【毛バリふりふり里川釣り歩き①埼玉編】“梅の里”の清流は沈黙も、入間川のオイカワはデカかった!

渓流魚の毛バリ釣りに情熱を燃やしてウン十年!渓流に行けない日には、オイカワ(ヤマベ)やカワムツ釣りで憂さ晴らしして来た。ところが、最近では合間の釣りどころか、渓流のマス族以上にこの小魚たちに魅了されるようになった。渓流釣りのハイシーズンでも清流にオイカワなどを求め、本格的に釣り歩くようになった。そこで、街の近くに生息する身近なオイカワ釣り場を、シリーズで「毛バリふりふり里川釣り歩き」として、紹介しようと思う。第1回は埼玉県西部の越辺(おっぺ)川と入間川を。

淡水

梅林の脇を流れる風光明媚な越辺川

越辺川は埼玉県・越生町、鳩山町、坂戸市、川島町などを流れている荒川水系の河川だ。最上流域に「黒山三滝」、その下流に「越生梅林」など観光名所が点在し、シーズンには大勢の観光客が来訪する。
向かったのは越生町の梅林前。梅の開花は終わっているのに何故といぶかるか知れないが、ここは「関東三大梅林」と誉れ高く、濃緑の葉々を梢にまとった時期の梅林を鑑賞しながらのオイカワ釣りも、風情があってよいと考えたからだ。
因みに、この関東屈指の梅林には、周辺も含めると約2万本が植えられているというからまさに圧巻だ。
県道越生長沢線に面した梅林近くの『日野屋酒店』で、越辺川の釣りを所管する『埼玉西部漁業協同組合』の遊漁券(店売り400円、現場売り500円)を購入し、梅林前へと向かった。梅林入口付近に駐車。越辺川に架かる橋から川を覗き込み、状況を確認した。しかし、残念なことに水位が著しく低い。広い河原の端をわずかに水が流れているだけで、魚影も見当たらない。これでは期待薄だと梅林前での釣りを諦めて、下流の釣り場へ移動する事にした。

越生梅林前の越辺川
遊漁券は日釣り400円。購入は忘れずに
雨不足で減水した流れ。水量回復後に再訪したい

減水で釣りにならない。水位回復後に期待

車は県道越生長沢線から県道飯能寄居線に入り、暫く南下して右折。越辺川に架かる山吹大橋のすぐ上流のグラウンド脇の広場に到着した。広場すぐ前の越辺川沿いには親水広場や川原ゾーン、自然ふれあいゾーンなどがゾーニングされていて、散歩や生き物観察、川遊びが出来るようになっている。
山吹大橋近くの堰によって上流はプール状で、魚がいそうな気配が濃厚。その上の瀬も良さそうだ。高まる気持ちを抑えながら毛バリを流していく。しかし、たまにピシャンと毛バリに反応する4、5cmの幼魚はいるものの、それ以上に成長したオイカワやカワムツからのアタリはない。越辺川での釣りをここで断念、近年、オイカワの増殖が確認され、大型も竿を絞る入間川へと再び釣り場を変えることを決断した。

越生梅林下流、山吹橋近くの川沿いに設置されている散策案内図。この看板前も釣り場だ
小型オイカワは確認したものの、良型のアタリはなかった親水広場付近

入間川の豊満オイカワ、竿をグイグイ!

入間川での釣り場は、飯能市との行政界に近い入間市仏子(ぶし)地区。中橋のすぐ下流で竿を出した。
一帯は川幅が広く、ポイントも数多く存在するので、テンカラのラインを越辺川のそれよりも長いテーパーラインの3.6mに付け替える。このラインはフロロカーボンをよった既製品だが、視認性を高めるために、先端に長さ40cmの蛍光ブライトオレンジのナイロンライン(4.6号)を付けている。ナイロンラインの先に結ぶハリスを約1m。これで、ライン全長は合計5mとなり、広範囲を探ることが可能になる。竿は3m。中橋の下流は大きなプールが連続し、その間が浅瀬となる。狙うのはこの波立つ浅瀬だ。
ポイントの斜め上流に立ち、ダウンクロスの要領でクジャクのボディに黒色ハックルを巻いた14番の毛バリを繰り返し流す。流している途中や流して終わって、ラインが直線になった状態でコツン!ググッ!グン!と手元にアタリがくれば、それはオイカワだ。毛バリが着水した瞬間に水面を割るなど、この日の入間川のオイカワは高活性。波立つ瀬以外での反応は芳しくなかったが、ラインにテンションをかけた状態での良型オイカワのアタリはかなり衝撃的。終盤、15cm級の追星鮮やかなオスがヒットして嬉しさはマックスに達した。

入間市仏子地区の入間川
活性が高いオイカワはこんな瀬でヒットする
均整がとれた良型オイカワ。グイグイ竿を曲げた
観察、撮影用に便利な100均ケース
この日使用したクジャクボディの黒系毛バリ
テーパーラインの先端に目印を兼ねて結んだナイロンライン

越辺町特産の「ハチミツ入りユズジュース」は絶品!

今回、越辺川の釣りは不調に終わった。しかし、梅林前などは足場が良く、河原も開けているので、水量が戻ったら是非再訪したいフィールド。ロケーションも良く河畔の緑は豊かで、心安らぐ山里の情景が広がっている。
今回の越辺川釣行では、梅林近くの『うめその梅の駅(越生自然休養村センター)』で越生町特産のユズのハチミツ入りジュース「ゆず之介」を購入した。釣りを終えた入間川の河原でふたを開けたが、口いっぱいにユズ特有のさわやかな香りと甘酸っぱさが広がって、心身がリフレッシュ(個人の感想です)。レジャーのお供に良いですぞ。

14%ユズ果汁入り飲料「ゆず之介」

施設等情報

■埼玉西部漁業協同組合
〒350-1257埼玉県日高市横手639-3
Tel.042-982-2312
埼玉西部漁業協同組合ホームページ
■入間漁業協同組合
〒357-0046埼玉県飯能市阿須343-1(飯能市林業センター内)
Tel.042-973-2389
入間漁業協同組合ホームページ

施設等関連情報

■日野屋酒店
〒350-0422 埼玉県入間郡越生町小杉470-1
Tel.049-292-2200

■越生梅林
〒350-0406 埼玉県入間郡越生町堂山113

■一般社団法人越生町観光協会
〒350-0416 埼玉県入間郡越生町越生386-8
Tel.049-292-1451
一般社団法人越生町観光協会ホームページ
■うめその梅の駅(越生自然休養村センター)
〒350-0422 埼玉県入間郡越生町小杉308-1
Tel.049-292-3100
うめその梅の駅(越生自然休養村センター)ホームページ

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

小島 満也 雑誌「北の釣り」東京支局を経て、埼玉県西部地方の地域紙「日刊文化新聞」の記者。文化新聞定年退職後は同紙及び釣具の業界紙「釣具新聞」に記事執筆。還暦過ぎても釣欲が衰える気配なし。テンカラを愛好。

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