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川村光大郎・冬バス攻略ルアー四天王【後編】ジャークベイト&ラバージグ

2022年12月27日公開

川村光大郎・冬バス攻略ルアー四天王【後編】ジャークベイト&ラバージグ

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バスが釣りづらい冬にこそ使うべきルアー4選とは? レジェンドバスアングラー川村光大郎が明かす「冬の四天王ルアー」の後編は、ジャークベイト&ラバージグの使い方を動画付きで実釣解説する!!(執筆:安倍康浩)

アングラー紹介

アングラー紹介

川村光大郎(かわむら・こうたろう)

霞ケ浦水系をホームレイクとし、オカッパリバス釣り界の最先端を走り続けるレジェンドアングラー。妥協のない探求心で、独自性あふれるルアー&フィッシングギアを生み出し続けるメーカー「ボトムアップ」を主宰。岸釣り以外では、レンタルボートスタイルでの房総リザーバー釣行も多い。

四天王ルアーは釣り場や状況で変化する

バスが捕食するタイミング、いわゆるフィーディングタイムが短くなる冬は「ルアーをいくつも使いまわすのではなく、4つぐらいに絞った方が結果的にバスをキャッチする可能性は高まる」と川村光大郎さんは語る。今回の「冬バス攻略ルアー四天王」はまさにそれをテーマとする実釣解説で、その舞台は千葉県のリザーバー・三島湖。【前編】では、冬のバス釣りで定番ともいえるダウンショットリグとメタルバイブレーションの使い方を解説し、それぞれで見事にバスをキャッチ! 川村さんが挙げていた四天王ルアーの残りは「ジャークベイト」と「ラバージグ」となった。 【前編記事はこちら】

「三つ目の四天王ルアーはジャークベイト。冬の時期、水深があり透明度の高いリザーバーでは、ハードプラグのメインになります。ジャーキングによるダートアクションとポーズによって、下のレンジにいるバスを浮かせて喰わせられる。これが霞ヶ浦水系などの水深2mぐらいまでのステイン~マッディなフィールドでは、シャッドの出番が多くなります。こちらは、ハードボトムやブレイクをただ巻きやストップ&ゴーの連続的な波動で誘います。サスペンドとフローティングを使い分けるのですが、サスペンドは止めたときにその場で漂うことで喰わせの間を与えられる。一方フローティングは止めて浮かせられることで中層での誘いの幅が広がり、ボトムではスタックを回避させつつ引けるのも魅力。ボクはスティーズシャッド、ワスプ、スピンムーブシャッド、シャッドラップSRなどを潜行深度やアクションの強弱、浮力の違いやラトルの有無などで使い分けています」

ということは、四天王ルアーの中でも「ジャークベイト」と「シャッド」をフィールドや状況で使い分けることですね。

「そうです。前編でも言いましたが、ボクは冬に4つぐらいのルアーでローテーションしますが、そのうちダウンショットリグとメタルバイブレーションはほぼ変わりませんが、残りの2つは釣り場や状況に合わせて対応していきます」

冬に川村さんがリザーバーで使うルアーカテゴリーは、「ダウンショットリグ」「メタルバイブレーション」「ジャークベイト」「ラバージグ」の4つ。

四天王その3 ジャークベイト!

今回の実釣では、朝イチのフィーディングタイムを狙って、三島湖上流部(減水のためにボートがギリギリあがれるバックウォーター合流点)をジャークベイトで探った川村さん。その後はメインレイクに戻り、「ともゑ」前の岩盤にてダウンショットリグでバスをキャッチした。そのあとは、再びジャークベイトのビジョンワンテンとフェイス87をローテーションしながらメインレイクのバンク沿いを流していった。朝は湖面を霧が覆っていたが、太陽が昇るにつれて晴天無風のコンディションとなってきた。

「冬は朝と夕方の両はじ30分に、バスの喰い気が集中します。その短いフィーディングタイムを効率的に狙うにもジャークベイトは有効なんですが、その時間が過ぎて、いまのようにワームにも反応せず、喰い気が感じられない状況であってもポロッと釣れることがある。緩急の利いたフラッシングで、反射的にバスに反応させるチカラがありますね。もちろん、地形やシェード、風などを考慮しますが、冬は強制的に喰わせられるルアーは欠かせないです。このジャークベイトやメタルバイブレーションがそうで、万策尽きたらこれらをやり続けることで、絞り出せることも少なくないです」

