【撃沈!?お立ち台!?】アユ釣り大好きな女性が、大会に連戦してみた

1,000万匹以上の遡上は5年振り、という”アユ釣り大会の聖地”、神奈川県相模川で開催された『シマノジャパンカップ』。そして、箱根早川では初の開催となるアユ釣り大会にエントリー。夏の陽射しが降り注ぐ中、熱き戦いが繰り広げられた。

  • 神奈川県 相模川・箱根早川

まずは、相模川で開催された『シマノジャパンカップ』

ダムの放水量が減少せず、解禁から増水による濁りが続いていた相模川。
大会当日は梅雨の中休み。良い天気になった。濁りは残っていたが増水はだいぶおさまり、水位15cm高。増水を繰り返した事で1年前の川の様子とは大分地形が変わっていた。選手たちは朝早くから川を眺めて作戦会議。試合時間は2時間30分と短い。最初に入るポイントの見極めが極めて重要となる。

午前7時、ホーンの合図で試合開始。私は高田橋下流の緩い場所と流れが混じるポイントを、上飛ばしでオトリアユを泳がせていく。オトリの泳ぎは良い!グングンと流れへと向かっていく。手前では小さなアユ達が跳ね、苔をはむ姿も多く見られた。しかし、掛からない。追い気のないアユを掛けるのは実に難しい。小さめのハリを選び、ハリスを長めに。カツッ!とたまに反応はあるがハリ掛かりしてくれない。周りを見回したが、竿の曲がる選手の姿はなかった。

開始45分。グーンと目印が引き込まれ、やっと来た1匹目はオトリにはなりそうだが、小さなアユだった。これでオデコは免れたと胸を撫で下ろす。その後も掛かりアユを泳がしたが連発はなく辛抱の時間が続いた。朝早い時間に掛かるアユはかなり小さく、オトリの循環が出来ずに苦戦した選手が多かった。

試合終了となり検量に向かうと、「ん?意外と釣っている人がいる」。
この日は本部前から下流域に勝機があった。一本瀬下流と瀬肩右岸に入った選手はきっちりアユを持ち帰っていたのだ。私にとってポイントの見極めの難しさを思い知った大会となった。予選ボーダーは9匹。どんな状況でも確実に釣果を上げてくる選手はいる。いつか私もそんな選手になりたい。これからも修行の日々を誓った。

入川番号は79番!
仲間達も気合い充分!
アニキもオトリをもらい出発
やっと1匹目!バレるなあ~
私の曳き舟からはちょっとのアユだけ…
曳き舟にチビアユは残ってないか?9匹の釣果だが同匹数でじゃんけんへ

決勝戦は、背掛りで良型アユを連発!

決勝戦は1時間30分勝負。友人2人が決勝戦へと駒を進めた。私は応援へ!応援だけは一流。誰よりも元気に友人達を応援した。(笑)

友人が入ったのは一本瀬ド心の流れ。もう1人は対岸で一本瀬肩だった。開始早々、友人達の上流に入った選手が背掛りで良型のアユを連発!これでは誰も追いつけないのではないかと思う程だ。しかし、周りの選手も竿が曲がり始め、勝負は分からなくなっていく。友人達も竿が曲がり始めた。ド心に入った友人には良型が…。瀬肩の友人はサイズは小さいものの良いペースである。

そして残り30分になった時、ド心の荒瀬で友人が怒涛の追い上げ!竿が大きく曲がり、確実に釣果を増やしていく。荒瀬に立ち込みアユを掛ける姿はこれぞアユ釣り。実にカッコ良かった!
そして表彰式、この日一番高い場所へ立ったのは荒瀬勝負の友人だった!一番高い所に立った友人の目には、忘れられぬ景色が広がっていた事だろう。

決勝戦瀬方の友人に掛かった~
荒瀬の友人は怒涛の追い上げ!大きく竿を曲げた
友人2人は次のステージへ!セミファイナルも頑張れ~
初優勝おめでとう!サイコーの一日となったね!

続いては、決勝進出を目指した箱根早川のアユ釣り大会!

