「スナッグレス」=根掛かりを回避する
「根掛かり」が好きなバスアングラーはいない。しかし、そんな根掛かりしやすいヘビーカバーはバスにとって格好の隠れ場所となる。「スナッグレスネコリグ」はそんなカバーの中へ、食わせる性能の高いフィネスなワームを送り込み、高い成果をもたらすことで知られるワームリグだ。
「2011年にはすでに、スナッグレスネコリグの原型とも言えるリグで、カバーの中を釣っていて本当によく釣れました」と語る川村光大郎さんこそ、そのスナッグレスネコリグの考案者だ。
「いわゆるチョン掛けのネコリグでは、最もスナッグレス性能の高い仕様のダブルガード付きフックでもカバーの中を攻めるには限界がありました。でも自分としては、ネコリグをカバーに入れると釣れるという実感はあったので、思いついたのが偶然見つけた鯉針を使ったセッティング。結局、一番引っかからないのは針先をワームの中に隠しておくこと。それで太軸でワイドゲイプな鯉針を使って、テキサスリグのストレートフックの様にセッティングしたんです。そうすると、カバーの中に入れてもスルスルとかわしてきた。これがスナッグレスネコリグの原型の誕生です」
N・S・Sフックがスナッグレスネコリグのキモ
「そこから色々なフックを試していき、やがて(フックメーカーの)ハヤブサとスナッグレスネコリグ専用フックを開発しました。理想的な形状と軸の太さを適えたことに加えて、ワームのズレを防止するループストッパーを設けていることが大きなポイントです」
ループストッパーがないと、カバー回避性能は大きく変わりますか?
「ストッパーがないと、すぐにワームがズレてしまうし針先も露出しやすくなるので、根掛かりは確実に増えます。このストッパーができたことでスナッグレスネコリグ専用フックN・S・S(ノンスナッグレスセッティング)フックは完成しました」
その後、追加モデルとして、スイベルをセットした「N・S・Sフックパーフェクション」も登場しました。
「これは、スナッグレスネコリグで発生しやすい糸ヨレを防止するために生み出したモデル。リグがフォールする時や回収時にどうしても回転して、糸ヨレが発生しやすいんです。糸がヨレるとワームのアクションや感度も不明確になり、ライン自体もコイル状になったものが水中で伸縮することで目立ってしまいいいことはありません。僕自身、現在はパーフェクションの方を使用する場面が大半です」
ビギナーにとって、ちょっと難しく感じるスナッグレスネコリグのフックセッティングは、動画で解説しているので、ぜひ参考にしてほしい。
スナッグレスネコリグにはベイトフィネスタックルが不可欠
フックの掛かり具合は実際どうなのでしょうか? 一見すると全長が短めのフックが、ワームの中央付近に針先を隠してセッティングされているので、根掛かりしにくい分、バスに掛かりにくいことはありませんか?
「フッキングに関しては、バスの口の中で針先が触れる角度が大事です。フッキングでラインが引っ張る方向に対して、針が上を向いていますよね。この状態で正しくパワーが伝われば、その角度のまま針先はズブズブと肉厚に掛かります。逆に、これがもし針先の角度が寝ていると滑りやすくなるんです」
針先が上を向いているからこそ、ガッチリかかるんですね。
「その通りです。でもラインの引く方向と針先のベクトルが違うので、強めのフッキングパワーが必要になります。そのためには、ベイトフィネスといえど硬めのロッドを選ぶことが大切です。ワームリグ自体はフィネスなネコリグですが、実際にはテキサスリグに近い感覚です。針先をワームの中に隠した状態から、カバーの中でバスの口に深く掛けるためには硬めのロッドでの強いアワセが求められます。スナッグレスネコリグの効果を発揮するために、フィネスなリグだけどテキサスリグと同じような感覚でカバーの中まで撃てて、強く合わせてバスを引きずりだせるタックルがポイントになりますね。『スナッグレスネコリグでよくバラしてしまう』という人にタックルを見せてもらうと、ロッドが柔らかいことがほとんどで、あとはワームに対して小さいフックを選んでいる場合もありますね」
「スナッグレスネコリグには硬いロッドが必要と言いましたが、リグ自体はフィネスなのでそれを快適に扱えなくてはなりません。そこで欠かせないのがベイトフィネスタックルです。ベイトフィネスタックルといってもパワーとしては硬めのMクラスが基準です。スピニングではなく、ベイトロッドを使うことでラインも太めを使うことができます。ラインは、フロロカーボンの10ポンドがボクのこの釣りでの基本になります。そして、フィネスリグを快適にピッチングしていけるリールも欠かせません」
スナッグレスネコリグの釣りにおいて「専用フック」と「ベイトフィネスタックル」のどちらも大事な要素なのですね。
「片方だけでは成立はしていなかったです。僕がこの釣りを考えたタイミングでちょうどベイトフィネスタックルが流行しだしていたことも幸運でした」
ブレーバーシリーズは状況に合わせたテールバリエーションが魅力
「専用フック」「ベイトフィネスタックル」が揃ったことで釣り方としてのベースが出きたわけですが、リグ自体のワームも大きな要素だと思いますが?
「僕がスナッグレスネコリグで使うのはブレーバー(シリーズ)です。ブレーバーはスナッグレスネコリグ専用ではないですが、この釣りがあるからこそ生まれたワームと言っても間違いではありません。カバーフィッシングである以上、フォール中のアピールも大事で、着水直後からアクションしてバイトを誘い、ボトムまでしっかりバスを誘ってくれることが求められます。そしてカバーの中でのすり抜けやすさを邪魔しない形状。その条件を追い求めていった結果が、ブレーバーの小型シャッドテールになりました」
ブレーバーの特徴として、そのテールをカットした状態での使用も前提とされています。
「カバーの中にいるバスでも、通常のテキサスリグやラバージグなどで食わない魚を相手にするわけなので、食い渋ったときにフォールではなくて、ボトムでシェイクして誘いたい場面ではテールをカットしたストレート仕様にします。さらに、近年僕が取り入れたのは「ニンジャ」ことセンドウタカシさんがやっていたニンジャカット仕様です。これはシャッドテールのウチワ部分のみをカットします。こうするとボトムシェイクした時に、テールが細かく左右に震える動きが出ます。ノーマルテールのフォールで食わないスポットで、このテールを試してバスを引き出せたこともあり、最近はノーマルテールとニンジャテールを状況で使い分けることが多いですね」
基本はフリーフォールでワームのアクションを引き出そう
最後に具体的なアクションについて教えてください。
「基本はフリーフォール。ラインを張ってしまうとカバーから離れていってしまうし、テールアクションも生かせません。ラインを弛ませた状態で、タイトに落とし込むことが大切です。送り込むラインが足りなければ、リールから手でラインを引き出してフリーフォールを妨げないようにします。そして、ボトムに着いたら倒れ込む動きの間を与えます。そのあとにラインを張ってみて、バイトを確認しつつ、シェイクして誘う。応用で、カバーにラインを吊るして中層で誘うこともありますが、基本はフリーフォール~ボトムで誘ってピックアップという流れです。これでカバーを次々と撃っていくのが、スナッグレスネコリグでの基本になります」
ブレーバー57のスナッグレスネコリグのアクションは、ぜひとも動画で確認して欲しい。ナチュラルなフォーリングアクションやカバーを生き物のようにかわしていく様がよくわかるはずだ。スナッグレスネコリグをマスターし、すぐにでもカバーに潜むグッドバスを引きずり出せ!!
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