難易度が高い、砂岩?の川を釣り歩く!
入渓した川は幅約5m、砂岩?のような軟らかい石が削られた中を流れている。川幅が狭いため、人の存在を悟られやすいことに加え、兎に角歩きにくい。岩の上に苔が生えていてヌルヌル滑るのだ。私も1回転倒し、自慢のランディングネットがひん曲がった。そして、何よりルアーが根掛かりしやすい。岩が軟らかいため、トレブルフックでボトム付近を狙おうものなら、サクッと岩にフックが刺さり、即ロストになる。加えて水深も平均膝下位なので、ゴロゴロ落ちている石にも引っかかりやすい。小さいフィールドでのんびりと釣り歩こうと思っていたら、その想像を見事に裏切られてしまった…。ただし、小さめの滝、溜まり、瀬など様々なポイントが展開し、変化に富んだ釣りを楽しむことが出来た。
見切られ続け、ジリジリした時間が続く
今回の装備は、ロッド6ftに2000番のリール。ルアーは低水温を見越し、ボトムを見据えてミノー4g、スプーン5g、スピナー5g。川の規模にしては重めの物を用意した。
少し緩んだ流れの中に魚が見え、初めはクロスに投げてスプーンで狙う。しかし、魚はルアーを追っては見切り、また見切りの繰り返し。最後の喰いが渋い。追って来ているのが視認できるのに釣れないことほど、釣り人にとってもどかしいものはない。
次にブラウンは魚食性が高いと聞いたことがあるので、シルバーのミノーを投入。流心脇やバブルラインなど、色々探ってみたが反応なし。釣りを始めて30分くらいは我慢の時間だった。
プレッシャーの高い川なので仕方がない。こんなこともあろうかと、釣行前日にとっておきのミノーを仕込んでおいた。以前、ハイプレッシャーの川でニジマスを釣り上げた経験がある信頼できるシンキングミノーに、赤い油性ペンで「点」を書いておいたのだ。
この川は、ブラウンが非常に多いことは知っていた。そして、魚食性が高いブラウンが、この川で餌にしている魚とは…やはりブラウンなのではないか。ブラウンは共食いもすると聞いたとこがある。そう考えて、ブラウンに割と近いゴールド系のミノーに、ブラウンが持つ「紅点」をペンで入れて、よりブラウンに近いミノーにした。
その2投目。やっとブラウンがヒット!落ち込みがあり、プール状になっている場所をトゥイッチで誘った時だった。本当に“赤ペン効果”なのかどうかは不明だが、兎に角工夫して出した1匹は嬉しい。
この時期でもスピナーの効果はあるか?
釣れた安心感もあり、その後は4年以上愛用しているスピナーで狙うことに。正直、魚食性の高いブラウン、しかも水温が7℃と低いので、先程釣れたミノーでなければ厳しいかと思っていた。しかし、これがまたよい意味で期待を裏切った。
流心脇、石裏のポケットでそれぞれ1匹ずつと出会えたのだ。この時は、アップに投げて釣っていた。近年、ミノーを使った釣りが主流になっているため、魚がスピナーを見る機会が少ないのに加え、スピナーの派手なアクションに惹かれたのか、アタリも何度かあった。
ルアーに一工夫!根掛かりにフックの本数や向きを考えて
今回の釣行、最初はスプーンを使用した。先にも述べたが、フックが岩に掛かることが非常に気になった。そこで少々時間を要したが、ミノーを使う前にトレブルフックからシングルフックに変更し、フックの向きを後ろに変えた。このお陰で、シンキングミノーであるにもかかわらず、ほぼ根掛かりすることがなくなった。この時期ならでは水中に沈んだ落ち葉を釣ることもなく、ブラウンに出会うことが出来た。浅い川や軟らかい土質のフィールドに入る時には、フックの本数や向きを考慮すると、快適に釣りが出来るかも知れない。
ブラウンは緩い流れ&アップストリームキャスト!
思い返すと、今回ブラウンが釣れた、あるいは反応があったのは流心ではなく、流心脇や、石裏のポケット、プール状の箇所、カーブの内側等だった。これらのポイントは全て水が落ち着いているポイントだ。夏場でも割りとゆったりとした流れで釣れた記憶がある。私の感覚では、ブラウンを狙うのなら上記のような緩いポイントがお勧めだ。
また、今回のような川幅の狭いフィールドで感じたのは、セオリー通りにアップで釣るのが効果的という事。クロスだと川幅が短いため、ルアーの立ち上がりが間に合わず、最大限にアピール出来ない。加えてダウンだと魚に人の気配を悟られる可能性が高まる。
勿論、水流や障害物の状態にもよるが、今後も小規模なフィールドにおいては、魚に気付かれ難く且つ長い距離をリトリーブしてアピール出来るアップでの釣りを積極的に行ないたいと思う。
施設等情報
施設等関連情報
川岸の岩はよく滑り、転倒や転落には十分ご注意を。
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