アユ釣りを始めた頃に幾度となく1人で通い、練習していた箱根早川。そこで初のアユ釣り大会が開催された。
100点の夏空。風祭~最下流が大会エリアになる。濁りはないものの増水気味。大会エリアはアユ釣り解禁まで渓流釣りのC&R区間になっていて、“大マス(ニジマス)”、“大ヤマメ”との戦いも強いられることになりそうだ。

予選は3時間。この日は私の原点でもあるこの箱根早川で、何としても決勝に駒を進めたい!『韓国人会館』前でオトリが配られてスタート。私は仲間達と川を見ながら上流に向かうことに。すると、少し歩いたところでアユの群れを発見。足首ほどの水深。下手ながらも私の得意とするポイントだった。
大会に参加して思う事は、アユの居る居ないは勿論だが、やはり自分の得意なポイントに入ることが大事という事だ。アユが居ても苦手なポイントに入ってしまうと釣りが雑になってしまい、釣果が伸ばせない事が多かった。そう心に決めて試合開始の合図を待った。小さなポイントなので静かに腰を下ろして、そっとオトリを送り出した。

開始15分。ズキューン!幸先よく見えていたよりも良型のアユが掛かった。この掛かりアユは良い泳ぎをしてくれる。2匹目も順調に掛かった。しかし、2匹目はギリギリオトリになるサイズだ。アブラビレに逆バリ作戦。根掛かりしてポイントをつぶしてしまわないように細心の注意を払ったこの作戦のお陰で根掛かりを1度もする事なく、予選を終えることが出来た。

そして結果はというと、11匹の釣果を上げ、念願の決勝進出!
「あ~嬉しい~!!」
仲間達もキッチリ釣果を持ち帰って決勝進出である。

68名の参加者。これから3時間の予選が始まる
皆思い思いのポイントへ。場所が当たれば入れ掛かりも

優勝狙うもトラブル続出

決勝は私のお気に入りのポイントへ。しかし、ポイントに着くと増水のせいで、いつもよりだいぶ流れが速くなっていた。少し迷いはあったが、ここで竿を出す事に。アユのキラキラは見えているがこれまた簡単ではない。1時間竿を出し、2バレ1キャッチ。釣れる雰囲気はあるが、周りもそれほど釣れていなかったので見切りをつけて場所移動。

上流に向かいながら拾い釣り。途中気を付けていたマスにもやられて1匹ロスト。気付いた時には遅かった~。(泣) 
この後も、根掛かりで切れた仕掛けが絡んだりとトラブルが…。こうなると焦りで釣りが雑になってしまう。こんな状態で釣果を伸ばせる訳もなくタイムアップ。出来る限りのことはやったが悔しさが残る結果となった。そしてこの日も私はこれからの修行の日々を誓ったのであった。

大会会場ではFALCONさんのロッド展示も。大会の抽選ではFALCONさんのロッドが景品となった
真ん中優勝14匹、左2位13匹、右3位12匹。おめでとうございます!さすがの釣果でした

ムズカシキことはオモシロキこと!

大会は限られた時間、限られた場所での勝負。ましてや生き物相手である。今までの経験で培った技術や、勘、見極める目、運全てを発揮してこそ勝利が手に入る。簡単なことではないから追い求めたくなる。分からない事が多いからその先にある景色を見てみたくなる。今回も大会に出場する事で今の自分の“現在地”を知ることができ、勉強になる事が多くあった。そして、何よりも勝負であってもそうでなくても、「アユ釣りを楽しむ事」が上達への道であると感じた2日間だった。
シーズンは始まったばかり。これからも勝負に、プライベートに大いにアユ釣りを楽しんでいこうと思う。

施設等情報

【相模川】
 相模川漁業協同組合連合会 
 住所:神奈川県愛甲郡愛川町半原914-3
 電話:046-210-3033

相模川漁業協同組合連合会

【箱根早川】
 早川河川漁業協同組合
 住所:神奈川県小田原市板橋905
 電話:0465-24-0684

早川河川漁業協同組合

施設等関連情報

■相模川
 漁 期 :6月1日~10月14日
      及び12月1日~12月31日
 遊 漁 料 :年券12,000円、日釣り券1,500円
      ※現場2,500円
      ※中学生半額、未就学・小学生は無料
 オトリ店:高田橋友鮎販売所
       相模原市中央区水郷田名4-11-8
       090-8816-5320
 アクセス:圏央道厚木スマートインターより約15分

■箱根早川
 オトリ店:漁協販売所/小田原市早川3-10-13
 遊 漁 料 :年券10,000円、日釣り券1,300円
      ※現場売り2,000円
      ※中学生は年券2,500円
      ※中学生・女性は日釣り券650円 
 アクセス:小田原厚木道路「小田原西IC」から
      国道135号方面へ、オトリ店まで約3分

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

SHOHEY 鮎にゾッコン!ずっと川に浸かっていたいと思う日々を過ごす。3~4月は渓流釣り、5~10月の休みは全てを鮎釣りに捧げ、全国各地を「鮎な夏!」で駆け巡る。主催するアウトドアの団体にて、キャンプや釣り初心者のためのイベントなども開催。

その他オススメ記事