春盛丸・神奈川県 長井漆山港

2016.9.22号

一気に秋! 東京湾口一帯のヤリイカ本格化

表紙

寒期のイカ釣りといえば、細身でグッドスタイルのヤリイカ。季節が夏から秋に変わる頃、スルメイカとバトンタッチして主力ターゲットになる。ここ数年、天候の変化か不作年も多いが、今季は9月中旬からきっちりパターン通りの好気配。イカ船の元祖エリア、三浦半島長井港の「春盛丸」沼田孝章船長に、初期の攻略法をインタビュー。

今期はいけるか! 9月中旬からスパッとヤリイカに切り替わり

35cm級の良型も交じる

「久々に今シーズンは良さそうですねえ。もっか長井~城ケ島沖をメインに狙っていますが、ポイントが散らばっていて、どこでも数になります。悪い年だとポイントが限られていて、そこを狙い続けなきゃならず、苦しい状況になりますから」と沼田船長。つまり、連日安定した釣果を続けることができるということだ。反対に悪い年だと同じ反応を狙い続けてスレからしにし、どんどん釣果が落ちていくという具合だ。

ベテランが多く直結仕掛けを操る人も

『春盛丸』は夏イカのスルメイカが9月上旬まで中心に乗っていたが、中旬初め頃からヤリイカにチェンジ。9月は端境期と呼ばれ、両イカの比率が日毎に変わるのだが、今季はスパッとヤリイカに替わってしまった感じ。それだけヤリイカの活性がいいという証拠だろう。もっかトップはいい日で50杯超え、それ以外でも20~30杯に到達するから、初期としては御の字といえる。サイズは20~35㎝で小型中心に良型交じり。

“ヤリ”といえば透明でコリッとしたイカそうめんが知られるが、この時期の小型は軟らかく、また違った意味でかなり旨い。水深も100m前後とまだ浅いから、ビギナーにもチャンスは十分ある。

浅場は枝ス間を短めにとって泳層を直撃

沖のイカ釣り、つまりヤリイカとスルメイカの仕掛けはほぼプラヅノだ。問題は長さ。通常、パワフルなスルメイカには14cmか18cmを使う。掛ける針(カンナ)も太く上部にできている。対してヤリイカは短く細めの11cmが中心。カンナも細い。普通、端境期には両イカが乗るため、2~3タイプを持参するが「もう11cmでいいですねえ。もっか交じってくるスルメイカもヤリと同サイズで、真夏のでっかいのはほぼ乗りませんから。まあ、保険に14cmを持ってきても構いませんが」。色もそれほど気にしなくていいそうだが、強いて言うなら潮澄み時には薄色系でケイムラ、薄ブルー、薄ピンク、若草色などの組み合わせ。濁り潮は濃色系で濃いブルー、濃いピンク、グリーン。もう一つ、よく言われるが赤系ツートンの7cmスッテを1本交ぜる方法だが、この時期はそれほど効果的でもないとか。交ぜるならガス糸巻きの赤白、赤ピンク、赤緑などがお勧めだ。

なお、ヤリイカも最近ではツノ直結仕掛けに人気があるが、現在はブランコ仕掛けでなんら問題はない。今年はサバが少なく、ブランコでも飲み込まれて四苦八苦ということが少ない。それに、今の中小型ヤリイカは身が軟らかいから、直結よりブランコの方が身切れもしにくい。ただ、枝スの長さはツノより短く。大体5cmがベスト。ブランコは長いとアタリが取れないことが多く、ビギナーは特に顕著なのだ。また、それならばと枝スを極端に短くする直ブラを選ぶ人もいるが、悪くはない選択。しかし、注意点として幹糸との接続に透明のクロスビーズを使ってはいけない。なぜかこの光り物はイカが嫌うらしい。


好調な日には頻発する3杯掛け

もう一つ、枝ス間の幹糸の長さもちょっとしたコツがある。「水深100m前後の浅場は100~120cmほどと短め、水深150~200mの深場は150~160cmと長め。ヤリイカは底べったりが多いイカで、浅場だと海底からせいぜい上層10mまでの幅狭い層に、深場だと警戒心が薄れるのか海底から幅広い層に反応が出ることが多いんです。だから、イカの層の中に仕掛けを納めてやるために、枝ス間の調整をするんですよ」と船長。まあ、この長さは取り込み時の手繰り幅になるのだが、直結ではなくブランコだから、それほど長短は気にならないはずだ。念のため、長短2セットの仕掛けをいくつかも持参するのがベストと言えよう。

海底の小さい乗りをキャッチするのが好釣果への道

ヤリイカの泳層は海底ベッタリから、水深や活性の具合によって何m上層までかが決まる。前述のように浅いと幅は狭く、深いと幅広い。このため、まずは底付近をしっかりと探ることが大事だ。投入の合図が船長から出たら、いち早くオモリを投入。最初に着底させることも好釣果への一つのカギ。着底したら一呼吸待ってから、ゆっくりと竿で聞き上げてみよう。活性が良ければこのワンアクションで竿先を押さえるような乗りがくる。ただ、今の時期はヤリイカが小さいだけに、反応が出ない場合もある。当たらなければ少し上層へと乗りの確認も兼ねて、ゆっくり仕掛けを巻き上げる。この動作について船長の貴重なアドバイスを紹介。

ビギナーに交じった小型スルメイカ

「アタリが出にくいからと、慎重にリールをゆっくり手巻きする人がいますが、これだと竿先が下がりがちになって、意外と乗りを取れないんですよ。それよりも竿を水平にして、電動のごく低速で巻き上げるほうが、間違いなく乗りが竿先に出ますヨ。大体、乗るときっていうのは、一度にドッとツノにチェイスしてきているはずなんです。それが、活性がいい時はそのまま3~4杯掛かかり、悪い時は1杯という感じでしょうか。多点掛けだと分かりやすいですが、単発の日は小さい1杯の乗りを拾っていかねばならない。だから、底付近の操作は大事です」とのことだ。

もっか浅いのでイカダイも可能。竿出しは船長に確認を

今期はかなり期待しているという船長。“イカの春盛”と言われるのでベテラン陣も多く、ビギナーは尻込みしがちだが、逆に船長は「ベテランは、いいお手本になりますヨ。親切に教えますから、気軽に来てください」とのこと。これから春までロングランのヤリイカ。一番水深が浅い今のうちにヤリイカ釣りデビューというのはいかが。

今回紹介した釣り船
釣り船

神奈川県 長井漆山港
『春盛丸』

〒238-0316 神奈川県横須賀市長井6-9-36
TEL:046-856-1548
詳細情報(釣りビジョン)
『春盛丸』ホームページ

出船データ

予約乗合制
乗船料金:料金:9,000円(女性は1,000円引き。子供割引有り)
電動リール電源、ツノ投入器完備、氷無料
集合時間:午前6時~沖上がり午後1時
※10月から出船:午前6時30分~沖上がり:午後1時30分

※料金等は取材当時のものとなります。出船時間や料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては釣り船までお問い合わせください。