「メーカー担当者にしっかり聞いた」サワラロッドカタログ2022 PART3

今年もサワラは好調が伝えられている! サワラ釣りに一度行くと「もっとサワラに向いたロッドが欲しい」と思ってしまう人が少なくないのでは? その答えはきっとこの記事を読めば見つかるはず! ネットやカタログからの丸写しではない「メーカー担当者にしっかり聞いた」生の声で、イマドキのサワラロッドを徹底解説。ジャッカルは近日発売予定の新製品「スクランバ」を大公開! PART1、PART2も併せて読んで、最良の1本を見つけてください。

ソルト

DAIWA:湾口のボートサワラゲームには、ソルティガとアウトレイジ。

DAIWAの対サワラロッドは、サワラ専用ではない。しかし、オフショアロッドに求められる類型をほぼ網羅しているので、当然サワラに照準を合わせているモデルもある。しかも、一口にボートサワラロッドといっても、湾内と湾口では求められる質が変わってくる。まずは、湾口のサワラゲームに適したオフショアカテゴリーのサワラ対応ロッドを、担当の金満さんから2本紹介してもらった。
「最上位機種のソルティガから1本、アウトレイジから1本ですね。アウトレイジはキャタリナの後継シリーズです」
どちらも、高いグレードのシリーズだ。

●ソルティガC 84-2.5(DAIWA)
「サワラ用とは書いていませんが、狙いはサワラで作っています。関東でいうと、東京湾口や相模湾でナブラ撃ちをするときのミノー用ですね。オーバーヘッドで遠投できるように84という長さにしました」
 25~50gのヘビーシンキングミノーをフルキャストできる設定。サワラは足元に寄せてからの突っ込みが激しいので、寄せてきてからもしっかりしなってくれる調子にしてある。
「一般的なロッドには曲がりが止まるストッピングポイントがあるんですけど、このロッドはあえて明確なストッピングポイントを設けていないんです」
そのためしっかり曲がりこむので、バラシが少ない。バット自体は強力なので、5~6kgのカツオがかかっても、無理なく上げられる。

SPEC 全長:2m54cm。自重:225g。適合ライン:(PE)MAX2.5号。適合ルアーウエイト:MAX55g。継数:2。価格:63,800円(税込)

●アウトレイジC76-2(DAIWA)
サワラをはじめとして、ワラサ、シイラなどを、30~50gのルアーで狙う際に使いやすいロッド。特にサワラ狙いのブレードジギングなら、長めのリアグリップをしっかり脇に挟んで、安定感のあるリトリーブができる。
「飛距離を意識して76というレングスにしました。ミノーも使えるし、東京湾だったらこれ1本で行けますね」

アウトレイジC76-2(DAIWA) 全長:2.29m。自重:215g。適合ライン:(PE)MAX2号。適合ルアーウエイト:MAX50g。継数:2。価格:44,880円(税込)
アウトレイジで仕留めたサワラ

DAIWA:湾内主眼のサワラゲームはボートシーバス派生系の3本

「湾内のサワラには、ボートシーバスロッドがなじみやすいです」
DAIWAの担当者、多賀さんはそう切り出した。湾内から湾奥のサワラゲームには、青物系のオフショアロッドよりも、ボートシーバスロッドをパワーアップさせたモデルが使いやすいようだ。DAIWAの場合は、ラテオBS、ラブラックスBS、デッキアクターの3シリーズに、7フィート強のMHSがあり、どれもがサワラに適するロッドとなっている。

●ラテオBS 72MHS(DAIWA)
「もともと秋シーズンのミノー遠投用に作られたロッドなので、ランカーシーバスだけでなく青物狙いにも使えます。なので、当然、サワラにも最適です」
ラテオはスタンダードなモデルなので、癖がなく、初心者から上級者まで使い手を選ばないシリーズだ。

