東京湾の“夏ダコ”!今シーズンも爆乗りモードの当たり年!!

今年も“夏ダコ”の最盛期到来!ここ数年、東京湾のマダコは20杯上限(申し合わせのバッグリミット)も夢でない当たり年が続いている。今やマダコ船は夏の東京湾の人気ターゲットと変貌を遂げた。しかし、激増した釣り人以外にも景色が激変したものが、空前の「タコエギ」ブーム。横浜・鶴見の老舗宿『新明丸』でも多くの釣り人がエギでの釣りを楽しんでいた。

船釣り
  • 新明丸・神奈川県鶴見

老舗宿でも“タコエギ”ブームが

『新明丸』には毎年のように出掛けているが、今シーズンは面食らった。老舗船宿らしく、数年前はほとんどの釣り人が楽しんでいたのが“テンヤ”。竹板に50号のオモリと2本のカンナがついたタコテンヤに餌のカニを巻き付けるだけ。竿やリールはなく、渋糸の先に結んだタコテンヤからの情報を自分の手のみで感じ取る、昔ながらの鯔背な釣りだった。しかし、今年は様相が激変。乗船者22人中18人がタコエギを選択していた。

数狙いにはタコエギで広範囲を探る
何故、タコエギブームが当たり年と無関係ではないのか?竿を使って釣りやすいというのと、エギという疑似餌を使った釣りのゲーム性の高さがブームの背景にあるのだが、実はエギは数を釣るにはかなり効果が高い。好奇心旺盛のマダコには派手なカラーのエギはアピール力が高い。しかも最近は音が出るラトル内蔵のモノまで売られている。そしてもう一つの大きな理由は、基本船下を中心に探るテンヤに対して、エギはちょい投げして幅広い範囲を探れる。これが数釣りを可能にする所以だ。

鶴見川の潮見橋の近くに船宿がある
老舗船宿『新明丸』
受け付けで会計を済ませて船に移動
コロナ対策もばっちり取り組んでいて安心
船宿には老舗ならではのタコのレシピが
鶴見川に降りて乗船
鶴見川沿いに停泊された新明丸
「タコ」の看板が目印。この日は他にフグ、マゴチ船もあった

タコエギ用のタックルは頑丈なものを

マダコに古くから精通した『新明丸』なのでテンヤの釣り方は過去記事を参照頂き、今回はエギについて触れたい。ここ数年で既にエギは不動の人気となり、釣具店にも専門コーナーが登場している。専用竿も多く出ているが、他から流用する場合は頑丈なものをお勧めする。時には数kgのモンスタークラスも交じるので、ロッドはイカ用やビシアジ用のものがいい。リールもドラグ性能を重要視した頑丈なモノを選びたい。

エギは派手な色をチョイス
釣果の肝となるのはエギ。こちらもカンナがマダコ用に大きくなった専用の物が沢山売られている。バリエーションも多く、各自の好みによるので『新明丸』では販売はしていない。事前に釣具店で複数買って臨もう。高橋船長のお勧めはオレンジや蛍光グリーンの派手目の色。意外なところでは頭が赤で胴体が緑などのアクセントがあるのも良いようだ。好奇心旺盛のマダコだけに「えっ、これが?」っていうほど派手なものが効果的。アピールを高めるために異なる色のエギを2本つけるのも効果大。ただし、3本以上は根掛かりが多いこのエリアではロストした時のショックが大きいのでお勧めしない。

エギに鶏皮を巻くのも効果あり
色とりどりなエギを準備
アピールに文字通りタコベイト
テンヤ用の道具。渋糸は船でも借りられる
餌のカニを巻き付けて
“夏タコ”には日焼け止め必須。人間が茹でダコになりますよ
“夏タコ”釣りにはカンカン帽がぴったりマッチ
マダコに逃げられないようにベテランさんは魚籠を用意
仕掛け図(エギ仕掛け)
仕掛け図(テンヤ仕掛け)

釣行日は満員札止めの人気

『新明丸』は首都圏の横浜・鶴見に宿を構え、交通の便に優れる(詳細は過去記事参照)。出船は午前7時半。午前6時過ぎに船宿に到着すると、既に受け付け前に人だかり。釣行日は満員札止め。計22人の釣り人を乗せて高橋英夫船長操船で舫が解かれた。東京湾では、7月1日にマダコ“全面解禁”を迎えたが、この日最初に選んだポイントは港を出てほんの10分程の鶴見沖。

