今季初釣行から2週間、アユの“桃源郷”は健在!

近年稀に見る絶好調のアユ河川、岐阜県・飛騨の高原川。今シーズン初の高原川釣行から2週間。「釣ってよし!食べてよし!釣果よし!」の感動のアユを忘れられず、今回再びアユの“桃源郷”へと向かった。更に成長した“高原アユ”が、私の夏休み初日を大いに盛り上げてくれた。

淡水
  • 岐阜県 高原川

こんな遠くの川なのに…多くの知り合いと再会

例のように仕事を終えてすぐの出発!お盆休み初日とあって、夜遅い時間にも高速道路は渋滞。この先に“高原アユ”が待っていてくれると思うと、渋滞も何のその。いつもより1時間増しのドライブで奥飛騨に到着した。仮眠を取ろうと“道の駅”に寄ると、ここも混雑。「“こりゃ~、川も混んでいるかな~?”」と、思いながら眠りについた。
午前5時起床。外は小雨。これは想定内。天気予報ではこれから天気がよくなる。まずはコンビニに寄って朝食を調達。すると、隣の車から男性が降りて来て明らかにこちらを見ている。マスク姿だったので「ん、誰?」と、思っていると、何と静岡の川でよくお会いする釣り師さんだった。「わ~、来てたんですね~。こんなところでお会いするとは…」。暫しの情報交換。
私達は前回もお世話になった『オトリ屋もんじろう』へと向かった。オトリ屋さんに着くと大盛況。車が何台も停まっている。「夏休みだね~」。大人達が本当に楽しそうな顔をしている。よく見るとその顔ぶれの中にどこかで見たことのある顔が…。またしても「わ~、来てたんですね~」。今度は神奈川の川や大会でよくお会いする釣り人。「知り合いに会うの今日2人目です」と、話していると、車が1台入って来た。すると何と何と、今度は新潟でよくお会いする釣り人ではないか。駐車場は驚きの笑顔で溢れた。「こんなことあるのだな~」。これだけの釣り人が情報を集め、最高の夏休みにするべくここに辿り着いたのだ。自分がここにいた事がちょっと嬉しくなった。
さあさあ!日釣り券、オトリを購入して、釣り人たちは思い思いのポイントへと散った。「皆が楽しい一日となりますように!」。私はそんな思いで彼らを送り出した。最後に残った私達はオトリ屋さんに相談。この前とは違うポイントで竿を出したかったので、新たなお薦めポイントを聞く事に。すると「少しお客さんも落ち着いて来たので、ポイントを案内するよ」と言うではないか。前回も思ったが、本当に「お客さんに楽しんでほしい!」という気持ちが伝わって来る。早速車に乗せて貰い、数ヵ所のポイントを案内して貰った。どのポイントもよさそうで、どこに入ってよいのか益々迷ってしまった。

午後から覚醒!アユがあっちこっちから飛びつきじゃ~!
夏休み中ということもあって川は釣り人で一杯だ。この日は浅井田ダムから下流は濁りが入っているそうで、当然の事だが濁りを避けられる上流が人気になっていた。しかし、私達はのんびり釣りをしたいので、濁りはあったが下流からスタートした。前日から来ていた友人との集合場所、船津座ポイントに到着した。ん~、中々の濁りである。「まあ釣りが出来ないほどではないしやってみるか!」という事で準備開始。

ただいま!オトリ屋さん
オトリ屋さんも夏休みで大盛況!
前日から来ている友人とポイントで待ち合わせ
船津座前ポイントは階段もあって入川が簡単だ
ダム下のポイントは赤濁りだった

ポツリ、ポツリと掛かったが…

船津座前の瀬肩、瀬、瀬落ちとそれぞれ分かれてのスタート。濁りで水中は見にくいが、よく磨かれた黒い石が入っているのが見えたので、その周りを泳がせてみたが反応なし…。少しずつ下って探っていくが今一反応が悪い。ポツリ、ポツリとは掛かるが、高原川らしからぬペースである。
2時間程竿を出し、友人と再度合流。ここでポイント移動するか?この時点で濁りはかなり取れてきていて、水位もだいぶ下がっていた。丁度オトリ屋さんがポイントを見に来ていたので相談すると、「このままここがいいんじゃない」との事。反応の悪さに若干不安もあったが、その言葉を信じて、早めのランチを摂って午後へ備えた。 
前回訪れた時、午後は瀬がよく釣れた事もあり、長く続く瀬に上流、中流、下流に分かれスタートした。足元の流れを見ると濁りはほぼなくなりクリアになっていた。状況は上向きだ。ひと流し目。オトリは元気よく瀬の中へ走って行った。するとすぐにガッツン!スッコーン!午前中とはまるで状況が変わった。「これぞ!高原川のアユの引き」である。「“高原アユ”ちゃんやる気スイッチON!」。来ました!来ました!2匹目もどこからかすっ飛んで来たアユが掛けバリをひったくる。「たまらん!」。瀬の中の小場所、小場所を探って行くと、どこでも反応がある。足元で掛かったアユは掛かる瞬間を目視出来た。この日帰路につく友人は14時までの釣りと言っていたのだが、川から上がる気配なし。「そりゃ~、この時合を逃すわけにゃ~いかんよね~」。時間も忘れ掛ける、そしてまた掛ける!入れ掛かりが夕暮れまで続いた。やはり高原川は凄い!