●ラブラックスAGS BS 72MHS (DAIWA)
X45フルシールドのシャープなブランクスに、ガイドはAGSを採用。抜群の遠投能力と高い操作性を誇る。サワラの跳ねを狙い撃ちするなら、このロッドに任せたい。ティップ部がしなやかになっていて、ルアーがよく水を噛んでくれる1本。

●デッキアクター73MHS(DAIWA)
「汎用性が高いですね。PE1.5号くらいで、東京湾で何でも狙いましょう…みたいなロッドになっています」
サワラをはじめとして、ワラサ、カサゴ、クロダイ、ボートエギングまで対応。デッキアクターとは「甲板での役者」。様々な役柄を演じることのできるロッドなのだ。

ラテオBS 72MHS(DAIWA) 全長:2.18m。自重:115g。適合ライン:(PE)1.0~2.0号。適合ルアーウエイト:10~40g。継数:2。価格:32,450円(税込)(写真は69Mだが、外観の仕様は同じ)
ラブラックスAGS BS 72MHS (DAIWA) 全長:2.18m。自重:107g。適合ライン:(PE)1.0~2.0号。適合ルアーウエイト:10~40g。継数:2。価格:53,900円(税込)(写真は69Mだが、外観の仕様は同じ)
デッキアクター73MHS(DAIWA) 全長:2.21m。自重:110g。適合ライン:(PE)0.8~1.5号。適合ルアーウエイト:10~40g。継数:2。価格:31,350円(税込)

ゼニス:この価格でSiCガイドを実現! コスパに優れた良質サワラロッド。

サワラゲームの聖地ともいえる岩国。その同じ山口県の下関に本社がある「ゼニス」は海を知り尽くしたロッドメーカーだ。担当者の北峰さんは、東京湾や名古屋エリアでのサワラゲーム経験もあるスタッフ。「カレントライン・キャスティズム」からサワラ用として2本のモデルをピックアップしてくれた。
「CC-71LLと、CC-73Lですね。もともとサワラのボートゲームはシーバスロッドを流用する人が多かった。でも、重い30~40gのブレードジギングが流行りだしたので、シーバスロッドでは対応できなくなったんです。この2本の中でも、パワーのある73Lの方がサワラ用の基準となっていますね」
 税抜き価格が2万円台前半というのも大きな魅力だが、その価格帯にもかかわらずステンレスフレームのSiCガイドを採用。このコストパフォーマンスは素晴らしい。

●カレントライン・キャスティズムCC-71LL
ミノーなどプラグのキャスティングゲームに適するパワー設定。カレントライン・キャスティズム全体に言えることだが、初心者が一日じゅう使い倒しても疲れないように設計されている。

●カレントライン・キャスティズムCC-73L
特に愛知県での対サワラブレードジギングで、多くの支持を得ているロッド。パワーがあるので、タングステン製の40gクラスのブレードジグであっても楽に投げられる。最近のサワラボートゲームに最もフィットしている1本だ。

カレントライン・キャスティズムCC-71LL 全長:2.16m。自重:191g。適合ライン:(PE)0.8~2.0号。適合ルアーウエイト:10~30g。継数:2。価格:25,410円(税込)
カレントライン・キャスティズムCC-73L 全長:2.21m。自重:219g。適合ライン:(PE)1.0~3.0号。適合ルアーウエイト:15~40g。継数:2。価格26,015円(税込)

ジャッカル:発売前のサワラ特化モデル「スクランバ」3機種をスクープ!

