やっぱり大アマゾンにパンデミックなど関係ない!?
アマゾン水系といえば、世界中のアングラーの憧れ、怪魚釣り天国である。海外からの渡航者も多く、体感的には半数以上ではないかと感じる。では、入国や移動が規制されていた時期、つまり実質フィッシングプレッシャーにさらされていない時期があり、今は釣れ釣れなんじゃないか? 現地事情通に聞いてみた。
アレックス・コイケ。南米最大の釣り雑誌『Pesca & Companhia』の元編集長であり、現在はジャーナリストとして活躍する釣りキチ。筆者とは南米で何度か旅を共にした釣り友達である。で、どうなの?
アレックス「おはよう、バディ! 今年はトクナレ(ピーコックバス)はよく釣れているよ。でも、コロナ禍は関係ないかな。確かに2020年はアマゾンを訪れる釣り人は非常に少なかった。2021年も釣り人は少なく、フィッシングプレッシャーも弱かったけど、シーズンを通してイマイチだったよ」
オーパ…この哀れな語り部の期待は早くもポロロッカのように逆流してしまった…。でも、釣り人が少ないのになんで?
アレックス「釣りへの影響度でいうとフィッシングプレッシャーより川の水の循環の方が大きく関係しているからね。2021年がよくなかった理由は川の増水が非常に大きかったから。雨がたくさん降って多くの地域が水浸しになり、”リピケート “を引き起こしたんだ。でも、2022年のシーズンはよく釣れているよ」
リピケート(repiquete)とは乾季の大雨。水位の急上昇をもたらす現象である。水温、水質、酸素濃度など様々なパラメーターが大きく変化し、さらに、森の奥深くまで浸水するため魚がそこに留まり、釣りは困難になる。
アレックス「僕たちがネグロ川で一緒に釣りをした年もそうだったろ? ああなると釣りは難しいんだ」
さすが大アマゾン。やっぱりちっぽけな釣り人のプレッシャーなどよりも地球規模の気候条件の方が大きく関係しているのだ。いやー、浅はかだった。ちなみに、来年は今年同様水位が低い予想だが、再来年の2024年はエルニーニョやラニーニャの影響で雨が多く降り水位が高くなるらしい。もしアマゾンへ釣りに行くなら今年か来年がチャンスだろう。
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