平日でも満席の人気ぶり!
『たいぞう丸』が発着する“葉山あぶずり港”は、横浜横須賀道路・逗子ICを経由して逗葉新道・長柄出口から10分ほど。港の駐車場に入り、スタッフに〝乗船する船宿〟と〝釣り物〟を伝えると、最適な駐車スペースを案内してくれる。開店前なら、受け付け窓口のガラス戸に貼られた座席表に記名して釣り座を確保。集合時間になると受け付けがオープンするので、乗船料の支払いと乗船名簿の記入を行う。
船には釣り物の札が掲げられているので、桶が置かれた釣り座に荷物を運び込む。こうして出船準備は滞りなく完了。6時30分に、「第二十三たいぞう丸」は出船した。
見切りをつけた直後のポイントで竿が曲がる、曲がる!
穏やかな海を走ることわずか数分で船はスローダウン。魚群探知機で反応を探していた船長から「どうぞ、11メーター!」の合図でスタートした。…のだが、この反応は触りがなく、早々に見切りを付けた船長は船を走らせることしばし。程なくして有望な反応を捉え、丁寧に船の体制を整えてから「どうぞ~♪」の合図。錘の着底間もなくアタリが出て、誰が一番に掛けたのか見分けが付かないほど、一斉の巻き上げに船中は全集中モード。序盤からあちこちの釣り座で竿が曲がるノリノリの好釣を愉しんだ。
「ムズ面白い」これがマルイカ釣り!
やがてアタリが遠退き、辛抱の釣りとなる時間帯もあった。釣り人たちはスッテを付け換えたり、釣り方やタイミングを変えたりと工夫を凝らし、ポツリポツリと釣果を伸ばして行った。試行錯誤を重ね、集中を研ぎ澄まして釣果につなげて行く難しい側面もマルイカ釣りの面白み。何色のスッテに付いたか、どう掛けたかの情報を共有するなど、船中の釣り人同士で情報交換が行われていた。
大ミヨシで船中の釣りを牽引していた一之瀬さんは「難しいって言うか、これくらいが丁度イイ」と前向き姿勢。マルイカ釣りに対するストイックさを垣間見た。
船長に訊く「マルイカのコツ」
第二十三たいぞう丸・山本真一郎船長に、マルイカ釣りのコツを訊いた。
──これからマルイカ釣りを始めたい方へのアドバイスは?
山本船長「直ブラの4本仕掛けでやってください。あとは、分からないことがあったら聴いて貰えれば教えます」
〝直(ちょく)ブラ〟とは、〝エダスの短いブランコ仕掛け〟のことで、スッテの前後に幹糸を直接連結する「直結仕掛け」と、幹糸から10cmほどのエダスを出してスッテを結ぶ「ブランコ仕掛け」のイイトコどり。アタリが取り易くバラシにくいうえに、取り込みや投入器へのセット、オマツリ解きがしやすいなどのメリットがある。
──今後の展望は?
山本船長「まだしばらくやると思います。8月一杯くらいまではやる予定です」
とのことで、浅場で釣れるこの時期はアタリが取りやすく、仕掛けの上げ下げもラクなのでビギナーにもお薦め。夏の終わりまでたっぷり腕を磨ける入門の好機をお見逃しなく!
沖上がり間近、フィーバー再び!
流し換えてはポツリポツリの取り込みに、みなさん疲れの色が見え始めた沖上がり間近。大ミヨシの一之瀬さんが5連続で投入・取り込みを見せるや否や、船中いたる釣り座で竿が曲がる時合いに突入。ここまで忍耐の釣りをしていた釣り人たちも大いに気を吐いた。
かくして沖上がり時間まで好釣が続き、集計の結果は最後の流しでまくりにまくった左舷ミヨシの東條さんが67杯で逆転竿頭。次点は右舷大ミヨシの一之瀬さん65杯。続いて50杯、46杯とみなさん大健闘。おおむね20杯前後をお土産に持ち帰る釣果で笑顔の帰港となった。
「例年より多い。イイ方だと思いますね」と船長も太鼓判のマルイカ。これだけ釣れていても実は釣果の谷間で、取材後日には再び竿頭は束超え(100杯超)を叩き出した『たいぞう丸』。この好機はこれから始めたいビギナーや一皮剥けたいアングラーにおすすめなのはもちろん、腕に覚えのある上級者にも束釣りとその向こう側を目指してチャレンジ頂きたい。
施設等情報
施設等関連情報
集合時間:午前5時30分
出船時間:午前6時30分(準備出来次第)
乗船料金:10,000円(氷別:バケツ1杯300円)
※各種割引きアリ
貸し竿:あり(予約時に確認を)
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。