川底の巨大ポリバケツ、ジャウー
成長すると2mに達するとされる、ジャウー。その昔、胃袋から人骨が見つかったとかで、日本では「人喰いナマズ」として紹介されたこともあった。ご高齢の日系ブラジル人によると「昔、3mくらいのも捕まえたよ」…だとか。黄土色~褐色の地味な体色で、体型もいかにもアマゾンのナマズ然としてさほど特徴もないのだが…とにかくデカくなる。そして、顔がかわいい。
語り部がブラジル・マットグロッソ州、テレスピレス川近くの町に滞在していたとき、たまたま知り合ったアイスクリーム屋のおじさんが大の釣り好きだった。そして、この町でたまたま知り合った日本人の旅人・日野貴士さんと、雑貨屋のおじさん(釣り好き)の4人で釣りに行くことになったのだ。
その日は、ルアーでピーコックバスを、エサで大ナマズを狙う計画。語り部はルアーでナイスなピーコックバスが釣れたり、日野さんはエサで大きなタライロンを釣ったりもしたのだが…大ナマズを釣り上げたのは…雑貨屋のおじさんだった。この黄色っぽい魚体…巨大とはいえないサイズだが、ジャウーだ。初めて見たジャウーはアイスクリーム屋のおじさんによって川で解体され、彼らの胃袋に収まることになった。
もしかしたら人を喰ったこともあるかもしれないが、人に喰われる方がアマゾンではずっと多いようだ。
アマゾンの暴走帝王、ピライーバ
おそらく、アマゾン3大ナマズのなかで最も大きく成長するすると思われるのが、ピライーバだ。見た目はサメのような体型と配色で、ちょっと目つきが悪い。巨大な体にくらべてさらに巨大な口は、ゴミ収集車のようになんでも飲み込んでしまいそうだ。一般的には3mを超えるとされるが、さっきの高齢日系ブラジル人の方は「昔は大きなボートと同じくらい…たぶん7mくらいあったかな」というのを見たことがある…という。ホントかな?
さて、語り部がピライーバに接触したのもテレスピレス川。漁師のバドと一緒に大ナマズ釣りをしていたところ…夕方、ゴゴンというアタリの直後、ズギューンッ!!!!とラインが走った。まるで、国道を走っている原付バイクにハリが掛かったかのようだ。「ピライーバだぞ!」と、バドが叫ぶ。20m、30m…と走られるがまるで止まる気配がない。およそ50mほど走っただろうか、いったん逃走が終わり、今度はこちらが寄せる番になった。重さはあるが…頭をこちらに向かせてしまえばそこまでのものではない…かと思ったら、また走り出した! 20mくらい走られたところで、ボトムの岩に10号のPEラインを巻かれ、あっさりと切られてしまった。
いつの日か、続きを書きたいと思う。
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