釣りビジョン

外房・片貝発のイサキ五目、スタート快調!千葉県片貝港『勇幸丸』

2025年05月07日公開

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千葉県・外房エリアのイサキ釣りは4月1日解禁。今シーズンも開始早々好調ムードとの情報を受け、片貝港『勇幸丸』から出船した。

片貝旧港の船着場に集合

『勇幸丸』が発着する片貝旧港は、圏央道・東金ICから車で約20分。船は岸壁に横付けされており、すぐ目の前に車を停めることができる。

午前3時頃、船に明かりがともり、船長が支度を始める。声掛けがあるまでは乗船せず、まずは乗船名簿に必要事項を記入し、氷1個を船宿クーラーから貰って待機する。その後、船長の案内に従い、到着順に乗船。各釣り座にはエサ、コマセ、魚桶がきれいに整えられていた。

取材当日の出船時間は午前4時を予定していたが、前日のシケによるうねりが残っていたため、様子を見つつ待機。その後、4時30分に『第二勇幸丸』は、夜明け前の海へと出港した。

竿入れからクライマックス!

片貝港を出港し、うねりの残る海を走ること1時間20分。太東沖に到着した。基本的な釣り方がアナウンスされ、やがて船長から投入の合図が出た。

最初の釣り場は水深23m前後、指示棚は20~17m。投入間もなく竿が曲がり、30cm級の良型が一荷(2尾掛け)で釣り上げられた。以降、船中のあちらこちらで竿が曲がり、型の良いイサキがダブル、トリプルで取り込まれていく。

この日は一日を通じて“ウリンボ”と呼ばれるような小型の個体は一切見られず、アベレージとなる25cm前後の塩焼きサイズが多く釣り上げられた。船長からアナウンスされる指示ダナを丹念に探るだけで、魚桶はみるみる充たされていった。

 

美味しい“ゲスト・フィッシュ”図鑑

イサキ五目では、様々なゲストフィッシュが狙えるのも大きな魅力。ということで、釣り上げられた魚種をいくつか紹介させていただきたい。

取材当日は9時過ぎにイサキ場を離れ、漁礁周りへ移動。ここでは良型のマアジやマサバが上がり、釣り人たちを楽しませた。

そして、イサキよりも上のタナにいるのがウルメイワシ。ハリ掛かりすると仕掛けを手前まつりさせる厄介者だが、食味は抜群。釣れたらぜひキープしておきたい。

さらに、イサキと同じタナで喰ってくるマハタはうれしい高級魚。強い引きに備え、ドラグを駆使して丁寧に取り込みたい。

ハナダイは低水温の影響か食い渋り気味だったが、型を見る程度には顔を見せてくれた。このほか、メバル、マダイ、ウマヅラハギなども混じるとのことだ。これらは潮や天候に左右されるため、日並み次第のお楽しみとなる。

ちなみに、ここまで紹介したゲストフィッシュはイサキと同じ仕掛けで狙える。付けエサを変えたり、誘い方を工夫したりしながら、その日の“当たりパターン”を探るのも、この釣りの楽しみのひとつと言えるだろう。

船長に訊く、イサキ五目のコツ

『勇幸丸』の市東吉雄船長に今シーズンの釣果予想を訊いた。

──例年に比べていかがですか?
市東船長「反応自体は多いですね。水温が上がり切らなくて、低水温がずっと続いてるんで、イサキにはちょっと足りない感じなんですけど、その割には良く釣れてますね」

──型も良いですね
市東船長「今日は特に根の高いところを狙ってたんで、ああいうタナの浅い所は型の良いのが出やすいですね」

──ずばりイサキ釣りのコツは?
市東船長「やっぱりタナを守ることですね。それさえ守っていれば何とかなっちゃいますんで。ウチの場合、基本的にイサキ狙いは指示したタナの間だけでお願いしてます」

釣り場では、船長から「21mから18m」といった指示ダナのアナウンスがある。その場合、海面から水深21mまでビシを沈め、そこから誘い上げながら18mまでを探っていく。仕掛けの長さや道糸の斜め入りを三角関数的に計算する必要はない。ラインに付いている1mごとのマーカーを頼りに、正確にタナを測ることが求められる。

重要なのは、指示されたタナ内にコマセを撒き、魚をその層に留めること。
これを厳守してこそ、船全体の釣果も安定する。
シンプルだが確実な基本を守ることが、イサキ攻略のカギと言えるだろう。

竿頭は規定数達成、最盛期はこれから!

かくしてこの日の竿頭は、規定数(50匹)を達成した滝口さん。惜しくも届かなかった釣り人も、良型を揃えてクーラーは満タン。スソ(※釣果の少なかった釣師)でも30匹をお土産に、笑顔の帰港となった。

抱卵直前のイサキは、まさに旬。定番の塩焼きや刺身はもちろん、煮付け、ムニエル、ホイル焼きなど、幅広い料理でその味を楽しめる。また、釣りビジョン「オトコの釣りメシ」で紹介された“酢締め”“炊かず飯”“塩煮”も絶品。ぜひお試しいただきたい。

釣り味も、食味も、最盛期はまさにこれから。2025年初夏、外房イサキの“旬”を、たっぷりと堪能して頂きたい。

今回利用した釣り船

千葉県片貝港『勇幸丸』
〒299-3201 千葉県大網白里市北今泉3404
TEL:0475-77-2594
定休日:第2・4金曜日 釣果・施設情報 勇幸丸ホームページ

出船データ

イサキ五目乗合(予約制)
乗船料金:税込み12,000円(付けエサ・コマセ・氷付き)
集合時間:午前4:00までに船着場へ
貸し竿:イサキ用は無料
船宿仕掛け:300円~
     
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この記事を書いたライター

川添 法臣
釣りビジョンAPC
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込む釣り好き。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
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