体長60cm!超大型ニジマスも…
『秩父フライフィールド』は、秩父漁協(秩父市荒川久那)が、荒川支流の浦山川に2012年に開設したキャッチ&リリースオンリー、完全予約制の管理釣り場である。流程は浦山ダムの下流約800m。区間には大淵、落ち込み、瀬、ブッツケ等のポイントが点在し、ロケーションは抜群だ。特にフライマンの間で評判なのが、60cmを超す“ヒレピン”の大型ニジマス。同漁協はウェブサイトでその日の釣果や釣り場の状態を公開しているが、映っている魚体はほれぼれするほど美しく、立派だ。
林間を抜けた先にフィールド!たかぶる気持ちを抑えて
釣り場脇の漁協事務所にある受付で、遊漁料の2,500円を支払う。釣り場には、全面立ち入り禁止区間、河川立ち込み禁止区間があることなどのレクチャーをスタッフから受ける。立ち入り禁止区間については、「いったん川から上がって道へ出て迂回して」と言われた。
この日の予約は自分を含めて3人。釣り上がるため、まずは、エリア最下流に向かう。事務所前の道に出てしばらく歩き、左手側に現れた“釣り場出入口”の看板を左折、林内の小道を下るとニジマスが泳ぐフィールドの下流だ。
ユスリカがちらほらハッチ
直線状の瀬が続く下流のトロ瀬で、フライマンが沈むタイプのフライ“ニンフ”を付けてルースニング仕掛けで狙っている。最下流へ行くには彼の横を通過しなければならない。挨拶がてら釣況を尋ねた。「アタリは数回ありましたけど、フッキングしなかった。喰いが浅い感じかな。(魚は)沈んでいますね」。
このところの寒波の影響か、活性は低そうだ。ニジマスたちが水面近くに浮上してくるのか、少々不安になる。
エリア最下流の境界、大淵の様子を見ながら仕掛けをセットする。時計をみると、午前10時。水温は8 ℃。ユスリカがちらほらハッチしている。ヤマメ釣りで頻繁に使用する茶系のハックルをパラリと巻いた14番の毛バリで釣りを始める。
魚の状態に合わせて仕掛けを変更
大淵は流れ込みだけ2、3度探って上流へ。そこは、落ち込み、沈み石、巻き返しなどが短距離だが連続する-いかにも魚がいそうな上質ポイントだ。腰を落ち着けてしばらく狙う。ところが、毛バリを繰り返し流しても、魚からの反応は全くない。諦めて、上流の落ち込みへ移動しようと足を踏み出した時、沈み石の脇で何かが動いたように見えた。目を凝らす。「いた!」。サイズはそれほどでもないが、河床すれすれのところでユラユラしている。水深は膝上くらい。やはり、低活性なのだ。水面に浮いてこない。だが、魚を見つけた以上、素通りはできない。釣り上げたい欲求が一段と強まった。
方針転換を決断!
水面近くの毛バリまで浮上しないニジマス。どうしたものか、と思案する。釣りを開始してから、ミッジも試みた。今日のテーマは「表層近くで釣る」こと。しかし、困難な状況。ならば、魚の口元へ毛バリを送り込んでしまおうと、方針転換を決断する。使用していた3.5号のフロロカーボン4mのレベルラインを、竿(3m)と同じ長さのものにして、毛バリもヘアズイヤーのニンフに付け替えた。
毛バリが水勢に負けずに一気に沈下するように、ハリスに粘土オモリを小豆大にちぎって撚り付けて、アタリをとるための目印を結んだ。この仕掛けでニンフを水中深く沈め、水面を意識しないニジマスをミャク釣りの要領で釣り上げるという算段である。
深く沈めた毛バリに好反応!
勝負はあっけなかった。ニンフを落ち込みに投げて、水流に乗せながらニジマスのいる水深付近まで沈めると、すぐにアタリがきた。ラインが止まるか、不自然な動きをしたら、それがアタリだ。入渓して、あれこれ毛バリを交換して悩んだのが嘘のような好転ぶりにビックリ。期待の60cmクラスはお目にかかれなかったが、30cm級が複数匹出た。あのまま、表層に毛バリを流し続けていたら、手痛い仕打ちを受けるところだった。「表層で釣る」というテーマを設定して臨んだ釣行だったが、本音をいえば、やっぱり魚の姿は見たいからね。
施設等情報
施設等関連情報
期間 通年営業
営業時間 3月1日~11月30日 8:00~17:00
12月1日~2月末日 9:00~16:00
定休日 毎週水曜日、12月29日~1月3日
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。