岸に沿ってボートを流しながら、ジャークベイトを操っていく川村さん。ロッドワークは、2回ロッドを動かしてポーズを繰り返している。

「ジャークベイトの王道と言われる、2トゥイッチ1ポーズも絶対ではないと思いますよ。ただ一定のリズムを繰り返すのはアングラーにとって操作し続けやすいですし、バスの方もイレギュラーな動きながらも同じリズムで動いていた方が食べやすいかなと感じます。ロッドワークの基本は、たるんだラインをロッドで弾いて緩めてを繰り返します。これをライン張りっぱなしで弾くと、ルアーがキレよくダートしてくれないので、瞬間的に引っ張って、すぐにラインをルアーの方へとくれてやるのが大事です。ロッドで弾く強さやリズムは調整していて、風がなく水面が凪いでいるときやストラクチャーにタイトに通すとき、プレッシャーがキツい状況ではやや軽めに弾き、波立っていたり濁っていたりと、よりバスに気づかせたい状況ではやや強めに弾くといった具合。ルアーによっても、適した弾く強さがありますね。目に見えるところで操作して、イメージを掴むといいですよ」

実際のロッドアクションや川村さんがよく使うジャークベイトの使い分けは、ぜひ動画を参考にしてほしい。

ビジョンワンテン(メガバス)/「誰が使っても切れのいい左右への鋭角なダートアクションが出せ、手前に寄りにくいことからもバスを浮かせるチカラが強い。ジャークベイトとして弱点が見当たらない」という川村さんのお気に入り。
ビジョンワンテンJr.(メガバス)/オリジナルサイズのワンテンより一回り小さい全長98mm。「オリジナルモデルではアピール過多に感じる場面で投入。オリジナルより潜行深度が浅い分、軽い弾きでも左右に飛ばしやすい」
フェイス87(エバーグリーン・MODO)/「コンパクトなボディにやや長めのリップがセットされた数少ないタイプ。もう少し下のレンジまで入れたい状況に備えて持っておきたいモデル。やや浮力が強めなので、ウエイトシールで超スローフローティングに調整しています」
プロトジャークベイト(ボトムアップ)/「まだまだ開発初期段階です」とのことだが、全長に対して、背の高いボディが特長。
ジャークベイトのロッドワークは、たるんだラインをロッドで弾き、すぐに竿先を戻してラインテンションを抜くこと。それによって左右へ飛ぶようなダートが生まれる。

冬に狙うべき日陰とは?

メインレイクをジャークベイトで流していくと、フェイス87にバイトがあるもフックアップせず。そのまま、ダムサイト近くまで流しながら川村さんは、オダ状に木が重なって続く、ややなだらかな傾斜のバンクに狙いをつける。 「ここは地形もいいですが、昼間でも日陰になっている場所。冬でも日向よりはシェードの方が絶対的に釣れますが、一日中日の当たらないワンドの奥のような寒々しいエリアは今ひとつです。それよりは日向と日陰の入り混じったような場所、日向の中の日陰のようなスポットがいいですね。特に今は風が吹いてきて状況がよくなってきましたし」

なだらかなバンクにあわせて、ボートを少し離し気味に流していく。2トゥイッチ1ポーズのリズムでフェイス87を引いていると、水中に沈んだ木に軽くスタック。それをゆすりながら外すと…。 「バスだ! 喰ってた⁉」と川村さんも驚きのラッキーフィッシュをキャッチ。

「おそらく木に引っかかったルアーをバスが見ていて、外れた瞬間にバイトしてきたのではないかと。今は木にスタックしましたが、カバーに絡めて引くときはトゥイッチをちょっと弱めにします。あんまりと強くはじくと横に飛び過ぎて引っかかりやすくなるので。あとは狭いスポットで誘うときもじらすように弱めに弾きます。逆に広い場所から引っ張ってきたいときなどはやや強めにトゥイッチして飛ばすこともありますが、ボクはあまり強く弾くことは少ないですね。やりすぎると、今どきのバスは嫌がる感じがします」