入れ掛りのスタートじゃ~
2匹目もすぐにカッ飛んできた!
友人も時間を忘れてこの時間を目一杯楽しむ
こっちも掛かったよ~
地元若手。これからの高原川を大いに盛り上げてくれるだろう
日釣券のチェックも~
今回も釣ったアユは美味しくいただきました~

束釣りの言葉に誘われて…、連日の高原川

今回は夏休み釣行。時間はたっぷりある。次の日も高原川に入った。「前日“束釣り(100匹以上)”が出たぞ~」との噂を聞き、それがどーしてもどーしても気になり“束”が出たポイントに行ってみた。ちょっとお天気が心配だった。雨、そして雷注意報が。天気図を見つつ充分に気をつけながらの釣りになった。朝は雨が強めに降っていたので、無理をせず“道の駅”でコーヒー片手にこの記事を書きながら、ゆっくりと雨が上がるのを待った。
午前9時、雨が上がったので釣り場へ。ポイントは高い橋があり、橋下は淵になりチャラ瀬、ジャラ瀬と続き、また淵があり、これを繰り返す。橋上流は落ち込みの荒瀬。その上流は瀬と開きの繰り返しである。見渡す限り、釣れそうなポイントが点在する。目移りしながらも、いつものように緩い瀬肩から。前日とは違い、朝の雨は影響せず水色はクリアで、アユが泳ぎ回っているのがよく見える。

橋上流部
橋下流部
流れの肩の緩い所から~この時点でアユが沢山見えている
透明度の高い美しい川である

1ヵ所で5匹も!

さあさあ「オトリちゃん行ってらっしゃい~」。オトリは流れに入り、元気よく上流に向かって行く。すると、この日は“高原アユ”のやる気スイッチが朝からON!対岸側からすっ飛んできた追星クッキリの美しい“湖産アユ”の登場だ。オトリアユの下を勢いよく通り過ぎたかと思うと、勢いよくイカリバリをひったくり、上流へと走った。流れはクリア。全てが見えるサイトフィッシングである。釣れたアユをオトリにして川へ放つと、またしても同じ場所で同じように掛かる。1ヵ所で5匹も釣れた。少しオトリを通す筋を変えてやれば、1ヵ所で複数のアユが掛かる。ところが…この入れ掛かりタイムになんと雷鳴。急いで竿をたたんで一旦車に避難。2時間もすると空は明るくなり、青空も出て来た。私は一緒に避難していた釣り人達と言葉を交わし、川へ戻った。
私は勿論、瀬肩で入れ掛りの続きの思惑である。相方は橋上の瀬へ。果たして…この休憩の2時間で入れ掛かりタイムは終わってしまったのか。しかし、オトリを送り出してみると、「いやいや“高原アユ”舐めんでください!」と言わんばかりに入れ掛りの再開だ。「まだまだ追いまっせ~!」。陽が暮れるまでやる気満々のアユが楽しませてくれた。上流の相方も良型のアユが連チャン!後に「強い瀬に持っていかれて引き抜きに苦労した」と、ニコニコしながら話していた。

今日は朝からいい感じ~
はい!また来たよ~
雷の後は青空が~
入れ掛かりは続いた!
喧嘩っ早いアユは何処からともなくすっ飛んでくる
瀬では良型のアユが強い引きを味あわせてくれた

雨・風・猛暑・雷・濁りにも負けない“高原アユ”!

高原川よ、最高の夏休みの幕開けをありがとう!雨ニモマケズ、風ニモマケズ、夏ノ暑サニモマケズ…。夏ど真ん中!“高原アユ”は多くの釣り人を楽しませてくれた。連日の多くの釣り人で多少場荒れはあるものの、まだまだ川には喧嘩っ早いアユが多く見られる。あともう少し…。この夏が終わるまで釣り人を笑顔にしてくれることだろう。

楽しい時間をありがとう~、また来るね~

施設等情報

■オトリ屋もんじろう
〒506-1145 岐阜県飛騨市神岡町釜崎384-2
TEL:0578-82-4338

■高原川漁業協同組合
〒506-1161 岐阜県飛騨市神岡町船津2132-23
TEL:0578-82-2115 高原川漁業協同組合ホームページ

施設等関連情報

「船津座前・あそぼ橋アクセス」
長野自動車道 松本ICから上高地・高山方面国道158号を進む
中部縦貫道平湯ICを直進・国道471号に入る
松本ICから約1時間半

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

SHOHEY 鮎にゾッコン!ずっと川に浸かっていたいと思う日々を過ごす。3~4月は渓流釣り、5~10月の休みは全てを鮎釣りに捧げ、全国各地を「鮎な夏!」で駆け巡る。主催するアウトドアの団体にて、キャンプや釣り初心者のためのイベントなども開催。

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