青森・夏泊半島、極寒の堤防で狙うエギングのヤリイカ!

冬の沖釣りのターゲットとして人気のヤリイカだが、東北・青森では、堤防からエギングで狙う事も出来る。今回は、夏泊半島東側の漁港からの釣りを紹介しよう。

ソルト
  • 青森県 夏泊半島

深夜~早朝、沿岸に回遊してくるヤリイカを狙う

陸奥湾のほぼ真ん中に位置する夏泊半島。ホタテの養殖が盛んで、寒さが厳しいこの時期でも、街には早朝から漁船のエンジン音が響き渡る。集落の人々がまだ寝静まっている深夜2時30分、夕方からの雨が雪に変わり、外は一面銀世界だ。一気に海水温が低下して釣れる魚種は限られるが、冬の定番、“本命”のヤリイカはどう反応してくれるのだろう。

寒さが厳しい冬の夏泊半島

スパイク付きの磯用ブーツ着用

防寒着に身を固め、釣り場に到着したのが午前3時30分。いつもは賑わう堤防も積雪のためか釣り人は少なく、潮通しのよい人気ポイントもがら空き状態だ。雨混じりの湿った雪。スパイク付きの磯用ブーツを履いていても、ズルズル滑りそうな足元に細心の注意を払い、釣り座も定位置より少し後方にポジションをとった。
タックルをセッティング。思ったよりも海は凪いではいるが、時折強く吹く突風でラインが大きく弧を描く。風が止む一瞬を狙って、ヤリイカ定番の夜光エギ2.5号をタイミングよくキャスト。数投したがアタリはない…。釣り座をより潮が効くポイントへ少し移動。今は大潮の満潮少し手前。若干の潮の流れがあり、エギに程よく潮が絡む。いかにも釣れそうな感覚になってきた。そこでエギをチェンジして反応を探ったのだが、ターゲットからの反応はない。やはり昨夜からの寒波が影響しているのだろうか。しかし、この時期にしては高い水温。条件は悪くない。ヤリイカは確かにいるに違いない。

防波堤からねらうのなら今。良型ヒットの可能性も…

シャクリのパターンを変えてようやくヒット!

アオリイカのエギングでついた癖のせいだろうか、ついつい強いシャクリになってしまう。そこで、ロッドティップをチョンと繊細に動かし、フォールの間も短くとる感じの優しいシャクリに変更した。キャスト後、このアクションを数回繰り返すと、ノシッ!手に伝わる心地よい重量感と時々出すジェット噴射。胴長12cm程のヤリイカだ。イカたちはシャクリに寄ってきてはいたのだが、警戒していたに違いない。その後も同様のパターンで胴長18cmを筆頭に連続3杯追加。秋には10cm程に成長していたのだが、ここまで大きくなっていたとは。日本海側に比べると、ここで釣れる平均的なヤリイカのサイズは小さめだが、刺し身や煮物にすると適度に身が柔らかく食味は最高だ。
午前4時30分。まだまだ夜は明けない。雪がちらつき始め、山から吹き下ろす風も強くなってきた。厚手のグローブを着用してはいるものの、手がかじかむ。一度車に戻り、暖を取ることにした。先行者も同様に休憩中のようだ。

エギは2.5号 夜光を使用

沖へ帰ろうとするイカ。帰れない自分…

再び釣り座に戻り、この1投で釣りを切り上げようかと思いながらキャスト。ところが数回のシャクリですぐヒット!休憩中も時合は続いていたのだ。夜明け前、順調に3杯追加。しかし、少しずつ潮流が緩くなってきて根掛かりも発生するようになってきた。潮汐表を見ると下げ潮に入っていた。連発していたアタリも遠のく。根掛かりに注意しつつ、より沖合にエギを留めておくような感じで、ややラインスラッグ(糸フケ)を出し気味にしてシャクリとフォールを繰り返す。ターゲットがエギに触れているような感じはあるのだが、中々フッキングに至らない。“また触った”。フォールを少し長めにとる。次のシャクリでドツッ!「根掛かりか?」重たいものが上がってくる。ギュッギュッと強いジェット噴射。やった!ヤリイカだ。胴長20cmオーバー。サイズアップ!
午前5時になってもまだ夜は明けない。ヤリイカのエギに触れる感じもなくなり、身を切るような早朝の冷たい風。手の感覚もなくなってきたので釣りを終えることにした。

胴長20cmオーバーも。寒さを忘れてついつい長居してしまう

今回使用したエギは2.5号のみ。潮流が緩くなった時にエギをサイズダウンしたり、フォールスピードの遅いエギにチェンジすれば結果はもっとよかったのではと反省する点も多かった。これからが冬本番。まだまだ楽しめそうだ。“喰い渋り”時も考慮して、様々なエギを用意しておくとよいだろう。

雪が積もった防波堤での釣り。安全第一で
夏泊半島の海岸線に沿って続く夏泊ほたてライン。冬場のドライブは慎重に!

施設等情報

夏泊半島
〒039-3301 青森県東津軽郡平内町東田沢

施設等関連情報

公共交通機関 青い森鉄道・小湊駅から車で約20分。
車 東北自動車道・青森ICから国道7号線経由。国道4号線を浅虫温泉から野辺地方面へ5kmほど直進すると夏泊半島入口。

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

元尾 大輔 釣りを始めたのは社会人になってから。ハゼ、アイナメのちょい投げ釣りからはじまり、サヨリのウキ釣りに没頭。得意分野はないが、磯釣り、船釣り、ルアー全般、エギング、ジギングや川釣りも少々。なんでもチャレンジ中。

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