日陰となったバンク沿いを流し、フェイス87が沈んだ木に軽くスタックして外れたときにヒット! 「これはラッキーフィッシュですね」
ジャーク後のポーズで自然に漂うよう、浮力が強い場合はウエイトシールでサスペンド~超スローフローティングに調整。微調整であればスプリットリングのサイズで調整する。
「ジャークベイトには、全体的に曲がるやや短めのロッドが投げやすく、ロッド全体でラインスラックを叩きやすいのでオススメ。袖や服に干渉しないショートグリップがいいですね」

四天王その4 ラバージグ

四天王ルアーのうち、3つでバスをキャッチした川村さん。残るはラバージグだけとなった。 「冬に限らずですが、ボクにとってギャップジグにブルスホッグダディをセットしたコンビは、フィールド問わず、良型狙いに欠かせないセッティング。冬はさらなるビッグフィッシュを狙うのに、よりボリューミーなジグとトレーラーになります。例えばトレーラーをポークならビッグダディタイプにしたり、フレックスジグとスクーパーフロッグマグナムのコンビなどになります。これは冬に1日やり続けて3バイトあればいい方で、ノーバイトを覚悟してでも50アップ狙いに特化する釣りです」 まさに冬のでかバス特化ルアーになるわけですね。でも、冬に使うラバージグといえばスモラバも欠かせないと思うのですが…。
「もちろんです。冬でも手堅く釣るのであれば、スモラバでの中層一点シェイクは有効です。バスがカバーにサスペンドしている状況では、冬の絶対定番と言っていいですね」

ギャップジグ7gとブルスホッグダディのコンビネーションは「良型のバスが好むボリュームながら幅広い状況に対応できるので、ラバージグの基準としている組み合わせです」
ラバースカートとトレーラーとのコンビネーションで生まれる、生命感のあるアクションがラバージグの特徴。
ジグのウエイトやトレーラーのサイズなどの組み合わせで、ボリューム感や動きに変化がつけられるのもコンビネーションルアーならでは。写真左はギャップジグ5g&ブルスホッグ。
「冬ならではのでかバス特化型でいくなら、スクーパーフロッグマグナムorダディ(プロト)をトレーラーにした、フレックスジグの出番ですね」。その破壊力は「熱釣塾・スクーパーフロッグ活用術」の後編で徹底解説している。

「熱釣塾・スクーパーフロッグ活用術」の後編

伝家の宝刀マイクロピッチシェイク

カバージグでは、崩落による沈み木やカバーに溜まった浮きゴミなどをチェックしていった。ジグストで中層を誘ったり、カバーやボトムに絡めても誘う川村さん。しかし、メインレイクからダムサイト付近まで流してもバイトは得られない。ダムサイト近くに浮いている流木のかたまりに差し掛かると、「こういうところこそ、マイクロピッチシェイクだな」とベイトフィネスタックルにチェンジ。ラインの先には、M.P.Sビッグをトレーラーにしたコスモ3.3gが結ばれている。

「マイクロピッチシェイクの操作は、トレーラーのテールを微振動させるイメージで、細かく一定のリズムで誘い続けます。上の層から徐々に落とし込んでいくことで、フックやラインをバスに見せないことにもつながります」

川村さんは、まずフリッピングの要領で引き出したラインを左手に持ち、右手でロッドを細かくシェイク。左手を徐々にロッドに近づけていくことで、スムーズにレンジを落としていく。浮き流木の直下から少しずつスモラバを沈めていき、最後はラインを引き出してレンジを下げてシェイクを続けると、スティーズウェアウルフが鋭く動く! 流木の間からバスを引き上げて、見事に四天王ルアーの4アイテムでコンプリート達成した!!

