愛知県犬山市・入鹿池でアフター回復系のビッグバスを狙う!

何年バスフィッシングをしていても興奮する瞬間がいくつかある。そのひとつが、初釣行のフィールドで朝、釣りの準備をしている時だ。愛知県犬山市にある入鹿池が今回の舞台。フレッシュでヘルシーな魚体を持つバスが釣れることで知られている。いつかは訪れたいと思っていたフィールドのひとつである。今回は、その入鹿池で行われた「NBCチャプター愛知」への参戦記録である。

バス
  • 愛知県 入鹿池

エレクトリックモーターのみが使用可能!

今回、2日間お世話になった湖畔の『見晴茶屋』。普段は12ftのローボートを使用しているが、店の人の勧めもあり、幅が広く安定性のある11ftの不要艇(ボート免許不要)を借りた。入鹿池はエンジンの使用が禁止されているため、動力源はエレクトリックモーター(エレキ)のみである。私のエレキは36V109lbだが、チャプターのルールで24Vに制限されているため、バッテリー2発のみを積み込んだ(※実際には約70lb程度で使用)。

『見晴茶屋』
チャプタートーナメントのルールブック
ボートに積み込んだ状態

フィールドの規模は中規模程度。Googleマップも活用

トーナメント前日。プラクティス(練習)となった土曜日の朝、心を躍らせながら準備を行なう。まずは入鹿池の規模感を知るために、エレキで軽く見て回った。すると、1日だと普通に釣りをして、2周は出来る程度の規模であることを実感。

もちろん、私の好きな岩盤エリアの位置は、Googleマップなどを見て予習済である。まずは津久井湖や相模湖でやっていた釣りを試した。表層からボトムまで、さまざまなルアーを試しながら探ったが一向にバイトがない。ベイトも映ることがなく、まるで魚っ気がない。

桟橋からの風景
入鹿池のマップ

ベイトが沖を回遊。狙いは沖のバス

朝から赤土のバンク沖に、数艇のボートが浮かんでいるのは分かっていた。エリアを移動する時にその理由が判明した。ベイトである。岩盤沿いではなく、もっと沖を回遊していたのだ。魚探の反応がよい場所を探し、シューティング気味にさまざまなルアーを試した。そして、最終的に辿り着いたのがマグナムスプーンだった。通常、秋頃に効果的なことが多いマグナムスプーン。「この時期には、誰もやってないだろう」という意図で試しに送り込んだところ、一発で見事な1500g級のバスをキャッチ。入鹿池のコンディションを表わすような、アフター回復系のヘルシーな魚体だった。

その後は本番の魚を釣ってしまわないように、フックを外して同じようにシューティングをしていると、バイトが出ることを確認してプラクティスを終えた。得意の岩盤では魚を見つけられなかったので、明日はこれでやりきろうと決めた。

初入鹿池バス

ストラテジー(戦略)とタクティクス(戦術)

トーナメント当日の朝、準備と受け付けを終え、スタートを待つ。この瞬間はまさに緊張と興奮が複雑な心境を生む。自分のプランに自信があってもなくても、アドレナリンが出る瞬間で病み付きになる。スタート順は中盤。前の選手の行き先を見ながら、昨日立てた戦略を元に戦術を組み立てる。約半分が左の岩盤エリアからスタートし、残りの約半分が右側、そして本命エリアには数艇が向かって行ったので、全速力で追いかける。周りはみなライブスコープを付けた船だったので、一点で粘ることが分かっていた。そこで、旧式とも言える2D魚探しか持たない私が狙うのは、そこを外れたフレッシュな魚である。したがって、ボートが少なく、動けるエリアが広い今のうちが勝負なのである。

使用したタックル

あとたった5cm。ネットインが遠い

朝イチ。選手が少ない場所でひたすら魚探で魚を探す展開。2ヵ所目で狙っていた映像が映り、すぐさまマグナムスプーンを投下。1投で仕留めたかに見えたが、ネットまであと5cmというところで痛恨のフックオフ。昨日の魚はあれだけ慎重にネットインしたのに、本番ということもあり、自分に焦りが出ていたのが分かった。まだチャンスはあると思ったのもつかの間。風が出ると同時に続々と選手が集まって来たため、狙うエリアが狭くなってくる。さらに風が強くなり選手がまばらになった瞬間、再度シューティングを行ない、またも一発で仕留めたが、またもネット寸前でフックオフ。ここで試合終了となった。無念のノーフィッシュだった。

当日の表彰式のメモを見返していると、ヒントとなることがたくさんあった。少し間が空いてしまったが、それを見返している今、無性に入鹿池に行ってみたくなって来た。これが初めてのフィールドに行った時の価値である。これまでの経験や知識を総動員して、自分の得意な釣りでバスを追いかけるという本来のバスフィッシングの楽しみ方が出来る。そこにはセオリーがあるものの“ご当地ルアー”やリグが存在する。それを理解するためにはやはり経験が必須である。だからこそ、バスフィッシングを楽しんでいる人には、是非いろいろなフィールドに行ってほしい。新たな扉が開き、もっとバスフィッシングが楽しめることだろう。

【今回使用したタックル】
ロッド:バス用ベイトロッド 7フィート2インチ ヘビーアクション
リール:ハイギアベイトリール
ライン:フロロカーボン16lb
ルアー:2ozクラス スプーン

施設等情報

見晴茶屋
〒484-0023 愛知県犬山市堤下60 見晴茶屋ホームページ

施設等関連情報

営業時間 6:00 ~ 17:00
※ワカサギ、ブラックバス釣り、レンタルボート・レンタルアイテムも充実
車:中央道・小牧東ICから約5分

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

高橋 慎治 ブラックバスのトーナメント参戦を主軸に、トラウトやソルトの釣りも行う。「釣りで人生を豊かにする」というコンセプトのもと、釣り普及委員会の委員長としてイベントを複数回開催。日本全国の水辺で釣りをしてきた経験をもとに、記事を執筆していきたい。重度のTwitter民でもあるので、フォローを希望!

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