埼玉県・入間川でオイカワ爆釣!地域伝承の流し毛バリに驚愕!

その昔、関東地方を中心に愛用されていたハヤ(ウグイ)、ヤマベ(オイカワ)を対象にした「流し毛バリ仕掛け」。最近はあまり使われなくなっているようだが、「物は試し」と埼玉県・入間川でオイカワ釣りをやってみたら、これが滅茶滅茶釣れてその威力にビックリ!

淡水
  • 埼玉県 入間川

初心者にもお勧めの仕掛け

「流し毛バリ仕掛け」とは、“蚊バリ”とも呼ばれる小さな毛バリを枝バリ状に複数(5~10本)付けたモノ。のべ竿にセットして水深の浅い瀬を狙って上流から下流に流すと、パシャリと小魚が喰らいつく。時間帯としては、羽虫が飛び交い、それを狙って水面に魚が跳ねる朝・夕のマヅメ時が最も威力を発揮する。“餌いらず”、仕掛け作りの手間も必要ないことから、初心者でも手軽に楽しめる。清・渓流の釣り用品を置いている釣り具店なら取り扱っている店も多く、比較的簡単に入手出来る。その「流し毛バリ仕掛け」を使って、埼玉県飯能市の入間川でオイカワを狙った。飯能市立加治中学校の近く、JR八高線の鉄橋が架かるすぐ上流が釣り場だ。

なお、同河川で魚釣りをするには、所管する入間漁協の遊漁券が必要(私は年券所有)。オイカワ釣りの日券はリールを装着しないのべ竿使用で400円、フライフィッシングなどリールを付けての釣法は700円となる(いずれも店売り)。今回の釣り場から最も近い遊漁券販売所は、加治橋右岸袂の飯能市林業センターに入る入間漁協事務所。付近での駐車可能スペースや釣況など、分かる範囲で答えてくれるだろう。

釣り場はJR八高線の鉄橋付近
鉄橋の上流。こんな瀬もオイカワ釣りにいい
入間漁協事務所が入る加治橋右岸の飯能市林業センター

ユスリカなど虫が左右に羽根を広げたような形態

釣り場は、本流と分流が合流し、広い瀬を形成しているところ。水深は深くても40cm程でオイカワの好ポイントだ。竿は全長4.5m。トップ(穂先)から3.2mのところに5号の玉ウキが付き、残り1.3mに末端の毛バリ含めて6本の毛バリが結ばれている仕掛けを使った。毛バリは、玉ウキ下25cmのところから22cm間隔で5本、道糸の末端に1本の配置。末端の毛バリから玉ウキ側25cmの位置に飛ばしやすさと浮力、絡み防止などの狙いで長さ2cmの木片(割り箸流用)が付けられている。毛バリのフックサイズは袖2号、道糸は0.8号の通し。枝スの長さは3cm程だ。毛バリのカラーは上から順に、赤、黒、白、黒(ハックルは茶)、黄、黒。毛バリは単一素材及び煌きで魚へのアピールを狙うのか、金銀の光ものが使用されている。毛バリのスタイルはフックシャンクにハックルがぐるりと巻かれているものではなく、ユスリカなど虫が左右に羽根を広げたような形態をしているのが特徴だ。

虫の羽根が左右に広がっているような形状の毛バリ
流し毛バリに絶好のポイント

1投に1匹!次々とヒット!!

仕掛けを購入した釣り具店の店主の言葉を頭の中で反復する。流し毛バリでオイカワ釣りをするのは、何を隠そうこれが初めて。テンカラを愛好する私だが、店主から「テンカラやフライのようにロッドを振ってはダメ。遠心力で仕掛けを投げること」と注意を受けている。「の」字を書くように滑らかに竿を振らなれば、仕掛けが絡まり、使い物にならなくなってしまうというのだ。竿の急な操作は禁物。「用心、用心」と言い聞かせ1投目。真横に投げて、下流に仕掛けを流そうとしたが、失敗。足元近くに落下する。

2投目。今度は上手く着水、下流に流し切った辺りで手にアタリがグン!早々にオイカワが掛かった。流し毛バリで初めての記念すべき1匹目である。慎重に引き寄せたが、なんと途中でフックアウト。3投目もフッキング。「頼む、バレるなよ」と祈るも、これまたオートリリース。

気を取り直して1m程下って、仕掛けを投入。仕掛けが下流に伸び切った状態で、毎回のようにアタリが来る。備えていると、想定した通りの場所でバシャンと大きな波紋。軽く合わせると、大きい。強い引きだ。道糸が右に左に騒がしい。遊ばせると、ラインが絡まるので竿を立て、やや強引に寄せると、12、13cm級の良型だ。オイカワもこのサイズになると“雑魚”どころじゃない。立派な清流のファイターである。オレンジ色のラインが体側に入って、美しさも備えている。この後も流し毛バリはコンスタントにオイカワを引き付けた。釣っては放し、釣っては放しでまさに爆釣。ただ、赤と黄色はどういうわけだが、オイカワは咥えず、黒色が最も釣果を上げた。ほぼ、1投に1匹掛かったが、1度に2匹ヒットした時は、互いに暴れて仕掛けが絡まり、解くのに少々難儀した。

元気のいいオイカワ
小さくても清流のファイター
このオイカワは末端の毛バリを咥えた

地域限定の伝承流し毛バリ

初体験だったオイカワの流し毛バリ。慣れるまではキャスティングに少々手を焼いたが、その後はオイカワを誘引する毛バリの底力でそれこそワンキャスト、ワンヒット。あまりも掛かり過ぎるので、ハリを外すのが面倒になったほど。トラブルのもとなので、かかったオイカワを遊ばせるようなことは出来なかったが、存分に楽しめた。

今回、使用した「流し毛バリ仕掛け」は、東京都・秋川の限定されたエリアで長年愛用され続けているローカルの“伝承仕掛け”。あきるの市の『とば商店』の先代が昭和の時代に秋川で実釣を繰り返して世に送り出したもの。先代が亡くなり、作り手が不在となってしまったため、7、8年前に青梅市の『川よし釣具店』が、『とば商店』の依頼を受けて製作、『とば商店』とともに店頭販売している。

使用したローカル色豊かな流し毛バリ
後方にJR八高線鉄橋付近を望む入間川

施設等情報

■入間川(JR八高線鉄橋付近、飯能市立加治中学校北側)
〒357-0046 埼玉県飯能市阿須 

■入間漁業協同組合
〒357-0046 埼玉県飯能市阿須343-1(飯能市林業センター内)
TEL: 042-973-2389 入間漁業協同組合ホームページ

施設等関連情報

車 : 圏央道・青梅ICから入間市「桂通り」、県道二本木飯能線を経て、飯能市の加治橋袂を右折、JR八高線鉄橋手前を左折

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

小島 満也 元釣り雑誌記者。
和式毛バリ釣りを愛好し、居住地である埼玉県西部の渓流、清流が主なフィールド。年に数回、ヤマメ・イワナ狙いで長野や福島県の田園地帯の里川に出没する。
山岳渓流ではなく、民家脇を流れるようなのんびりした里川に目がない。渓流魚だけでなく、和式毛バリでオイカワやブラックバスも。故郷の川で釣りを覚えたので、釣りを終えるのは故郷の川と心に決めている。

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