前半は最悪のスタート
最初のポイントは水深5m程。想定外に早く明けた梅雨が戻ってきたのか?と思わせるほど釣行前日まで続いた雨。この影響でポイントの水色は川を思わせるほど濁った茶色。真水が混じった水はマダコには決して良い状況ではないので心配なスタート。この心配は現実となり、多くのタコがいるはずのポイントだがアタリが全くない。上限20杯が続いていた最近の釣果が嘘のように前半は厳しい。

さすがにマダコは人気があります
つばさ橋は鶴見を出てすぐ
この濁った水色が想定外の結果を
最初に“本命”をゲット
“本命”ゲット
良型のマダコは手に巻き付いて大変
テンヤでも“本命”ゲット
気を許すとすぐ脱走

やっと見つかった良い流しで5連荘

船長も水色を見て「この色は今シーズン最悪だね」とぼやく。9時を迎えたがまだ船中で小野さんが釣った2杯のみ。頻繁にポイントを変えて少しでもいい場所を探す。午前9時45分。良いポイントに当たったようだ。船中で立て続けに5、6杯がヒット。この日最初のラッシュに私も右往左往。1人で来た女性アングラーの高橋さんにも800g程の良型が。急いで駆け付けたとこでこの日の自分の運を決定づける痛恨のミス。まさかのビデオカメラの水没。折角のマダコラッシュまでの映像が全て水の泡となってしまった。

中盤はポツリポツリの拾い釣り!
正午を過ぎた。この時点でトップはまだ2、3杯。0もまだかなりいる状況。カメラの悲劇も相まって落ち込んでいる私に船長の優しい救いの一言。「最近は午後にサイズも数も上がってるよ。やはりタコも夕飯前に食いが立つんじゃない?」。ポイントを鶴見から南下していくつかポイントを周ってみるもポツリポツリの拾い釣り。いよいよ残り2時間を切った。

このいい笑顔の後に私に悲劇が
渋い中でポツポツ拾い釣り
きれいな星形に足を広げて
中盤から上がってきました
中盤でやっとゲット
猛追スタート
ナイスサイズゲット
後半は爆乗りモードに
横浜沖で好調に数追加
8杯を釣りました

後半に確変突入の爆乗りモード突入!

最後に選んだポイントは横浜沖。何が変わったのか、その時はいきなり訪れた。船長の予言が現実になる夢のような1時間。仕掛けを投入すると次々に入れ掛かり。しかもサイズが良い。1kgを超えるような良型が次々に上がる。何がスイッチだったのか不思議なほどの“爆乗り”。常連の麻由さんはこの時間を逃さなかった。タコがエギに触ったら少し待って、タコが完全に乗ったのを確認したら大きくフッキング。ズシリと伝わる重量感。気付けばその数は10杯となった。テンヤで挑んだ八百さんは最大1.8kgを釣り、計5杯。

サイズを狙うならやはりまだテンヤに分!
前半はヒヤヒヤしたが終わってみればトップ10杯。前半があまりに厳しく、最近の釣果と比べれば寂しいものの、それでも坊主(0杯)もなく全員が超高級ターゲットのマダコをゲット。船長によれば、エギは初心者でも数が釣れるのでお勧めだが、サイズを狙うなら、やはりしっかりとフッキングさせれるテンヤに分があるとの事。慣れた人はテンヤで幅広く探ることも可能。どちらにも対応出来るのがやはり一番ということか。

8杯ゲット
テンヤは平均してデカイ
唯一のツ抜け(10杯)で竿頭
お仲間同士でタコ釣りを堪能
後半連発してました
高いアピールにマダコが来ました
洗濯ネットにマダコがたくさん
本日のタコ釣りマスター。高橋英夫船長

施設等情報

神奈川県鶴見『新明丸』
〒230-0051 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央5-13-24
TEL:090-4600-1225
定休日:毎週木曜日
釣果・施設情報 新明丸ホームページ

施設等関連情報

マダコ乗合船
集合時間:午前7時までに受付
出船時間:午前7時30分~午後3時納竿
乗船料金:9,500円(餌付き)、女性・中学生以下は半額サービス。
駐車場:500円/日
※タコ枠のレンタル無料、テンヤは1個800円。エギは取扱無し

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

丸岡 直樹 釣りビジョンAPC

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