ファミリーにおすすめ! 今年のゴールデンウイークは、家族揃ってマブナ釣りは如何!?

今週末(4月29日)から始まるゴールデンウイーク。月、火曜日(5月1日、2日)に有給休暇を取れば9連休も可能な“大型連休”である。都会からちょっと郊外に出てみれば、新緑に覆われた木々が身も心も癒してくれる最高の季節でもある。この機会にファミリーで是非、体験して頂きたい釣りがある。「ザ・日本の釣り」と言っても過言ではない“マブナ釣り”である。

淡水

釣りは鮒に始まり鮒に終わる

「釣りは鮒に始まり鮒に終わる」とは、釣りの先達が残した言葉。また、「♪小鮒釣りしかの川~」は、“童謡・ふるさと”の一節である。この鮒とは、いずれも“マブナ”の事。しかし、マブナと言う和名の魚はおらず、和名・キンブナ、ギンブナの総称である。また、日本版・ゲームフィッシュとして知られるヘラブナは、琵琶湖産のゲンゴロウブナの改良種であり“自然種”ではなく、この格言の“鮒”ではない。
大正、昭和生まれの方々が、子供の頃に“田んぼのホソ”や“裏の小川”で興じた「鮒釣り」の対象魚はまさにこの“マブナ”である。馬齢を重ねた最近、先達が残した「釣りは鮒に始まり鮒に終わる」と言う心境が身に染みて来た感がある。
小生は、東京・下町育ちだったので、子供の頃(1960年代)には、近くに多くの釣友会があった。そこでの例会種目と言えば、年12、13回(原則毎月1回)の内、8、9回がマブナ釣りであり、残る3、4回はハヤ(ウグイ)、ヤマベ(オイカワ)釣りとハゼ釣りだった。小生も小学6年生から高校1年生まで江東区・亀戸の釣友会に入っていた。親父どころか祖父と言ってもいい年齢差の会員たちとの釣りは、実に楽しかった。
中でも前述の通りマブナ釣りは、最も頻度が高かったが飽きる事など全くなく、やればやる程その面白さに嵌まり、長老たちを凌ぐ釣果を上げる為に仕掛け、釣り方等に工夫を凝らしたのを覚えている。

東京であっても郊外なら、住宅地の合間を縫うような小川にも、マブナは生息する

水深40~50cm以上あればどこでも好ポイント!

マブナ釣りの楽しさは、その手軽さにある。延べ竿に市販の仕掛け、最近はめっきり減ってしまったが、以前は東京でも庭の土を掘り起こせばいくらでも獲れたミミズ(釣り餌としては、キジと呼ばれる)があれば、その辺の川で誰でも楽しめた。最近では、都会の川はコンクリート護岸で覆われている所が多くなり、「ちょいと“裏の小川”で…」と言うわけにはいかなくはなったが、少し郊外に足を運べばまだまだマブナが釣れる場所は、沢山ある。
因みに関東周辺では、茨城県・霞ヶ浦周辺や北浦周辺の中・小河川やホソ(農業用水路)、千葉県・房総半島や埼玉県内の中・小河川やホソなどは、どこもマブナの好釣り場である。水温むこれからの時期なら、水深が40~50cm以上ある所ならどこでも好ポイントになる可能性があると思っていい。地図を頼りに、是非“マイ釣り場”を探して欲しい。

水辺に植物が茂っているホソ。アシなどの植物がマブナの隠れ家にもなる
このような幅の狭いホソであっても、水深50cmもあればマブナが生息している

2.7~3.6mの長さで“中硬調”が好適

小生の仲間達は、大半がマブナ釣りには和竿(竹竿)を使っている。江戸末期から続く和竿師達は、未だに健在である。ほぼ全てが手作業であり、竿師一人が作れる数も高が知れている。その為、グラスロッドやカーボンロッド等に比べればどうしても高価になるが、十二分にその価値はあると思う。しかし、最初から和竿を使う必要はなく、釣り具店に行けば、万能竿、清流竿、渓流竿などに分類され、選ぶのに苦労するほどの種類がある。値段も数千円から数万円まで数ランクあるので、“身の丈”にあったモノを選べば良い。ほとんどのメーカーが、マブナ竿という分類をしていないので、万能竿か清流竿の中から自分に合ったモノを選べば良い。
少し経験を積んでくると、「もっと硬目の方が良い」とか、「これはちょっと柔らか過ぎる」等と能書きを垂れるようになるが、先ずは、2.7~3.6mの長さで“中硬調”といった調子の竿を選び、長さを違えて1、2本買っておくことをお勧めする。
何年か経験を重ね、マブナ釣りの面白さが分かって来ると、自然と和竿が欲しくなるはず。その時には、是非、江戸の和竿師を訪ねて頂きたい。

これが、マブナを釣るためのシモリ仕掛け
こんな市販のウキ釣り仕掛けでも楽しめる。シモリ玉を買えば、シモリ仕掛けに組み直すことも可能だ

マブナ用のシモリ仕掛けも市販されている

マブナ釣りの仕掛けは、基本的にシモリ仕掛けが使われる。その昔、仕掛け作りは釣り人の仕事で、初心者には大きな“壁”になっていた。しかし、今では釣り具店に行けば、ありとあらゆる仕掛けが売られている。マブナ用のシモリ仕掛けも例外ではなく、道糸やハリスの太さ、ハリの大きさなども様々なパターンのモノがある。先ずは、これを利用して、経験を積んでから自作の仕掛けに取り組めばいいと思う。
標準的なマブナのシモリ仕掛けとしては、道糸0.6~0.8号(竿の長さよりもハリ先までの長さが20~30cm長くなるようにする)、ハリス0.5号(15~20cm)、シモリ用のウキは丸型でも米型でも小型のモノを選択(分からない時には釣り具店のスタッフに相談)するとよい。

タモ入れされた良型のマブナ

小場所のホソにも大型のマブナ

マブナは、ほとんど底スレスレに生息している。したがって常に餌は底に着いている状態でよい。シモリ仕掛けは、この事を念頭に置いて作られた非常に優れた仕掛けである。ウキを複数付ける事により、一番上のウキと最も下のウキの長さ(通常30~50cm)の水深にウキ下を替えることなく対応出来るのだ。
マブナは、底が平らな所より、やや傾斜しているような場所(カケ上がりという)に居る事が多い。シモリ仕掛けなら、この水深の変化が手に取るように分かる。
この時期になれば、マブナの活性も高くなるので、そのポイントにマブナがいれば、待つ間もなくアタリが出る。ウキが引き込まれたら、軽く竿を立てて合わせればガッチリとハリ掛かりするはずだ。
この時期には、跨げてしまうような小場所のホソにも大型のマブナが入っている事も少なくない。高価なモノは必要ないが、タモを忘れずに持参しよう。

※マブナ釣りに限らず、魚釣りは実際に体験してこそ、その面白さが分かる“趣味の世界”である。今年のゴールデンウイークは小生に騙されたと思って頂いても結構なので、是非、家族揃ってマブナ釣りに出掛けて頂きたい。

施設等関連情報

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

黒岩 海牛 釣り歴60年を超える釣り爺。60を超える国と地域で魚釣りを体験。ジャンルはタナゴからカジキ迄何でもやったが、還暦を過ぎた頃からは、マブナ、タナゴ、ハゼ、手長エビなど淡水区の小物釣り中心に楽しんでいる。

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