてもらった釣り場へ行く途中に『手賀沼フィッシングセンター』がある。『手賀沼漁業協同組合』が運営している。折角なので、寄ることにした。この日は日曜日、ニジマスの釣り堀は多くの家族連れで賑わっていた。小さい子供は、金魚釣りを楽しんでいる。アユの塩焼きも販売しており、ドッグランやバーベキューも出来るので一日でも遊べるかも知れない。

『手賀沼フィッシングセンター』
ニジマスの釣り堀
アユの塩焼きも販売
金魚の釣り堀
曙橋

猛暑の中でも魚は元気!

フィッシングセンター側から曙橋を渡り、左折すると手賀川に沿った道。水道橋と浅間橋の間にある数か所の水門を見ながら、ポイントをチェック。良さそうな場所を見つけて車を端に寄せた。土手の上から周囲を見渡すと魚が居そうなホソ(農業用水路)がある。まずは小ブナ狙いで始めることにした。
初めての場所では、コイやフナなど大きい魚に穂先を持っていかれないように和竿は使わず、振り出し竿を使うようにしている。竿は1.5~2.1m。道糸は0.3号のナイロン。親ウキの下にシモリウキが5、6個付いた段差のある2本バリ仕掛けを用意。餌の赤虫1匹をチョン掛けし、ウキを水深に合わせて探ってみる。
先に釣っていた古山師匠が「いるいる!」と、ウキの様子をじっと見ている。アタリがあったようだ。ウキが沈み込み、合わせると7cm前後のギンブナを抜き上げた。カメラに収め、当方も釣り開始。水深は50cm前後。水生植物周りの魚が隠れやすい日陰に落とし込む。すぐさま“ツンツン”とアタリ!しかし、合わせても乗らない。下バリの餌が無くなっている。続けて同じポイントへ打ち込んでみる。今度はすぐに合わせず向こう合わせでやっと釣り上げたのは、4cm級のクチボソだった。掛かったハリはタナゴバリ。「この小型が餌をなめていたのか」、道理で乗らないはずだ。赤虫餌だとギンブナより先にクチボソが喰ってしまうようだ。2、3匹のギンブナがやっとの思いで釣れたところでタナゴ釣りに切り替えた。

田んぼのホソではギンブナ
ギンブナ
2本バリは一荷で釣れる

タナゴ狙いでもクチボソの猛攻!

『たなきち』で教わった、土手を挟んで反対側の手賀川の水門周りでタナゴの様子を探ってみた。ここでは1.2mの振り出し竿に道糸0.2号のナイロン。ハリは極タナゴ1本のタナゴ仕掛け。餌はタナゴグルテン。始めはいつも通りグルテンを多めに付けて、魚を集めることに専念する。すぐさまアタリがあり、餌のグルテンが無くなっている。これを暫く繰り返していると魚が寄ってくる。そしてグルテンをハリ先に小さく丸め込み、ウキのアタリに集中する。かすかなアタリに合わせると産卵管が出ているメスのオカメが釣れて来た。しかし、ここでもクチボソの猛攻だ!タナゴ1匹を釣り上げる間にクチボソが5匹ぐらい掛かってくる。根気よく場所やタナの深さを変えて対応する。そんな中、美しい魚体のカネヒラ(5cm級)が釣れてくれた。釣り始めは誰もいなかった場所だったが、暫くすると釣り人が来て挨拶してくれた。「こちらで釣らせて貰ってよろしいですか?」。当方も「どうぞ、どうぞ、お好きな所で釣ってください」と返しながら、「手賀沼のタナゴ釣り師は礼儀正しい人が多いな!」と、気持ち良く釣りが楽しめた一日に感謝しながら釣り場を後にした。

※千葉県からのお知らせ
 ■手賀沼で釣りをする皆さまへ(放射性物質関係)
・採捕したものは、できるだけその場で放してください。
・持ち帰る場合は、販売や食用としないでください。
・他の河川等に放流しないでください。

手賀川
水門
メスのバラタナゴ
小ブナ用2本バリ
タナゴ仕掛け

施設等情報

■『たなきち』(淡水小物釣具工房)
〒270-1153千葉県我孫子市緑2-11-33-103
TEL:047-197-3457
たなきちホームページ
■手賀沼フィッシングセンター
〒270-1451千葉県柏市曙橋字若鮎1
TEL:047-185-2424 手賀沼フィッシングセンター

施設等関連情報

■『たなきち』
JR常磐線・我孫子駅より約15分、バス:我孫子駅南口1番バス乗り場から「若松」で下車
営業時間:11:00~19:00、定休日:火・水曜日(夏季休業あり)
■手賀沼フィッシングセンター
JR常磐線・天王台駅、またはJR成田線・湖北駅よりバス「湖北台6丁目」バス諦より徒歩約15分
月、火曜日定休(祝日が低級の場合は翌日が休み)

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

小金井 考和 FJC日本釣りジャーナリスト協議会(鈴木康友会長)会員。地方新聞「千葉日報」を定年退職後も釣り欄のレポートや告知記事を執筆。地元の千葉県を中心に、茨城県や埼玉県などで釣行。おもに小物釣り(小ブナとタナゴ、ハゼやテナガエビなど)を楽しむ。

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