キミは「パンコイ」を知ってるか?

パンコイとはパンでコイを釣ること。コイ釣りといえば、伝統的な吸い込み釣りや、緊張感のある喰わせ釣り、西洋風のボイリーなど、釣り方は様々でどれもが奥深い。餌の配合ひとつで釣果が変わってくる世界だ。でも、パンコイはそんなに細かいことを考えなくていい。スーパーで売ってる食パンを千切って餌にするだけだ。それだけで、簡単に巨ゴイとのファイトを楽しめる!(執筆:横沢鉄平)

淡水

最もシンプルでありながら、強力に釣れる釣法

コイという魚は、雑食性だといわれている。水草やミミズ、貝や甲殻類まで食べる。そんな美食家のコイであるが、数ある食材の中でも食パンはトップクラスの大好物。だから、パンを餌にして釣るパンコイは、理にかなった釣法なのだ。用意するタックルはアバウトでいい。2~3mのルアーロッドに2500~4000番台のスピニングリール、ミチイトはPEなら1号前後で、リーダーはナイロンの8~12ポンド。もちろん、ナイロンのミチイトでも十分できる。
 仕掛けは、ラインの先端にハリを結ぶだけ。そのハリに千切った食パンを刺せば、完成だ。ルアー釣りでいえばノーシンカーリグ。これ以上シンプルな仕掛けはないだろう。釣り方は更にシンプルだ。キャストして……待つ、それだけ。パンは浮いているので、それから目を離さずにひたすら待つ。パンは餌でありつつ、ウキの役目も果たすのだ。もし近くにコイがいれば、水面に波紋ができて、パンを吸い込む瞬間を目撃するだろう。パンが水面から消えたと確認したら、合わせをくれる。これだけで、とんでもないビッグファイトを楽しむことができるのだ。
 唯一、コツがあるとするなら、コイを目で確認して、いる場所に投げること。あるいは、コイが回遊してくるところに浮かせておくこと。とにかく近くまでコイが来たら、いい確率で喰ってくる。ベストシーズンは春~秋。これからの冬の季節はなかなか水面のパンを喰わないかもしれないが、それでも浅い水域で、ポカポカ陽気の日ならチャンスあり。もし釣れなかったら、人間が余った食パンを食べればいいさ。

パンコイで釣った野ゴイ。50アップのバスを軽く凌駕する引きだった。水中に見えたコイの回遊コースを把握するのが極意なので、偏光グラスは必須。
定番は真ん中の食パン。右側のスティックパンはちぎりやすい。左側のかっぱえびせんはパンに匹敵するほどコイが釣れるという。飛ばしにくいが、餌持ちはいい。
タックルはこんな振出しロッドでいい。オモリを使わないので、しなやかさとシャープさを併せ持つ竿のほうがキャストしやすい。具体的には、長めのバスロッドかトラウトロッド、あるいはエギングロッドが使いやすい。
ハリはバス用のワッキー系フックや鯉海津が軽くてパンを浮かせやすい。ただ、鯉角ひねりは、重いけれど強度が高く、フッキングもいい。鯉は平気でハリを折るので油断は禁物だ。
こんな感じで針先を隠すように刺すといい。パンは耳があるが餌持ちがいい。
結構シャープに振って、できるだけ遠くに飛ばしたい。意外に1投目で外れることはないが、さんざん浮かした後の2投目は、高確率でパンだけが飛んでいく。
こんな感じでパンを浮かせて、コイが喰ってくるのを待つ。それだけだ。

施設等関連情報

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

横沢 鉄平 フリーライター。ライフワークはバスフィッシングだが、ワカサギから世界の怪魚まで、すべての釣りを愛する男。ロッド&リールの「三匹が行く」、ルアーマガジンの「ドラマチックハンター」など、長期連載企画での出演経験も多数。キャンプ用品の「ヨコザワテッパン」考案者でもある。
YouTubeチャンネル「ヨコテツ」も、ささやかに継続中だ。

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