冬のタフな状況で頼りになるのが、コスモのようなコンパクトなスモールラバージグ。写真のトレーラーはM.P.Sビッグ。
川村さんの得意ワザの一つである「マイクロピッチシェイク」。一定のリズムでの細かいシェイクで、いてもなかなか口を使わないバスを狙う。「バイトがあったら即アワセです」
三島湖ダムサイト付近の浮き流木をマイクロピッチシェイクで狙う。ラインをあらかじめ引き出して、徐々に送り込んでいくのが振り落としのテク。
カバージグで狙ったあと、さらにスモラバでしつこく誘い続けて喰わせた冬バス! これで冬の四天王ルアーコンプリート!!

ジャークベイト&ラバージグ対応タックル

タックル情報 ジャークベイト&ラバージグ対応タックル ジャークベイトには「ミディアムライトぐらいで全体的に曲がるロッドが投げやすく、トゥイッチしやすいです。ショートグリップの方が袖や服に引っかかりにくいのでオススメ」とのこと。ラバージグはタイプによって、ヘビー~レギュラークラスのバーサタイルタックルとベイトフィネスタックルをそれぞれ使い分けた。

◆ 写真左上から
【ヘビーバーサタイル】スクーパーフロッグマグナム+フレックスジグ10~14gとのコンビ・ギャップジグ+ブルスホッグダディなど
● ロッド:スティーズショアコンペティション ヘビーバーサタイルプロト(DAIWA)
● リール:ジリオンSV TW1000HL (DAIWA)+カーボンハンドル・コルクノブ(SLP WORKS)
● ライン:スティーズフロロ クロスリンク16ポンド(DAIWA)

【ジャークベイト】フェイス87・ビジョンワンテン・ワンテンジュニア・ボトムアッププロト
● ロッド:BLX LG651M/MLFB (DAIWA)
● リール:スティーズSV TW1000HL (DAIWA)+カーボンハンドル(SLP WORKS)
● ライン:スティーズフロロ クロスリンク12ポンド(DAIWA)

【バーサタイル】スティーズフレックスジグ7g+スクーパーフロッグダディ(プロト)
● ロッド:スティーズショアコンペティション SC C69M+ -STファイヤーウルフ(DAIWA)
● リール:スティーズリミテッドSV TW1000HL (DAIWA)+カーボンハンドル・コルクノブ(SLP WORKS)
● ライン:スティーズフロロ クロスリンク13ポンド(DAIWA)

【ベイトフィネス】コスモ2.5~3.3g+M.P.S ビッグ
● ロッド:スティーズショアコンペティション 661MFB-SVウェアウルフ(DAIWA)
● リール:SS AIR8.1L(DAIWA)+カーボンハンドル・コルクノブ(SLP WORKS)
● ライン:スティーズフロロ クロスリンク10ポンド(DAIWA)

【スピニングバーサタイル】フルーミー5g・スクーパーフロッグ・ブレーバーマイクロダウンショット
● ロッド:スティーズショアコンペティション SC S64L-SV・STファイヤーフラッシュ(DAIWA)
● リール:イグジストLT2500S(DAIWA)
● ライン:エメラルダスEX12ブレイド0.6号(DAIWA)+グランドマックスFX1.5号(クレハ)

●冬バス攻略ルアー四天王・前編動画はこちら
●冬バス攻略ルアー四天王・後編動画はこちら

施設等情報

三島湖 ともゑ釣船店
〒292-1174 千葉県君津市正木325
TEL:0439-38-2544
ともゑ釣船店ホームページ

施設等関連情報

営業時間 6:30~16:00(11~12月)※季節変動あり
※ヘラブナ・ブラックバスレンタルボート(1日3000円~)。バッテリー、エレキなどレンタルあり。素泊まり可。
車:館山道・君津ICから約20km
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

安倍 康浩
ルアー専門誌の編集者を経て、現在は釣り・アウトドアを中心に動画制作をおこなうTOZiiTO代表。霞ケ浦水系のオカッパリバスフィッシングや東京湾のボート(シーバス・チニング)、エリアトラウトなど幅広く釣りを楽しんでいるが、突出して得意な釣りモノがないのが長年の悩み。釣り以外にはSUP、キャンプ、家庭菜園など外遊びを趣味としている
instagram:
@yasuhiro_abe16
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