ジャッカルでは、サワラに特化したロッドシリーズ「スクランバ」を年内に3機種発売する予定だ。つまりこの記事は発売前の先行公開!
「ビッグバッカーアンチョビードや、ビッグバッカーフォールトリックなど、サワラ用に使われる80~120㎜クラスのヘビーウエイトプラグに焦点を当てて、魚種をサワラに絞った専用設計です。サワラのサイズやシチュエーションに合わせて選べる3機種になっています」
担当の新保さんは、そう切り出した。3本のうち1本は吉岡進プロ、2本が杉山代悟プロというサワラのスペシャリストによる監修のもとに設計。太いリーダーを使用してもキャストフィールを損なわないガイド設定、リールシートのゆるみを防止するダブルロックシステムなど、かゆいところにもしっかり手が届いている。発売が待ち遠しい限りだ。

●スクランバ SC-S70L(ジャッカル)
東京湾でのスキルにも定評のある吉岡進プロ監修、繊細なティップと、魚の引きに追従するベリーとバットは、たとえなかなか釣れないような状況でも、貴重な1本をものにできる。東京湾で生まれたサワラロッドの新定番だ。

SPEC 全長:7フィート。自重:未定。適合ライン:(PE)MAX2号。適合ルアーウエイト:MAX45g。継数:2。価格:未定(税込)


●スクランバ SC-S73ML(ジャッカル)
静岡県で遊漁船の船長を務める杉山代悟プロ監修。
「乗合船の胴の間でも、トモ(船尾)であっても、アンダーキャストで投げられて、扱いやすいロッドです。バイトしてもはじきやすいサワラですが、しっかりハリを口の中に残すような繊細なティップを持っています」
大型のサワラが来ても安心のパワーを持ち、ジャーキングなどの操作性も高い。

SPEC 全長:7フィート3インチ。自重:未定。適合ライン:(PE)MAX2.5号。適合ルアーウエイト:MAX45g。継数:2(バットジョイント)。価格:未定(税込)

●スクランバ SC-S78M(ジャッカル)
こちらも杉山代悟プロ監修のロッド。パワーが強く、サワラのサイズが大きい時や、入れ食いになって手返しよくキャッチしたいときに活躍する。
「10キロクラスの特大のサワラや、5~6キロのカツオが来ても大丈夫です」
ただしレングスが長いので、ミヨシ(船首)に立ってオーバーヘッドで投げられるような、そんな状況を選んで使う。

SPEC 全長:7フィート8インチ。自重:未定。適合ライン:(PE)MAX3号。適合ルアーウエイト:MAX60g。継数:2(バットジョイント)。価格:未定(税込)

これはSC-S73ML。発売は年内を予定にしている。
ガイドはステンレスフレームSiC。太めのリーダーを結んだ際、当然ノットも大きくなるが、それを考慮して大きめの径で設定してある。
S73MLとS78Mは、リールシートのスクリューロックが、ダブルロックシステムになっていて、ファイト中のゆるみを防止。
スクランバのロゴ

サワラロッドカタログPART1~3遂に完結!

10月末から短期集中連載で掲載してきた「メーカー担当者にしっかり聞いた」サワラロッドカタログ2022も今回のPART3で完結!ぜひとも、PART1、PART2も併せてチェックしてください。実に11メーカー、合計28本ものサワラ用ボートロッドを紹介したことになります。初めてサワラ釣りに行った人は、多くの場合専用ロッドではなく、自分の持っていた別のロッドで釣りをします。そして、釣りから帰るとき、ほとんどの人は、「サワラ専用のロッドはどこに売ってる?」となってしまうのです。そんな迷えるサワラアングラーのために、この記事を捧げます。

●サワラロッドカタログ2022 PART1(レジットデザイン、テイルウォーク、ジャクソン、メガバス)
●サワラロッドカタログ2022 PART2(ピュアフィッシング、天龍、シマノ、パームス)

施設等関連情報

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

横沢 鉄平 フリーライター。ライフワークはバスフィッシングだが、ワカサギから世界の怪魚まで、すべての釣りを愛する男。ロッド&リールの「三匹が行く」、ルアーマガジンの「ドラマチックハンター」など、長期連載企画での出演経験も多数。キャンプ用品の「ヨコザワテッパン」考案者でもある。
YouTubeチャンネル「ヨコテツ」も、ささやかに継続中だ。

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