伊藤遊船・江戸川放水路行徳

2016.4.22号

涼快! 江戸前の風物詩、夜アナゴが開幕

表紙

東京湾奥、いわゆる江戸前エリアの夏の風物詩、夜アナゴが湾奥の船宿からいよいよスタート。最近は釣果が下降気味で出船数が減少したが、独特の釣趣を慕って待ちわびるファンも少なくない。江戸川放水路・行徳『伊藤遊船』のアナゴ担当、吉田正己船長に展望を聞いてみた。

絶品の味覚、今季は7月まで楽しめるか?

江戸前の夜釣りは夏へ向かってどんどん気温が上がる日中を尻目に、快適さを兼ねて夕涼みの釣りを楽しもうという、先人たちの粋から生まれた釣り。主にメバル(最近ではカサゴも)とアナゴで、両魚が夜行性で適していたという理由もあるが。特にアナゴは船宿が捌いてくれる手間いらずで、盛況だった頃は女性や子供にも人気があった。勿論、白焼き、煮アナゴなど、味が絶品なのも特筆ものである。

「ウチは、今月23日から出船、スタートは例年並みといえます。大体、他の遊漁船や漁船の動向を見て決めますが、もうアナゴ筒漁師が筒を仕掛けだしたとの情報も入りましたし、釣り船のシロギスやカレイ船で結構釣れてきていたので、始めてみようかと。近年は中々釣果が続かず、長い期間出船できませんが、出来れば7月上旬くらいまではやりたいですねえ」と吉田船長。最近は夕方の専門船のほか、午後1時に出船するシロギスとのリレー船も出ている。専門船は夜3時間足らずの短い釣りだから、じっくり釣りをしたい人や、お土産をばっちり確保したい人にはリレー船も魅力的だ。

仕掛け図

釣り場は木更津沖の水深15m前後がメーンになりそう。「往年の好ポイント、長浦沖は最近ダメな年も多いです。リレー船が前半に中ノ瀬のシロギスを狙うことを考えると、まずは転進しやすい木更津沖が“本命”場所。よほど状況が良くない限り、長浦方面は狙わないと思いますね」と言う。なお、最近の傾向として言われているのは、夜釣りながら、薄暮の夕マヅメ時にアタリが集中すること。釣り時間も短いので、チャレンジするなら釣り開始からエンジン全開モードで行くことをお勧めする。

伝統は2本竿の小突きだが、ビギナーは1本竿でも十分OK

夜アナゴの伝統的スタイルは2本竿で、1.2~1.5mのアナゴ専用竿を両手に持ち、2本をリズミカルに上下させて小突いていく。ただし、ビギナーには2本竿は扱いにくいし、初めから専用竿を2本購入するというのも経済的ではない。よって1.5mクラスの硬めのキス竿1本でも代用は可能。リールもスピニングで問題ない。実際、『伊藤遊船』でアナゴ船に出すレンタル竿は少し硬めのキス竿で、リレー船の場合はそれ1本でシロギス、アナゴに流用。調子など全く問題ないそうだ。

仕掛けは伝統の吊鐘オモリを使用。『伊藤遊船』の常備品は1本バリだが、2本でも可。ただし、ヒットした時に、他1本が胴に刺さったりして、手返しが悪くなる場合もあるので念のため。オモリ上に付ける集魚用の発光材ケミホタルは定番の蛍光イエロー。近年、赤色が人気になったこともあるが、効果ははっきりせず、これは好みの問題。ハリはウナギバリのほか、懐が深く餌の青イソメをたっぷり付けやすいため、丸セイゴやキツネバリを使う人もいる。要は青イソメをボリューム感たっぷりに付けることが大事で、1匹を縫い差しにするか、1匹の半分程度をハリ軸に通し刺しにした後、3~4cmの長さにカットしたものを2~3匹チョン掛けにする。「たっぷりとは言っても、垂らしが長過ぎるのは食い込みが悪くなるので注意。なお、船下狙いで食わないときは少し遠投して広範囲を探るが、同じタックルで大丈夫です」と船長。

キャプテンズレポート

口が硬いアナゴには、しっかり合わせが大切

釣り方は船下の小突きか、チョイ投げの待ち釣り。ベテランファンは両手に竿持ってリズミカルに小突くのが、伝統的で好き。「底に付いたオモリを、コロコロと起こしたり寝かしたりする感じの小突きです。これは1本竿の人でも同じ。10~15秒小突いたらオモリを20cmほど浮かせ、そしてまた落として小突く。アタリは竿先がもたれたり、ググッと抑えこんだりするので、思い切って鋭く合わせて下さい。アナゴは口中が硬いので、しっかり合わせないと途中でバレますから」と船長。よく見かけるのが、アタリが良く分からず、半信半疑で竿をそろそろと上げるやり方。これはバラシの確率がかなり高くなってしまう。間違えてもいいから、恥ずかしがらずにビシッと合わせることが大切だ。

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なお、チョイ投げの場合は3~5分待っては、仕掛けを2~3mほど手前に巻いて、また待つの繰り返し。居食いしている場合が多いが、多少の糸フケが出ているので、竿先にアタリが出るとは限らない。このため、手前に巻くときに、まず糸フケだけ巻き取り、それから竿を少し持ち上げて様子を探る。十分食い込んでいれば強めにググッと竿を抑え込むので、しっかりと合わせる。モゾモゾなどはっきりしないアタリなら、僅かに糸を緩め、食い込むアタリがくるまで少し待ってみること。

ヒットするとアナゴは意外と強い引きでゴンゴンと応戦してくれるから楽しい。それに、周囲を見渡してみると海上の夜景は陸とは一味違って、中々きれいだ。「まだ夜の海は寒く感じますから、ジャンバーなど上着を1枚多めに持参してくださいネ」と船長。粋な江戸前の夜釣り、いかがですか。

キャプテンズレポート
夜の東京湾もなかなかいい
今回紹介した釣り船
キャプテンズレポート

千葉県江戸川放水路・行徳
「伊藤遊船」

〒272-0111千葉県市川市妙典2-2-14
TEL: 047-358-5774
詳細情報(釣りビジョン)
伊藤遊船ホームページ

船宿データ

シロギス&夜アナゴのリレー船
出船時間: 13時~20時30分沖上がり
乗船料金: 9,720円(税込)餌、氷付き
レンタルタックル有り

夜アナゴ船
出船時間: 17時出船~21時沖上がり
乗船料金: 7,500円(税込)エサ付き
レンタルタックル有り

※料金等は取材当時のものとなります。出船時間や料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては釣り船までお問い合わせください。