埼玉県・名栗川。解禁釣行でテンカラにヤマメ連続ヒットの好スタート!!

3月1日、埼玉県下の渓流釣りが解禁になった。今年の解禁日は、荒川の支流、名栗川(入間川)に出掛けた。入渓した釣り場は放流された成魚ヤマメが中心で、お目当ての天然ヤマメは時期尚早だったもののテンカラで良型放流魚が片手以上釣れ、大満足のシーズンインとなった。

淡水
  • 埼玉県 名栗川

「渓流区域」にヤマメ放流

解禁日の前日、『入間漁業協同組合』(飯能市阿須)は、県道と有間ダム方向への分岐地点に架かる有間橋から上流の本流に設定している「渓流区域」に、ヤマメの成魚約200kgを放流した。
名栗川は川越市で荒川に合流する河川で、上流部の飯能市名栗地区には天然のヤマメ、イワナが生息している。中でも一大支流の有間川は大型魚が釣れる好釣り場として、首都圏の渓流ファンに広く知られている。
今回、私が向かった釣り場は、土手に梅が咲き誇り、道路から釣り場へのアクセスがよい里川の雰囲気が漂う渓流区域。条件が揃えば、放流ヤマメに混じって美しい姿態の天然ヤマメが竿を絞るエリアだ。

旧名栗中学校付近で竿を出す釣り人
放流ヤマメだが、サイズ、姿態とも良好

旧名栗中学校付近から入渓。釣り人の姿なし

午前10時に「渓流地区」に到着すると、釣り場を移動する餌釣りの人が道路を歩いている。状況を聞くと、「あまり釣れないねぇ。4、5匹ってとこ。魚は見えるんだけどね、喰って来ない」と渋い顔だ。しかし、中には20匹以上釣った人もいると言う。林間から川を覗くと、淵ごとに数人の釣り人が陣取っている。私も釣りの準備をして、閉校した名栗中学校の先から入渓した。
民家脇を抜け、釣り場に降りて前後を見渡すと、釣り人の姿はない。「良かった。ゆっくり釣れる」とニンマリ。山間だが、肌着にシャツ、パーカーで寒さは感じない。水温は7℃。小さな虫が水面を飛び交っている。

里川の雰囲気満点の名栗川
小型だが引きは小気味よい

毛バリに誘いをかけ今シーズン初のヤマメ

深瀬、対岸の岩の脇に毛バリを投げる。無反応。シーズン盛期ならヤマメが躍り出るポイントだが、狙うにはまだ早過ぎるのだろう。上流へ移動すると淵尻にヤマメ。さらに、流れ込みまでの間にも数匹のヤマメがいる。川岸に足跡が沢山残っているので、狙われて神経質になっているのだろうと静かにアプローチ。まずは確実に釣ろうと、沈む毛バリの14番のビーズヘッドを近くに送り込む。フラーと寄ってきたが直前にUターン。毛バリサイズを16番にチェンジして、ハリスを0.4号に結び直してもヤマメは喰わない。そこでシーズン中、よくヤマメを誘引した茶色ボディに薄くハックルを巻いた14番で誘いをかけると、パクッとくわえてネットイン。“放流物”だったが、今年最初の1匹に感謝してリリースした。

護岸の基部もヤマメの付き場
のどかな山里の風景。地元の人との挨拶は忘れずに

大満足の解禁日だったが3月後半からが本番!

下流から釣り人が上がって来たので上流へ移動する。竿先から垂れた仕掛けをアシに引っ掛けないよう注意しながら、木橋下の渕へ。対岸には民家が建ち並び、土手では梅の花がほころんでまさに初春。
淵の中央付近に定位しているヤマメの反応はいまいちだ。その下手や対岸近くでユラユラしていたヤマメに狙いをつけて、水面の毛バリにアクションを付けたらヒット。木橋の上流は、流れが岸壁にぶつかって左にカーブし、さら右に進路を取るS字ポイント。渓流区域内でも5指に入る好場所だ。
毛バリをそれまでの茶系から、蛍光グリーンのボディに白ハックルのパターンに付け替えて流れ込みに投げる。すると、なんと1投目からパシャリ。痛恨の合わせミスに気合を入れ直し、その下手でキャッチ。理由は分からないが、その後、蛍光グリーンの毛バリにヤマメの出はすこぶる良好で、午後3時までの間に計8匹ヒットさせることが出来た。
フッキングしたものの、外れてしまったケースも加えると、この日相手をしてくれたヤマメは平均サイズ約20cmが10匹以上という大満足の解禁日となった。因みに釣ったヤマメはすべてリリースした。
3月後半ともなると、里の名栗川では天然ヤマメも動き出す。一帯はスギの主産地。釣行時、花粉症の方は対策を怠りなく。

実績のパターン(左)とグリーン毛バリ(右)
釣り切られず残ってくれることを願ってリリース
首都50km圏でイワナも生息する名栗川

施設等情報

■入間漁業協同組合
〒357-0046 埼玉県飯能市阿須343-1(飯能市林業センター内)
TEL:042-973-2389 入間漁業協同組合ホームページ

施設等関連情報

■遊漁料
日釣り券/店売り1,200円(現場売り2,000円)
年券/7,500円(全魚種)
※なお、「つりチケ」でも遊漁券購入可

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

小島 満也 雑誌「北の釣り」東京支局を経て、埼玉県西部地方の地域紙「日刊文化新聞」の記者。文化新聞定年退職後は同紙及び釣具の業界紙「釣具新聞」に記事執筆。還暦過ぎても釣欲が衰える気配なし。テンカラを愛好。

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